【大学ラグビー】ラグビー関東大学リーグ戦2023「流通経済大学 vs東海大学」 | ラグカフェ編集部の取材メモ

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ラグビー関東大学リーグ戦2023「流通経済大学 vs東海大学」の試合が、11月最終日曜日に、秩父宮ラグビー場で行われました。両チーム全勝で迎えた、この最終試合。リーグ戦の優勝がかかった試合となり、寒空の下に3,178人が駆け付けました。この日は、東京都心も最高気温が8度と予想され、今季一番の寒さでした。

 

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リーグ戦の優勝は、東海大学。6連覇達成へ

▶前半のキックオフは、東海大学から。開始10分、流通経済大学のペナルティから東海大学10番SO武藤ゆらぎがPG(ペナルティゴール)を決めて、3点を先制。更に前半11分、東海大学12番CTB何松健太郎がトライし、CG(コンバージョンゴール)も決まり10点を加えた。前半17分、流通経済大学11番WTB當眞寮が、ゴール右端にトライ。5点を返すも、前半23分に東海大学9番SH辻時羽がトライし、CGも決まり17-5と点差が広がった。前半33分、流通経済大学12番杉崎晴人がトライし、CGを10番SO佐々木開が決め、12-17で前半を折り返す。▶後半の先制点は、東海大学14番WTB谷口宜顕。CGも決め、24-12へと更に点差を引き離した。また後半6分に東海大学10番SO武藤ゆらぎがPGを決め、27-12。しかし、後半16分と27分に、流通経済大学2番HO作田駿介がドライビングモールで、ボールを押し込み2トライし、24-27へ追い上げる。後半33分、東海大学17番HO安藤良太がトライし、CGも決め34-24。後半43分に、流通経済大学19番福田拓人がトライを決め、10番佐々木開がCGも決め追い上げたが、31-34でノーサイドへ。▶優勝カップは、6年連続で東海大学の手に。流通経済大学は、食らいついたものの全勝優勝を果たせない結果となった。この試合のプレーヤーオブザマッチは、東海大学10番SO武藤ゆらぎ。また、モストインプレッシブプレーヤーには、流通経済大学9番SH武井陽昌が選ばれた。

 

写真提供:流通経済大学ラグビー部

 

写真提供:流通経済大学ラグビー部

 

以下、試合結果です。

 

ラグビー 関東大学リーグ戦2023「流通経済大学 vs東海大学」

11月26日(日)14:00      @秩父宮ラグビー場 流通経済大VS東海大学     31-34(12-17)

 

以下、試合後の記者会見でのコメントです。

 

 

●流通経済大学 池 英基(チ ヨンギ)監督(写真右)

「今日の試合、9年ぶりの優勝を目指す試合でもありましたが、毎年同じリーグでライバということで、それを想定して試合に臨んだんですが、プレッシャーを受けて、自分たちのダイナミックラグビーができない部分がありました。結果的に負けましたが、いい課題ができたと思っています。選手が持っている力を出すことが出来ました。」

 

◆東海大学 原田季弥キャプテン(写真左)

「僕らが準備したゲームプランを実行できた部分と出来ていない部分がありました。そこを選手権に向けて修正して、必ず自分たちの目標を達成したいと思います。」

 

 

◆東海大学 木村季由(ひでゆき)GM兼監督(写真右)

「リーグ戦の最終戦ということで、今まで積み重ねてきたことを出すというシンプルな心構えで臨んだ試合だったんですけど、ともかく前節の東洋大学戦から、更にアグレッシブに、今日はどんどんボールを動かしていこうということで臨んだゲームだったんですけど.....。コンディションの問題もあり、思うようにいかず、受けに回ったところもありましたが、勝ち切ったことだけが1つの成果だと思います。今日の課題を残りの選手権に向けて、しっかり磨き上げていきたいです。」

 

◆東海大学 谷口宜顕キャプテン(写真左)

「相手はフィジカルとセットプレーが強くて、それは映像を通してもわかっていたので、そこ負けてはいけないということで、アグレッシブに体を当てづづけて、フィジカルの部分でゲーム作りをしようとしたんですけど、中盤から相手の強いモールでトライを取られたり苦戦したので、そこは課題となりました。選手権に向けて、いい経験になったので、しっかり改善したいです。」

 

以下、試合後のミックスゾーンでのインタビューです。

 

●流通経済大学 池 英基(チ ヨンギ)監督

 

ーー31対34という悔しい結果になったと思います。試合振り返ってはいかがですか。

「そうですね。今日こそ絶対勝てると、選手も自信持って試合に臨んだんですけど。やっぱり振り返ってみると、キックだったりラインアウトだったり、1個1個のプレーをものにできなかったことが、今日は負けた結果につながったんじゃないかと。本当にすごく残念ですけれども。選手権に向けて、今日の試合で、選手達にいろんな気づきがあったと思うので、それをいかして、大学選手権で、必ず成績を残すように、頑張りたいと思っています。」

