私『山南さんには私からちゃんとお話しします』
先輩「ほんまに言う? 全部?」
あれ以来
落ちつかない
足ドン
こわかった…
私『お忙しい時期にすみません 貴重な時間頂いてしまって…』
山南「私は大丈夫ですけど 長谷川さんは大変そうですね」
『
「
『いえ! 私の都合でご迷惑になることは絶対できません!』
「そんなに気を使わなくていいのに…」
『あ いえ これは山南さんに対してだけではなくて』
「分かってますよ(笑)」
『Σ(゚Д゚;)ハッ それでっ ぉお話しというのがですね』
「あ その前に 私からよろしいですか?」
『え…!? あ… はい…』
「これ 貰って頂けませんか?」
『 ? 』
「先月誕生日と伺ったので」
『えっ 誰から…?』
「………」
え 何 言えん人…?
まさか…
「
『そんなこと…』
「すみません やっぱり迷惑でしたよね」
『ああいえ…! ちょっといろいろ考えてしまって ありがとうございます こんなときに時間くださいなんて言うから気
「違います 私が渡したかっただけです 余計なことしてすみません」
『いえ…! 私のほうこそすみません!』
「………」
『じゃあ… 遠慮なく…』
「はい(にっこり)」(渡)
『………』(受)
「( にこにこ )」
『ぁああの… 山南さんの誕生日は…』
「
『いやでももらいっぱなしというのは…』
「じゃあ今度美味しいおまんじゅう食べに連れてって下さい」
『そんなことで…?』
「はい 楽しみにしています(にこ)」
『う…』
うつくしい…
目が眩むってこういうことか…
ていうかほんま誰に聞いたん…
私の誕生日知っとる人工学部におったかな…
やっぱ先輩…?
「話っていうのは?」
『∑(゚□゚;) あ はい ぇえっと…』
「 ? 」
やばい
頭まっしろ
昨日寝ずに考えたセリフ全部ふっとんだ
なんやったっけ
「三上先生の事ですか?」
『へ!? あっ はい え…?』
「お付き合いしているとか?」
『違います!』
「違うんですか?」
『なんで』
「私が好きなんて言っちゃったから遠慮されているのかと…」
『全然 あっ いやっ そのっ なんでそう思っ いや違 えっと』
落ちつけ!
落ちつけ!!
なんやったっけ
昨日考えた絶対言おうと思ったやつ
とにかくそれだけは言って帰らんと!
『あの実は…! えっと』
「 ? 」
『三上先生は…っ』
「ゆっくりで大丈夫ですよ」
『 !! すみません…』
「いつまでも待ちますので(にこにこ)」
『………』
( 深呼吸 )
『実は… 三上先生は… 私の兄のお…おさななじみ… なんです…』
「……え?」
『だ から 小さい頃から知ってて…』
「そう なんですか?」
『すみません… 黙ってて…』
「………」
『………』
「フラれたっていうのは…」
『あっ えっと… もう昔のお話しなんですが… 先生と…
「えっ」
『あっっ だいぶ昔…! 大昔のお話ですよ…!
「………」
『あ…! すみません!』
「いえ」
『………』
「………」
『ま…前にもお話ししましたが… 私…男の人がこわくて…
「フラれたというのは…」
『あ… はい… あ!
「三上先生のほうから別れたいと言ったということですか?」
『いや そうではなくて! いえそうなんですけど!』
「 ? 」
『ごめんなさい 話せば長くなるので省きますが そうなんです…』
「長くなってもよろしいですけど…」
『3日ぐらいかかっちゃいますよ…!?』
「え…」
『すみません…』
「時間あるとき 話してくれますか?」
『え… 聞きたいんですか? 3日もかかるのに?』
「ええ」
『……分かりました…』
「楽しみにしています」
『………』
「でも長谷川さんは今でも好きなんですよね 三上先生の事」
『………』
「三上先生も長谷川さんの事
『あ いや!』
「 ? 」
『私が全部悪くて…!』
「悪い?」
『身体が…』
「身体?」
『身体が… 拒否… しちゃうんです…』
「え?」
『多分…
「三上先生でも?」
『……( うん )…』
「………」
『ぁあのすみません こんな話してしまって』
「いえ…」
『………』
空気重…
息がつまる
何か言わなきゃ
他に話そうと思ったこと
なんやった?
