これは、今週の有馬記念の起用性には関係無い話に聞こえるのは当然の話で*1着同枠馬といっても、ある番組では、見た目、全く有意性が見えない殿敗退馬なども含まれる。日本中央競馬会が、執拗に守り続ける枠連という勝馬投票券に偏重した解釈から生まれたロジックである。そもそも、TARGETなどの競馬データベースには「*1着同枠馬」と言う概念が無いし、リクエストにも応えて貰えないから、それをリストするのは力技に頼るしかない。以下の1986年までの有馬*1着同枠馬をリストしておくので、利用可能な方はどうぞ。
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ヤマカツエース
サトノノブレス
ワンアンドオンリー
ワンアンドオンリー
デスペラード
ビートブラック
トーセンジョーダン
ネヴァブション
スリーロールス
アドマイヤモナーク
ダイワメジャー
ドリームパスポート
タップダンスシチー
アグネスデジタル
ナリタトップロード
ユーセイトップラン
シンボリインディ
マチカネフクキタル
マウンテンストーン
ヒシアマゾン
イブキタモンヤグラ
サクラチトセオー
ベガ
レオダーバン
オースミシャダイ
メジロアルダン
ヤエノムテキ
スルーオダイナ
ユーワジェームス
メジロラモーヌ
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有馬記念の*1着同枠馬であるから、それが3歳馬で無い限り、オープンクラスや重賞を走っているのは当然の話。「有馬」参戦時に既にG1馬になっていたスペックも当然、存在するが、1着したのは6頭のみであり玉石混交と呼ぶには程遠いものである。
G2ばかり3勝したのが菊花賞馬ナリタトップロード(1999)で、秋天2着や春天3着という成績もあるし、そもそも3年連続春天3着という記録の方が有名だが、これが最上位である。引退レースの2002年の有馬では、ファン投票1位だと記憶しているが間違っていたら申し訳ない。その時は4着であった。
次はサクラチトセオーだが、ここから6頭の総てを紹介しても仕方ないのでぼちぼち留め置くが、同馬は1994年の宝塚記念*2着同枠からの有馬記念*1着同枠馬である。そして、翌年の秋天を3歳のジェニュイン(2着)いや、明け4歳の3冠馬(12着*3)を抑え込んで5歳で1着起用された変わり種。これをこの番組の取消のせいにする必要性は感じない。ちなみに、その秋天の当研の◎は取消したマイシンザンだったような気がする。チトセオーは、次走の有馬記念で引退するのだが、着順は3着であった。
その他の実績馬は6歳時のデスペラードがG2を2勝、5歳時のヤエノムテキが秋天1着、(外)シンボリインディはMCS*1着同枠も務めたが上級重賞の現物起用は無い。
つまり、古馬G1競走の*1着同枠馬になるという事に左程の有意性は無いのである。寧ろ、下級重賞や、1度切りの馬齢重賞の方が、それは上位だと思うのが当研の意見。
昔のK本に、「C枠オペレーション」と称して、あるレースの3着馬と同枠になることが重視されることが有ると言ってたのを記憶するが、実際は、どうなのかは知らないが、同枠馬のさらに同枠馬が単勝1番人気の時に、その人気馬が勝ってチャンチャンという事も多いのだろう。
そんなことよりも「有馬記念」で掲示板にキッチリと載った馬を追いかける方がリアルリゲインである。人気の有る無しは関係無い。全馬が過労状態で冬毛もチラホラの極寒の中、ファンが選んだ人気の中で上位するのは、それなりの実力馬であるという普通の考えも通るのである。しかし、この「有馬記念」は競馬会の思惑で、1着本賞金を3億円に嵩上げした事実は、主催者の誘導に追随し、ここを最終目標にする思惑が存在し得るものとも言えるから、よりギャンブル性が増す。
今年のメディアは「夢」と「現実」が鬩(せめ)ぎ合うような事をアナウンスして、日頃、競馬をしない人も併せて盛り上げようと躍起だが、我々は現実を直視しなければなるまい。