 

ーー監督としては一年目。全勝優勝もかかっていた試合でしたけども、そのあたりはいかがですか。

「そうですね。今年こそ全勝優勝で、歴史を変えるじゃないんですけど、そういうことを掲げてやったんですけど。やっぱり、去年までコーチとして六年間やって、(今年)監督になって、いろんな仕組みをちょっと変えて、学生たちともより近くなって、自分たちの目標を達成するために、寮生活とか大学のところとか、色々変えたんです。試合のところでの細かいところ、本当に一個一個が分かったんですけども、こうやって蓋を開けてみると、まだまだ足りなかったので、そういうところをこれから時間があると思うので、やっていきたいなと思っています。」

 

ーー最後に選手権に向けて、メッセージいただいてもいいでしょうか。

「12月17日、筑波さんという相手が決まっているので、その残りの三週間、しっかり今日出た課題を生かして、必ず筑波さんに勝って、次に繋がるように頑張りたいと思っています。」

 

●流通経済大学 原田季弥選手

 

――31対34という悔しい結果になりましたけども、今の気持ちいかがでしょうか。

「そうですね。本当に悔しいっていう気持ちが一番かなと思います。」

 

――もう本当に最後の最後まで諦めない試合だったと思うんですけども、どんなことを意識して臨んだ試合でしたか。

「いや、もうシンプルに自分達の今まで通りゲームプランを実行するっていうことだけだったんですけど、ゲームプランを遂行できた部分とできなかった部分で、できなかった部分が多かったから、結果がついてこなかっただけだと思います。」

 

――80分間振り返ってはいかがですか。

本当にタフなゲームで、この試合を通して、また僕らが成長させてもらったので、東海大学さんに、本当に感謝してます。」

 

――スクラムの部分、いい部分もあったと思うんですけど、ご自身としては何か手応えどうでしたか。

「そうですね。フロントロー的には、前半ちょっとレフェリングのところに対しての対応ができなかったので、そこが試合中に修正できたところが、今日の良かったところかなと思ってます。」

 

――ご自身のプレーとしては、振り返っていかがですか。

「そうですね。やっぱりもっとアタックの部分で、前に出られたなと思うのと、ディフェンス部分では、もう少し前でディフェンスリーダーとして、オーバーの機会とか、ブレークダウンの早く出る・遅らせるだとか、そういうところがもっとフランカーとして役割ができたんじゃないかなと、もっとできたんじゃないかなと思います。」

 

―ー試合の中で、こんなところに1番苦戦したなっていかがですか。

「前後半の真ん中ぐらいのスクラムの反応。スクラムで、右側のスクラムが勝負どころだなと思ったんですけど、そこで相手に取られてしまったので。」

 

――今日はサッカー部の応援もあったということで、かなり声も聞こえてたと思うんですけど、全校応援みたいな形だったんですか。

「今日は、サッカー部と女子ラグビー部が応援に来てくれたんです。声は、すごく聞こえました。本当にありがとうございます。」

 

――リーグ戦これで終わりになりますけども、振り返ってはいかがですか。

「いい経験できたなと。次選手権に向かって絶対、もっともっと成長したいし、必ずベスト4にいきたいなと思います。」

 

――最後にファンの皆さんにも、一言メッセージいただいてもいいですか。

「選手権が同じ秩父宮であるので、もう1回、応援に来ていただいて、もっともっと大きい応援を背にラグビーしたいなと思います。よろしくお願いします。」

 

東海大学 谷口宜顕キャプテン

 

――全勝優勝となりましたが、今の気持ちはいかがですか。

「そうですね。あまり6連覇とか、全勝優勝というのを意識せずに戦ったんですけど。結果的に勝って終われて、6連覇で終われたのは、良かったかなと思います。」

 

――記者会見の中でも言っていたと思うんですけども、今までの優勝と違って、今年チームとして、意識したことってどんなことですか。

「今年から、クラブ目標というのを立てて、グラウンド外のところでも、1人の人間として正しい行動しようと言ってたんですけど。今日の試合に臨むにあたって、メンバーには「もっとBe Aggressive」というテーマを持って、1人1人が正々堂々貪欲に戦う姿をノンメンバーに見せることを約束して、逆に僕からノンメンバーに伝えたのは、試合の見方でありますとか、1人1人が東海大学の制服を着ているので、立ち振る舞いですとか、校歌の歌う姿勢ですとか、そういった人間としての立ち振る舞いをメンバー以上にやってほしいなというのをノンメンバーの皆と約束したので。そういった意味では、非常に良い1日になったかなと思います。」

 

――改めて、ご自身としては、どんな80分間でしたか。

「あまりボールを持つ機会はなかったんですけど、ディフェンスの部分で何回かタックル決めることができたんですけど、最初の失点のところで、僕のタックルミスからだったんで、そこはチームに悪い影響を与えてしまったのは、反省かなと思います。」