「それであの時…」
『( びくっ )』
「三上先生が言われていた事がやっと理解できました」
『……え…?』
「大昔の事でも忘れられないものなんですね」
『………』
大昔のこと…
だけやない
それだけやったらもしかしたら私やって
よそう
そんなこと考えたって意味ない
現実は何も変わらない
余計かなしくなるだけ
「長谷川さんは本当に優しいんですね」
『……は…?』
「
『先生を傷つけてもですか?』
「え?」
『なんでもありません』
山南さんは私やない
同じ境遇やったとしても山南さんやったら私のように傷つけるよう
そんなこと考えるな
比べても意味ない
お互い嫌な気持ちになるだけ
どっちが苦しいかなんてアホらし
苦しいかまだマシかなんて知ったところで現実は何も変わらない
でも山南さんやったらこんな状況でも先輩を幸せにすることができ
私には絶対無理なことでも山南さんなら
「そういえば」
『 !? 』
「
『え…!? 誰のことですか!?』
「もちろん 長谷川さんのことです」
『 !?!? 』
「
『は!? え!? S先生に!? そんなこと言ったんですか!?』
「ええ」
『 !! 』
「とても羨ましかったです」
『………』(動揺)
なにそれ
なにそれなにそれなにそれきいてない
何も聞いてない!
そんなことS先生に
あのS先生に…!
信じられない
どういうつもりで
『ちょっと待ってください なんでそんな話に…?』
「
『あ… あのとき… でもなんで…?』
「S先生は何が何でも長谷川さんを工学部に連れ込もうとしていまし
『え!?嘘でしょ!? 嘘ですよね!?』
「
『………』(固)
「フラれたと思っているのは長谷川さんだけではありませんか?」
『そんなことは…』
どいつもこいつも(失言)
知らんからって言いたい放題言いやがって
私があのときどんな思いでどんなにつらかったと思っとる
今さらフった覚えない言われても遅いわ
しかもS先生にまでぺらぺらぺらぺら
一体何考えとるん
私のこと思ってとか
私を守ろうとしてとか
そんなの結局私のせいやん
"迷惑なんて思ったことない"
これのどこが迷惑やないん
私のせいやん
私がこんなやから先輩の立場が悪なっとる
守ってもらいたくない
守ってもらおうとも思ってない
そんなことしてほしくない
そんなに私は弱いんかな
そう思うってことはそうなんやろうな
実際弱いし
結局 私が悪い
何もかも
『S先生は…なんて言ってました?』
「S先生? そんなこと聞いたらますます欲しくなった と仰っていました
『なんの話ですか…?』
「ふふふ 本当にw」
『………』(不快)
「
『いや そんなことはどうでもよくて』
「 ? 」
『そんな言いたい放題言って先生の立場は大丈夫なんでしょうか」
「
『信じられない…』
「信用できる男だと仰っていました」
『………』
嘘でしょ…
あのS先生が…?
信じられない
もう訳が分からない
私明日からどんな顔して会えばええの
もしかしてO先生も知っとるとか…?
もう誰も信じられない
夢であってほしい
消えてしまいたい
恥ずかしい
『
「そんな…
『……?…』
「
『
「え?」
『
「そうですね その通りだと思いますすみません」
『すすみません…! 謝るのは私のほうです 偉そうなこと言ってすみませんでした(礼)
「………」
多分私は誰とも分かり合えない
どうしようもないクズ人間やから
たくさんの人を傷つけてしまう
やめたくてもやめられない
傷つけたくなくても傷つける
相手も 自分自身も
弱いか強いかやない
私は弱くもない
それ以前に価値がない
話すんやなかった