[S2K](農)第54回函館記念 ~揃目開催前年シリーズ~ | リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

◆片岡勁太は実在しない「番組表」という虚像を読み解こうとするが我々は「競馬番組」の実体を解き析かす点で全く別物である。日本中央競馬会は、その名の下で施行される競馬番組の中で「何が勝っても構わないレース」の存在を許諾する事は皆無である。

 「第54回七夕賞」で、テンハロンハンデG3では10年振り1986年移行13回目の単勝万馬券を出したサマー2000シリーズである。10年前は、「第13回マーメイドS( 12頭立戦)」での単12番人気のトーホウシャインで、2着馬ピースオブラヴが単独枠に組まれた10番人気であった為に、*1着同枠馬が6番人気でも、枠連万馬券という併用。
 直近にこういうのを見せられた一般の一部は、ハンデ戦は荒れるというイメージ操作によってバイアスが加わる事も予想されるが、どちらにしても、外観的生オッズで、荒れるか荒れないかの判定は不可能であるから、どうでもいい話。
 「福島民報杯」は、昨年は回避した1着馬が出走し、2着現物を確保、昨年の◎であったフェルメッツァは「七夕賞」では惨敗したが、今年、前年2着馬として来年リステッドとなる「福島民報杯」では*1着同枠であった。それを伴なって1着したマイネルサージュが、前述の2着馬であるが、この関係と「巴賞」と「函館記念」の関係は同じなのだろうかと悩むところである。
 「巴賞」は今年、無理槍(国際)化した古馬オープンだが、「民報杯」の(国際)化はず~っと前の出来事。しかし、今年の「七夕賞」には、「民報杯」の歴代がマイネル冠の3頭が存在した。しかし、レース間隔的には、こちらの中11週は、短い休養になるから、途中、別のレースをはさむケースが多いので前哨戦には遠い存在である。
 一方、「巴賞」は、今では、1開催全6日の2開催という限られた「函館競馬」での一戦で、中1週という滞在競馬のローテーションになる。当研がいう便宜上の前哨戦とは、JRAの定義するトライアルともステップとも異なり、全レースに及ぶものであり、出走馬確保の為に存在するものであるが、1着馬選定の為の能力検査では無く、滞在調教のようなものであり、オープン以外は1着馬の出走を許さない勝抜戦になることの方が多い。2018年は結局、巴賞経由は5頭。

 その「巴賞」が存在感を示したのは、2005年からの非繁殖牡(セン)馬エリモハリアーの同一重賞3連覇というイベントを初めとする数年であって、この「巴賞」から何頭出走するから、どうだとか、1着馬が不在だから、こうなるとかの一部の勘違いにはオペレーションの如く言及されることもあるだろうが、そこに実益的な起用性は存在しないことの明確な理解が必要になる。
 今年の特別登録馬の中には、その経由は1着馬を含めて5頭存在するが、その1頭であるマイネルハニーは、「第83回日本ダービー」の3着枠で皐月賞馬ディーマジェスティと同枠であったスペックである。
 スズカデヴィアスは人気サイド、逆にナスノセイカンなどは、シリーズS2K「新潟記念」にも出走する義務があるという想定の下で要注目馬に値するが、想定という予測の範囲の中では、牝馬エテルナミノルや、復活の狼煙を上げる為に初めてのハンデ戦に参戦するプレスジャーニーなども該当する。
 

 どちらにしても、前年を全く引きずる事を許さない出走馬構成が成立する今年の「函館記念」である。