鈴の鳴る道(星野富弘氏を偲んで) | 日々の感心

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日々の感心事を
感じたままに。

詩人であり

画家である

星野富弘氏の訃報に接し

 

 

我が家にある

《花の詩画集》

『 鈴の鳴る道 』

を久しぶりに

手に取る

 

 

 

この詩画集の

表紙に添えられている詩は...

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一日は白い紙

消えないインクで文字を書く

あせない絵の具で

色をぬる

太く、細く

時にはふるえながら

一日に一枚

神様がめくる白い紙に

今日という日を綴る

 

星野富弘 『 秋のあじさい 』 より

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頁をめくり
 
 

この詩画も引用したくなった

 

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いのちが 一番大切だと

思っていたころ

生きるのが 苦しかった

 

いのちより大切なものが

あると知った日

生きているのが

嬉しかった

星野富弘 『 いのち 』 より

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表題の

『 鈴の鳴る道 』

については詩画集の最後の方に

“随筆” として記載されてある

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 車椅子に乗るようになってから十二年が過ぎた。

その間、道のでこぼこが良いとは思ったことは一度もない。

ほんとうは曲がりくねった草の生えた土の道の方が好きなのだけれど、

脳味噌までひっくり返るような振動には、お手あげである。

 ところが、この間から、そういった道のでこぼこを通る時に、

一つの楽しみが出てきた。ある人から、小さな鈴をもらい、

私はそれを車椅子にぶらさげた。手で振って音を出すことが

できないから、せめて、いつも見える所にぶらさげて、

銀色の美しい鈴が揺れるのを、見ているだけでも

良いと思ったからである。

 道路を走っていたら、例のごとく、小さなでこぼこがあり、

私は電動車椅子のレバーを慎重に動かしながら、

そこを通り抜けようとした。その時、・・・・・・(省略)
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続きについては、この《花の詩画集》で読んで頂きたいが

少しだけ付記すると
星野富弘氏が鈴の音を聞きながら、

楽しく思うようになった気持ちについてや

鈴の音を聞いていて気づいたことなどが

綴られてある

 

 

最近、植物に関心の高い私であるが

 

 

星野富弘氏の詩画集をあらためて読んで

“心の正しさ、心の美しさ” を

ご教示頂くのである

 

詩画作家 星野富弘氏

2024年4月28日18時32分 呼吸不全のため逝去

 

ご冥福をお祈りいたします

 

 

 

 

 

今日の感心