第53回報知杯弥生賞~距離ローテーション~ | リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

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◆片岡勁太は実在しない「番組表」という虚像を読み解こうとするが我々は「競馬番組」の実体を解き析かす点で全く別物である。日本中央競馬会は、その名の下で施行される競馬番組の中で「何が勝っても構わないレース」の存在を許諾する事は皆無である。

 昨年、新馬戦から直行のG1馬を見せられ、その前年はダート馬が2歳チャンプになるのを見せられた。あるようで、無いような、無いようであるのがJRA競馬。ダート馬の起用は、周辺の関連番組を一切拒絶する結果である。つまり、翌年の2歳戦の改革が、その年のそれらを総じて幕を引く訳だが、その中央に位置する「朝日杯」も改革の一部であるが、「右へ倣え」を許さなかった幕引。そして周辺が整う直前の過渡期が現在である。(外)アジアエクスプレスは2歳実績によって構築された「単勝1番人気」の座のバーターよろしく2度目の芝重賞「スプリングS」、距離ローテでは「芝16→芝18」というルートで2着現物起用されたが、「(JRA60th記念)皐月賞」では2着、3着同枠馬という変則的な間接起用のみ。この年の「皐月賞」は「スプリングS」が現物で、一切関わらなかった年である。これが「一過性」云々から来るのかの判断は各位次第。今年の3歳戦は「最優秀2歳牡馬がキャリア1戦馬である点よりも芝テンハロン勝歴」を持っているというニュータイプという点の方が重要なのかもしれない。そうすると、今年の「朝日杯」の距離ローテは、消滅したある時期の「京都2歳S」からのローテーションとして扱う事が可能となる(拡大解釈)。しかし、それが阪神移設2年目である事には変わりない。

 芝2000M戦勝歴を持つ戦歴が「朝日杯」で起用されたら、次走を「弥生賞」であっても、それは「飛び級?」でも何でも無い標準的なローテで、競馬番組は別に階段は、1つずつ昇れ!と無茶な言及はしない。当然、そこに「番組(表)への誠意だの愛情だの」と言う稚拙な精神論など入る余地は無い。しかし、このように拡大解釈をすると、細かい点や変化に拘る事に意味が無くなって来る。つまり、統一性が全く無い凸凹なロジックに成り下がってしまう訳だ。番組均衡点を見つけ出すのは非常に難しい。2歳時に芝2000M戦歴を所持する戦歴の機能性の有無は、将来の「ホープフルS」昇格後のクラシックに於ける機能性を示唆する事になる。