この日は
とある事情で数時間だけ
この春に小学校に入学するお嬢ちゃんを
預かることになった
フィンランドで暮らす孫に会えていないので
ここぞとばかりに我々夫婦は内心大喜びで
あれやこれやと考えたあげく
「 ならばやっぱり動物園に行こう! 」
と結局近場の動物園に連れていくことに決めて
お隣の所沢市に住んでいるリエちゃん(仮名)を
ワクワクしながら車で迎えに行って
ウキウキと早速出発したのである
車中で保育園での出来事や
好きな食べ物のこととかを教えっこしながら
到着したのは所沢市のお隣、狭山市にある
『 智光山公園こども動物園 』
という市立のミニ動物園である
タタタタタタトコトコトコタタタタタ
『 可愛い女の子が来たね~ 』
という表情で
カワウソたちが背伸びをして出迎えてくれる
人見知りをしない
白い服を着たリエちゃんは
白いお馬にもう夢中である
小高い広場に行っては
アンパンマンの顔が描かれたボールを
楽しそうに投げたり
高く上がったボールをキャッチして喜んだり
転がったボールを笑いながら追っかけたりと
思いっきり走って
思いっきり笑って大はしゃぎをして
用意しておいたシャボン玉セットを袋から出して
フゥーーーと
わんさか飛び立つしゃぼん玉に
できたできた
たくさんでたでた
あんなとこにまでとんでったー キャハハハハ
と大喜びしてくれる
そして向こうに見える
猿山に駆け寄っては
お猿さんたちの動きや表情を
静かにじっと見入っていたりもするが
その表情は興味津々な様子で朗らかな表情であった
「 じゃあ、そろそろおうちに帰ろっか 」
「 えーーー、まだぁーーー 」
まだまだここで遊んでいたい気持ちはわかるが
すぐに暗くなっちゃうからね
彼女にとって
楽しい思い出となったようで
良かった、よかった
なのである
新型コロナが終息した後になるであろうけれど
フィンランドで暮らす孫たちが来日して
この動物園に来られたら
一緒にキャッチボールをして
一緒にシャボン玉を飛ばすのだ
と私は心の奥に
未定の予定を組むのである
どこでもドアがあったらいいのに
私たちは
孫よりちょっとだけお姉さんのリエちゃんと
手をつないで夕日に向かって
ゆっくりと歩みを進めた
つづく
......えっ?つづくの?
今日の感心