 

――かなり攻守が入れ替わる感じだったかなと思うんですけど、その中でもやっぱり勝利をつかみ取った勝因というのはどんなところにありますか。

「元々試合前から、フィジカルが強いのと、セットプレーが強いというのは分かっていたんで、80分の中で自分たちがうまくいかない時間帯も絶対あるっていうのを想定して練習してきたので、あまり焦ってはなかったんですけど。僕らが掲げた「もっとBe Aggressive」というテーマのもとに、40分間迷わずに自分たちが決めたテーマに沿ってプレーすることで絶対勝てるからっていうふうに言葉がけをして、その言葉に沿ってみんなも堂々とプレーしてくれたんで、それが勝因かなと思います。」

 

――ご自身としての、プレーはいかがでしたか。

「振り返ると、特にチームを勝利に導くような大きなプレーはなかったんですけど。ディフェンスのところで、僕がチームにも求められていたのは、ディフェンスの早い判断と仕掛けだったので。そういう意味では、相手のポストにどんどん動かしてくるアタックに対して、外側で何回かタックルすることができたんで、それはよかったかなと思います。」

 

――これから選手権あると思うんですけども、課題ってどんなところにありますか。

「リーグ戦を通して、どうしてもペナルティが多い試合が非常に多くて、今日のゲームでもう中盤のペナルティから事前に入られて、相手の強いモールで失点してしまうというシーンが何回かあったので、もちろん試合なんでペナルティあるのはもちろんなんですけど。ハイタックルですとか、もっとリリースとかを自分たちで防げるペナルティは今後してしまうと絶対負けてしまうと思うんで、自分たちで防げるペナルティは絶対しないように選手権に臨みたいなと思います。」

 

――では、最後に選手権に向けての意気込みをお願いします。

「春から日本一っていう目標を持って1年間準備してきたんで、ここから特にやるべきことを大きく変えずに、今までやってきたことをより精度を高めて、日本一をつかみたいなと思います。

 

試合後には、リーグ戦1部ベスト15  が発表されました。

 

2023年 リーグ戦1部ベスト15         

                                                         

1高橋 凜(東海大学4年)        

2作田 駿介(流通経済大学4年)        

3吉村 一将(流通経済大学4年)       

4竹部 力(法政大学4年)        

5ジュアン・ウーストハイゼン (東洋大学 2年)

6オフィナ・アフ    オフィナ・アフ(東海大学4年)  

7原田 季弥 (流通経済大学4年)        

8ティシレリ・ロケティ (流通経済大学2年)            

9稲葉 聖馬(大東文化大学4年)        

10武藤 ゆらぎ(東海大学4年)

11谷口 宜顕  (東海大学4年)      

12ハニテリ・ヴァイレア(大東文化大学3年)        

13近藤 翔耶 (東海大学3年)    

14石岡 玲英 (法政大学4年)      

15コンラッド・セブンスター (東海大学1年)        

 

写真提供:流通経済大学ラグビー部

 

いよいよ、大学ラグビーも日本一を決める「大学選手権」へと突入し、佳境を迎えます。
大学生の熱い戦いをぜひ間近でご覧ください。

 

あとがき

この試合「流通経済大学ラグビー部」が勝てば、大学史上初の全勝優勝でのリーグ戦優勝となるということで、久しぶりにリーグ戦の試合会場へ足を運びました。その光景を見ることはできませんでしたが、大学ラグビーの試合会場の雰囲気に懐かしさを感じました。私自身は、リーグ戦の下部チーム出身だったので、秩父宮ラグビー場での試合をすることはなかったのですが、学生委員も兼任していたので、試合会場のレフリー手配など、当時の雑務経験の記憶が少しよみがえりました。シーズンが終われば、ラグビーを辞めてしまう仲間も沢山いること。そんな思いを抱えながら、1試合1試合に全力をかける大学生達は、やはりキラキラしてますね。かけがえのない時間と仲間。今という時間を全力で駆け抜けることで、彼らの未来が幸せになものとなりますように.....。私自身が、取材を通して一人でも多くの「ラグビーファン」を増やすことで、ラグビーに関わる人を幸せにするという、自分の原点を思い出した1日でした。日々感謝ですね。(有働)

 

ぜひ、選手の声はラジオもお楽しみください。

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●FMラジオ番組「ラグビーカフェオンレディオ」

【2023年12月5日現在、全国6局ネット放送中】

 

☆火曜日

調布FM(東京都調布市)★午後10:30~

 

☆木曜日

FMピッカラ(新潟県柏崎市)午後7:00~

FM JAIGO WAVE(青森県田舎館村)午後9:00~

鎌倉エフエム(神奈川県鎌倉市)★午後10:10~

 

☆金曜日

FMねむろ(北海道根室市)★午後2:30~

FMちゃお(大阪府八尾市)午後9:00~

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