「ローズS」はなぜ、距離短縮したのか?~ダイワスカーレットの象徴性~ | リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

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◆片岡勁太は実在しない「番組表」という虚像を読み解こうとするが我々は「競馬番組」の実体を解き析かす点で全く別物である。日本中央競馬会は、その名の下で施行される競馬番組の中で「何が勝っても構わないレース」の存在を許諾する事は皆無である。

 3歳トライアル(国際)G2競走に分類される「ローズS」であるが、G1ステップ競走以外には3歳G2クラスは存在しないから、これらは、別の分類が為される事になる。夏季以降の3歳戦は、競馬番組の中での記載位置も上段から中段の「種別:3歳以上」に変更になるから、そもそも当然の話となる。
 そんなG2の1つである「ローズS」が、その距離を芝20から芝18に変更したのが2007年なのだが、その理由は何なのだろうか?と問われると正論的には、同年同様に距離変更した「紫苑S」が持ち出されるのは仕方ない。しかし、それは、その根拠を満足するのには、不足する。「紫苑S」が芝20になると、「ローズS」が芝18にならないといけないのか?機能交換と言うには、その後の決着は否定域である。
 また、同じ年に距離変更した「神戸新聞杯」に伴なって「セントライト記念」が距離変更しただろうか?と、ジレンマの迷いの森を彷徨うことになる。だから、誰もが、その正解を、いや、正解と言わずとも、持論を展開する事を避けるのである。
 この年の秋華賞馬は距離変更した「ローズS」から(優)を機能させた訳だが、これが初めてのニュータイプという訳ではない。しかし、エポックメイキングである点として、「ローズS」が初めて経路として受け入れた前走「桜花賞(1着)」という(地)アローキャリーの失策をモノにしたダイワスカーレットであった。しかし、その後も桜花賞経路馬が「ローズS」で起用された事は無いのである。
 まぁ、元々、「E女王杯」のトライアルであった経歴などの影響も受けているのだろうから、この点についても言及する論者も存在しないことになる。
 桜花賞馬の出走事例が無い訳では無い事はジュエラーの馬名を出すまでもなくご存じの通りである。前例に倣う事が出来なかった同馬は、「秋華賞」4着敗退後に早々に引退するに至る。しかし、「ローズS」では*1着同枠馬であったという戦歴は残るのである。1着現物は「秋華賞」不出走のシンハライト
 昨年に引き続き、今年も存在しないオークス馬と桜花賞馬は、昨年と異なり「秋華賞」直行策を採るらしいアーモンドアイ。この経路は「秋華賞」創設時にエアグルーヴが採用したものである。結果は10着惨敗に終わった。


 「桜花賞」と「優駿牝馬」が共に「取消戦」であったという経験則は、3冠馬を誕生させたという歴史も刻んだ経験も持つ(国際)で無い3歳牝馬クラシックラインである。