第13回ヴィクトリアマイル ~特別登録馬名表と雑感~ | リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

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◆片岡勁太は実在しない「番組表」という虚像を読み解こうとするが我々は「競馬番組」の実体を解き析かす点で全く別物である。日本中央競馬会は、その名の下で施行される競馬番組の中で「何が勝っても構わないレース」の存在を許諾する事は皆無である。

 前哨戦の理解は多種多彩であり、その表現は自由ではあるが明らかに錯誤である事は指摘を受けて然るべきである。まぁ、そんな事はどうでもいいのだが、明らかに3歳戦での前哨戦と古馬混合に於ける前哨戦とは異質なものであることに相違ない。
 3歳戦に於いてトライアル競走と称する重賞は、過去には「3着まで」が当然で、近年、「2着まで」と一部修正が加えられるに至る。
 これらを鑑みると、出走馬決定賞金不足であるスペックを拾い上げる「救済」目的に固執したものであるはずは無くハンデ戦が「救済戦」と「ステイタス戦」の二重構造になっている日本に於ける競馬主催者独特の「曖昧構造」そのものである。
 古馬混合に於いては、来夏より廃止される「降級制度」のシステムにもよるが、出走馬決定賞金の算出方法が変化し、資格賞金の内部構造をどのように扱われるかで正逆完全に相反する方向性を持つことになる。
 主催者は現在、直近の実績を重視する方向を向いているのは、過去1年の加算額が倍付で算入される事で誰の目にも明らかだろう。古馬の前哨戦に於ける1着馬のみが優遇される(優)の意味は、前哨戦を1着しても、その出走馬決定賞金額が不足する場合に救済機能が稼働するが、それ以外は救済の意味は為さない。その真実は、「出走義務」の発令であり、その点に於いて、(優)を発行した対象が出走しないG1競走が正規でなくなるというロジックは完全錯誤では無いが、正解でも無いのである。そもそも、(優)が出ようが出まいが正規でないのが現行G1競走であるから、それを考える時間は無題になる。
 さて、相変わらず前置きが長くて恐縮だが、G1東京シリーズが始まって来週は最後の4歳上G1である「ヴィクトリアマイル」が施行される。
 特別登録馬だが、勘違いしている方もいるかもしれないが「レ-ティング上位5頭」は、前哨戦に於ける1着馬に発行される(優)よりもアドヴァンテージを持っている。という事。それでJRA準拠としていたものを以下のように変更した。
 JRAが公開する「出走馬決定順一覧」には、それが加味されていない。それを補完すべく、別枠に「レーティング順位」を併載しているのである。では、なぜこのような事を行うのか?詳説せずに簡単に言及してしまうと大義は「連闘」の可能性である。
 また、話が逸脱しそうだが「ミスVマイル」と言えば、複勝率100%の連覇馬ストレートガールではなく4度の出走を果たした8歳馬スマートレイアーであり、同馬は未だに現役馬である。3着内実績は無いが、「世代最高着順」に2度。今年の出走は無く、方向転換で夏場に賞金稼ぎに走るのか否かは知らないが「春天」を走っても未だに「厩舎」に残ったままの状況で「大阪杯」*2着同枠の身で「宝塚記念」を走るのかもしれない。
 今年は、前年1着馬も2着馬も登録しているが、ストレートガールの連覇は特殊事情であり、今年の「Vマイル」で「連年起用」が実現する事はないだろう。
 G1競走が毎年、特殊事情を抱えて施行されるのは現行競馬の恒常なのだが、例えば、今年の登録馬の4歳馬5頭にとって「第77回桜花賞(取消)」は最後のG3を受け入れた最後の世代であるし、「阪神牝馬S」が出した揃目の万馬券は、加算馬だけでなく出走馬13頭の内、11頭が登録し、その総ての戦歴に影響を与えるものである。
 キーホースは、当然ながら、今年、「アーリントンC」をTRに差し替えた事で「第22回NHKマイルC」の幕を引いたアエロリットピンクカメオのように1着枠に密かに潜入して幕引を援護するのか?現物で堂々と2度目のG1馬となるのか気になるところだ。