何となく「菊花賞」と春季牡馬クラシックと牝馬との対比性 | リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

◆片岡勁太は実在しない「番組表」という虚像を読み解こうとするが我々は「競馬番組」の実体を解き析かす点で全く別物である。日本中央競馬会は、その名の下で施行される競馬番組の中で「何が勝っても構わないレース」の存在を許諾する事は皆無である。

 今年の3歳馬による春季シーズンは、2歳G1「第69回朝日杯FS」1着馬ダノンプレミアムステルヴィオの2頭が、それぞれ3歳G2競走で1着加算を済ませクラシック参戦を果たしている。併せて3着馬タワーオブロンドンも新しく(指定)戦となった「アーリントンカップ」で1着加算。
 「報知杯弥生賞」が「第55回」を数え、「スプリングS」は「第67回」で、前者は、権利破棄で「ダービー」直行となり6着。*1着同枠馬が「皐月賞」を2着。「弥生賞」2着権利を行使したワグネリアンが「日本ダービー」制覇。
 「スプリングS」の方も2着権利行使馬エポカドーロの方が「皐月賞馬」となり1着権利行使馬は出走は果たすが4着敗退。という連対構造で収束。
 枠連万馬券に少し不足する結果の「皐月賞」となり、それを受けての「日本ダービー」も単勝1,2番人気馬が共に崩れたが枠連万馬券には大きく遠いもので、穴党には小波乱的な結果となった。
 それでも、牡馬戦線と牝馬戦線とは対照的なもので、クラシックで無力であった最優秀2歳牡馬と、それに群がるエリート馬群。2歳牝馬G1の結果に大きく左右された牝馬戦線ということになる。
 それが、そのまま秋季番組が取り込むはずは無いのだが、牝馬の秋は加算権利付与馬の殆どが「オークス」経験馬であったが、掲示板に載らなかった下位ばかり。唯一、「紫苑S」の1着加算馬であるノームコアだけが、権利剥奪馬であったが、同馬は*2着同枠。
 3着権利付与を削除された「フローラS」に於ける1着加算権利馬サトノワルキューレが「ローズS」で人気に応答せず6着。まぁ、それでも出走資格賞金は既に口座に存在するから、当然と言えば当然である。
 つまり「(消揃)オークス」で加算分担が為されたので、(優)すら必要としない上位3頭は、「秋華賞」直行の策を講ずる。結局、2歳秋季G1上位のラッキーライラック、リリーノーブル(秋華賞回避の情報あり)、マウレアの3頭が、それなりにパフォーマンスを3歳秋季トライアルシーズンまで持続している事になる。
 思い返せば、「ローズS」で2ケタ人気で3着に頑張ったラテュロスも、2歳G1出走のスペックを持つ個体である。
 一方、昨年から2つになった秋季G1競走を抱える牡馬路線であるが、「朝日杯FS」4着に敗退した4文字馬名馬ギベオンのみが「第23回NHKマイルC」で1着加算を実現している。その中の牝馬で掲示板に載った牝馬プリモシーンのみが「関屋記念」で1着加算して「秋華賞」に出走しようと思えば可能な位置関係。
 その他の上位馬(馬券対象馬)は、明け3歳初戦のみの1着権利加算をしているだけで、本番では総じて追加算を阻まれている。
 「第85回日本ダービー」は上位10頭の中で覇者▲ワグネリアンと8着◎ステルヴィオのみが前走で連対を外し、その他の8頭は総じて加算を果たしたスペックであった。
 前にも書いたように、象徴的な「皐月賞」の単勝1番人気馬ワグネリアンが7着に惨敗し、7番人気馬エポカドーロが「皐月賞」で1着した事実。
 そして秋季トライアルでは、まず「皐月賞」3着馬の関東馬ジェネレーラウーノが「セントライト記念」を1着権利加算し、3着馬は6着で掲載馬にはなれなかった4文字馬名馬グレイルだが、同馬は、もう1頭の2歳G1馬タイムフライヤーに勝利した「第4回ラNK杯京都2歳S」1着加算歴を持っていた。その点で、「朝日杯セントライト記念」の3枠の2頭に意味があった事は初学者でも納得のいくところであろう。
 当研が今年の3歳馬の中で4文字馬名馬に対して重視に近い評価をしたのにも、いくつかの根拠があるのだが、2勝馬ギベオンマウレア、(外)ランドネ、サラキアのようには期待には応じれなかった。