【日本ラグビーフットボール選手会・副会長】続けることの大切さ、代表としてもう一度!日野 剛志選手 | ラグカフェ編集部の取材メモ

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皆さん、こんにちは。日曜日「ノーサイド・ゲーム」を毎週楽しみにしている、有働です。

さて、先週から日本ラグビーフットボール選手会のメンバーをラジオ用に電話インタビューする企画がスタートしています。

今回は、副会長の日野 剛志選手です。今日がラジオ初回の放送日ですが、本人からいただいた写真とともに、コラムも併せてお楽しみください。

続けることの大切さ、代表としてもう一度! 日野 剛志選手
 
●現在、トップリーグ中止の状況ですが、どのように1日を過ごしていますか。
社員としても働いているので、仕事をしつつ、トップリーグ中止の状況ですが、欠かさず自主練習としてトレーニングをしています。仕事は、在宅の日もありますし、まだ静岡県は感染者数も少ないので、時差出勤などで、今いろいろやりくりしている最中です。
 
●チームの活動状況は?
全体練習はできないので、各自筋トレやランニングの練習をやっているような状況です。コーチから指示が出ていて、それを進めたり、あとは筋トレする施設から、ダンベルやプレートなどが各自配られて、それでできる最大限のトレーニングを家でやっています。
 
 
●在宅ワークだと、練習とオフの時間、なかなかメリハリつけるのも難しいですよね。工夫していることは、ありますか。
部屋で、仕事をする場所やリラックスする場所、トレーニングをするエリアを分けています。ヨガマットを引いて、そこではスイッチを切り替えるようにしています。ずっと同じエリアでやると切り替えが難しいので、エリアを分けるようにしています。また、外でトレーニングする際は、思いっきり発散できるようにしています。
 
●長いオフのような形になってしまいましたが、ここを強化したいなどありますか。
ここをこうしようという具体的なことはないですが、こういう状況なので、次のシーズンというか、次にラグビーをできるような状況になった時に、いいパフォーマンスが出せるように、しっかり気持ちを切らないようにしています。
 
●モチベーションを保つのは、厳しいですか。
正直、今試合が中途半端に中止になった上で、なかなか家から出られない、ストレスを発散する場もないので。また、僕たちは一番のラグビーというものを奪われてしまったので、なかなか次の試合も決まってないですし、モチベーションは、一番困っています。
 
●SNSでの発信について
自分にできることは、SNSを使って皆が明るい気持ちになれればいいなとか、またこういう時だからこそ、試合会場で会えない分、SNSでコミュニケーションをとって、ファンの方とつながることで、少しでもラグビーに興味を持ってもらえたらいいなと思って取り組んでいます。
 
●インスタライブについて
シーズン中は忙しくて、なかなかできなかったのですが、やってみたら意外と楽しかったです。今後もやっていきたいです。ファンの人は、こういうことを思っているんだとか、ラフな感じで交流できて、楽しかったので、今後も色々やっていきたいなと思っています。
 
●何か新たな企画を考えているんでしょうか。
チームの選手カードを毎年試合会場で配布しているんですが、今年は大量に余ってしまっているのをクラブハウスで見ていたんですね。それを配布するような企画を検討中ですので、詳しくは...今後の僕のSNS(Twitterやインスタ)をチェックしてください。
 
●最近のお家時間は、何をしていますか。
ずっとNetflixを観ています。僕は、ベタですが「SUITS」という海外ドラマが好きで、シーズン7・8くらいまであるんですが、それをずっと観ています。あとは、ドキュメンタリーが好きで、「all-or-nothing」という、スポーツ選手やチームに焦点をあてたドキュメンタリーを観ています。
 
●ウクレレをやりたいという願望が、あるんでしょうか。
ウクレレをやりたいという希望はあるんですが、マジで音楽センスがないんです...(笑)。なので、ウクレレを持っている後輩の部屋へ行って、写真だけよく撮影しています。これを機に、練習するかもしれません。ただ、ラグビーやりすぎて指がボロボロなんで、無理かもしれません(笑)。

