「富士S」は来年も「富士S」であり「富士山S」ではない。  | リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

◆片岡勁太は実在しない「番組表」という虚像を読み解こうとするが我々は「競馬番組」の実体を解き析かす点で全く別物である。日本中央競馬会は、その名の下で施行される競馬番組の中で「何が勝っても構わないレース」の存在を許諾する事は皆無である。

 サウジアラビアロイヤルカップ富士ステークス(GⅢ)
 本競走は、『ジャパンカップ』の招待を受けた外国馬が出走できる競走として、第1回ジャパンカップと同年の昭和56年に芝 1800mの定量戦として創設された競走。平成9年より1400mの別定戦として通常の国際競走に改められ、10年にはGⅢ競走となった。
 その後、12年からマイルチャンピオンシップに繋がる競走として、施行時期は11月から10月に、距離は 1600mに変更された。なお、第1着馬には同年のマイルチャンピオンシップへの優先出走権が与えられる
 富士は、静岡県と山梨県にまたがる円錐状成層火山。標高は 3,776mで日本一を誇る。25年6月には、「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」としてユネスコの世界文化遺産に登録された。空気が澄んだ晴天の日には、東京競馬場から富士山を眺望することができる。本競走は、リヤド馬事クラブより寄贈賞を受け施行されている。(JRA)



 「特別競走名解説」を確認すれば、解せる方は解せるであることだが、当該番組の競走名はあくまでも「富士ステークス」であり「サウジアラビアロイヤルカップ(以後SARCとする)」では無いから、来年、SARCの冠を脱しても、「MCS」との関係を解消しない限り、そこには、何ら起用性に与へる変化は生ずる事は無いのは当然の理。
 ご存知の通り、「SARC」とは競馬番組の一部に用意されている特殊な「冠」であり、それは単独で競走名として成立した歴史も持つものである。マクロ的には同系として、「日経賞」や「中日スポーツ賞(杯)」に通ずるものがあり、当該、「富士S」に於いても2007年からの採用である。
 中央競馬番組の空間には「富士S」が「春季」に2番組、「秋季」に当該を含む2番組存在し、その最終戦を担っているのが当該重賞となる。
 これらの4番組は、1着枠番を一部共有する点が有名だが、今年は先行3戦の総てが同じ枠番、同じ4枠06番を共有しているが、それは当該重賞がオープン特別から昇格した1998年(第1回)に近い状況と言えなくも無い。
 どちらにしても、来年は持ち込まれる事が不可能な戦歴が持ち込まれる事になる今年の当該番組は、「SARC」と離脱しようがしまいが同じことを繰り返すことはできない状況下で、結果構築されるのである。