寄せ書きの記憶 | 日々の感心

日々の感心

日々の感心事を
感じたままに。

卒業アルバムの寄せ書きに

書かれてあった

同級生女子のメッセージが

とてつもなく理解できなくて

今も時々思い出される

 

 

寄せ書きの記憶

 

 

昭和時代の

中学校卒業アルバム

 

その寄せ書きにあった言葉とは

 

 

人生は悪しき冗談である (ゲーテ)

 

 

( 中学校の卒業アルバムより。ぼかし編集済み )

 

 

ゲーテ

 

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ (Johann Wolfgang von Goethe)

 

私にはムズいぞ ゲーテの言葉

 

彼女は私にはとうてい合格なんて無理な
東大や早大などへ多くの学生たちが進学する
偏差値トップクラスの都立高校に行ったはずなので
 

さすがである

 

中学生で
ゲーテの言葉を引用するなんて
とてつもなく私とは住む世界が違う高嶺の花 笑

 

 

さてと

 

 

当時
ごく平凡な都立高校に進学した私は

駅前の書店に行ってはゲーテの本を探しまくり

ようやくその言葉が記載されている本を見つけて
購入したっけ
 
 
 
 
ゲーテ格言集
 
 
 
昭和五十一年五月十日 四十七刷
 
1976年頃の本であったか
 
学生時代に
何度も繰り返し読んでいたので
紙がだいぶ ヘロヘロ である 笑
 
 
肝心な部分に
赤鉛筆
線が引いてあった

 

ズームアップ

 
 

人生は悪しき冗談なり。

 (西東詩集「観察の書」から)

 

 

さて
私も今では
孫もいるくらいの年齢となったが
この格言は
未だに
とてつもなく理解できずにいる

 

そこで

 

今になって

その言葉を書いた

ゲーテの言わんとする

その心情、感慨を知りたくなり

少しばかり調べ始める

 

もしや、その言葉の前後に

原書では文脈があり

この格言を理解するためのヒントとなるかもしれないと

岩波文庫版の「西東詩集」を入手する

 
 
 
 
西東詩集 観照の巻 にそれは
このように記載されてあった

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人生はありがたくない娯楽(なぐさみ)だ 
欠けたところがここにもかしこにもある 
或は少なからず所望し 或はあまりに多くを所望する
また能力と運も作用する 
それに不運も加わってくると 
いやでも誰しもそれを背負わされて 
結局相続人がのん気に 
能なし 欲なし先生を承け継ぐことになる

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やはり私には
とてつもなく理解しがたい
 
岩波文庫版のこの本は
ドイツ語を直訳し過ぎている感もある
そう思うと
「ゲーテ格言集(新潮文庫)」 の翻訳は
絶妙に的を射てると思えてくる
 
さてと
他の「西東詩集」の書物は
高価なので買わないぞ
 
であれば と
 
ドイツ語で書かれてある原文を見てやろうと
探し始めて
ようやく なんとか 見つけだす
 
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Das Leben ist ein schlechter Spaß:
Dem fehlt's an Dies, dem fehlt's an Das,
Der will nicht wenig, der zu viel,
Und Kann und Glück kommt auch ins Spiel.
Und hat sich's Unglück drein gelegt,
Jeder, wie er nicht wollte, trägt.
Bis endlich Erben mit Behagen
Herrn Kannicht-Willnicht weiter tragen.

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Google翻訳の力を借りながら
私なりに訳してみる
 

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人生は悪い楽しみです。
彼にはこれが欠けている、彼にはあれが欠けている、
彼は少しも欲しがらない、そしてあまりにも多くを望んでいる、
そして、能力や運も関係してきます。
そして不幸が治まると、
彼が望まなかったものを負っています。
ついに喜んで後継者となるまで
キャント・ウォンノット氏は続行します。 ← よくわからん

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やはり私には
とてつもなく
理解ができないのであるが
 
ここまできて
ふと思う
 
人生とは......などと
考えることは野暮であると
 
欠点だらけで
欲しいものだらけの私であるが
運も不運も気にせずに
今すべきことに向けて行動することを
諦めなければ、止めなければ
それが後悔しない人生であったと
思えるであろうからね
 
たしかに
 
人生は悪しき冗談なのかもしれない
 
 
 

 

 

 

 
今日の感心