 
●去年のラグビーW杯を経て、今の素直な気持ちは?
僕、実はW杯期間中、日本にいなくて、フランスのチームで短期プレーをしていたのですが、客観的に日本の盛り上がりを観ることが出来ました。海外から日本のラグビーを観た選手は、ほぼいないと思います。現地で、フランス人に僕がすごく褒められて、誇らしい気持ちになりました。あの時は、テレビの映像が日本なのか、半信半疑でした。
 
 
●日本代表・サンウルブズを通して学んだこと
W杯には出られなかったですが、その前の年くらいまで代表に呼んでいただいていて。そこで感じたことは、みんな本気でW杯優勝しようと思っていたし、予選リーグを今まで突破したことないという前評判などを気にせず、その時からずっと準備していたので、周りに流されずに自分たちを信じてやりきることというか、やりきれば本当に結果が出るんだということを、その時も信じてやってはいたんですが、いざW杯が始まって、一緒に代表としてやっていたメンバーが活躍している姿をみて、「信じてやり続けることの大切さ」を改めて学びました。
 
●周りのいうことを気にせずにやりきることって、すごく大変だと思うのですが、なぜ日本代表は、それをできたと思いますか。
やはり全員が同じベクトルをむけたことでは、ないでしょうか。ワンチームですね。1人1人考え方も違えば、思いも違って、それぞれ欲もあるじゃないですが。それを全て棄てて、全員が代表として、やるべきこと=予選リーグを突破するなど、全員が同じベクトルを向けたことが、一番大きかったのではないでしょうか。
 
●日本代表への思い
僕がもしW杯に出ていたら、どうなったかなとも思いますし、やはりあの場に立ちたかったなと素直に思います。でも、現役であるからには、絶対にチャンスはあると思っていますし、それを日頃から目指していることによって日々の行動やモチベーションも変わってきますし、これからも常に精進して、代表としてのステージを目指し続けたいなと思っています。
 
●フランスに行ったのは、フランス大会を見据えてというわけではないのでしょうか。
では、ないんですね(笑)。ただ、僕自体フランスでプレーしてみたいという思いは、何件も前からあって。スクラムを組むフッカーというポジションなんですが、そのスクラムにすごくこだわりを持っているのがフランスなんです。遠征でも、ここ5年くらいで、3~4回遠征していてなじみがあり、フランスのリーグで1度でいいからプレーしたいという思いがあったところ、ヤマハの監督からちょうど就学の話があったので、すぐに二つ返事でいきました。
 
●フランスのスクラムは、どこが違うんでしょうか。
簡単にいうと、街ごとにクラブチームがあって、そのクラブごとにスクラムの文化が違うイメージです。街ごとにスクラムの文化があり、1つ1つ十人十色じゃないですが、色が違うようなイメージです。街によって、その文化も違うので、本当に面白いんです。一番古いプロリーグがフランスなんで、ラグビーも毎週のように盛り上がっているんです。
 
●そこでプレーできたというのは、大きな経験ですね。
かけがえのない経験でした。また、4年後のフランスW杯でしっかり対戦した際に、短期加入して応援していただいたフランス人の方に恩返しができたらなと思います。
 
フランス代表・ロマン・ヌタマック選手と
 
●日本ラグビーフットボール選手会・副会長ですが、選手会には、いつから参加していますか。
選手会は、立ち上がりの当初からヤマハの代表理事として活動していて、副会長の席が空いたタイミングで、総会で推薦していただきました。
 
●副会長として、今後考えていることは?
選手会として、徐々に活動を積み重ねて、協会やファンの方、選手にも選手会の存在を知っていただいてきているのですが、まだまだ十分ではないので。僕のほうでは、選手会に入っているトップリーグの選手に、もっとコミットしてもらえるように、選手会がどういう活動をしているかをもっと知ってもらうことが僕にできることだと思います。また、各チームの理事にも、今以上に選手会にコミットしてもらい、それこそ日本のラグビー界のために、ワンチームで活動していきたいなと思っています。
 
●熱量は、やはり選手会でも...違いますか。
やはり何百人と会員もいるので、チームによってもばらつきはありますし、1人1人温度差はやはり違いますし。ただ、そもそもどういう活動をしているか知らない選手もまだいると思いますし、ますは組織として、その基盤を固めていきたいなと思います。
 
●選手会では、どんなメンバーと話しますか。
会長の川村選手とは話しますし。トヨタの滑川選手は同期ですし、同じ高校の選手などもいるので、地元が一緒の選手など、そういう今まで繋がりのある選手を中心にコミュニケーションをとりながら、進めているような感じです。
 
●代表目線でのアドバイスもしますか。
代表の時は、こうだったという話もしますし、代表内部のことも知っているので、そういう目線ではアドバイスができます。あとは、この選手会の活動に、今の代表選手にコミットしてもらうのが課題だと思っているので、その辺のパイプ役というか、現役の代表選手と一緒に選手会の活動が出来たらいいなと思っています。
 
●具体的な解決策は、ありますか。
去年のW杯をきっかけにファンになった方達に、選手会の活動を知ってもらうのは、W杯メンバーに活動に入ってもらったりすのが必要なので、そういうメンバーに声をかけていきたいなと思っています。まだきちんとは、言えないですけど、僕の知っている代表メンバーとは、水面下で連絡を取り合っています。
 
●やはり選手会の目標としては、次にラグビーW杯があった時に、日本が優勝できるようにということがあるんですよね。
もちろんそこの強化につながるような、選手達が思い切りラグビーに集中できる環境作りもそうですし、しいて言うと、強くなるには、沢山の子供たちがラグビーをやってくれるのが大事なので、未来のラグビー選手になる子供たちが思い切りできる環境を今のうちから整えていきたいです。
 
●ご自身の今後の目標は?
個人としては、日本代表にもう一度呼ばれて、そこでプレーしたいなという目標はあるので、そこは今しっかりできることを準備していきたいなと思いますし、副会長としては、出来て浅い組織なので、今後10年・20年続いていくように、今の現役の間に基盤づくりを全力でやっていきたいなと思います。
 
●次、インタビュー予定の青木祐樹選手のイメージは?
すごくまじめでべらべらしゃべらないですし、プレースタイルも真面目で、実際に外国人選手がいるポジションでも出られているので、期待されている実力のある選手ですし、これからのクボタを引っ張っていくイメージです。
 
●ラグビーファンの皆さんへメッセージ
現在、こういう状況で、ラグビーに飢えている状況だと思いますが、それは選手達も同じでラグビーに飢えています。そんな状況でも次のシーズンに向けて、選手達はしっかり準備して、最高のパフォーマンスを見せたいと思いますので、どうか腹ペコのままで我慢していただいて、来シーズン思いっきりラグビーを楽しみましょう。どうかその時まで、待っていてください。
 
 
日野 剛志(ひの たけし)選手
1990年10月13日生まれ ポジション フッカー
福岡県出身 筑紫高校卒業後、同志社大学へ進学。
大学卒業後に、ヤマハ発動機ジュビロに加入。
日本代表、サンウルブズ共にプレー経験あり。
2019年、フランス・トゥールーズに加入。
 
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今の状況の中でのモチベーションを保つ苦悩、またフランスで感じたラグビーワールドカップ、日本代表への思い、そして副会長としての責任など、日野選手の素直な今の気持ちを伺いました。日野選手の生の声は、ぜひFMラジオ番組「ラグビーカフェオンレディオ」でお楽しみください。
続いてのインタビューは、クボタの青木選手の予定です。そちらもお楽しみに!
 

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●FMラジオ番組「ラグビーカフェオンレディオ」

【2020年2月24日現在、全国7局ネット放送中】

☆TUE

調布FM(東京都調布市)★午後10:30~

☆THU

FMピッカラ(新潟県柏崎市)午後7:00~

FM JAIGO WAVE(青森県田舎館村)午後9:00~

鎌倉エフエム(神奈川県鎌倉市)★午後10:10~

☆FRI

FMねむろ(北海道根室市)★午前8:00~

FMちゃお(大阪府八尾市)★午後9:00~

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