映画でロシアとロシア語

映画でロシアとロシア語

ソ連・ロシアの映画を選んで、詳しく説明します。
言葉を学び、ロシアを実感しましょう。

鯉をもらって:鯉の奇妙な物語(私のちいさなお葬式)(2)

Карп отмороженный (2)

Эпизод 1-4: В больнице, У реки, Во дворе, Дома у Елены

エピソード1-4,病院で、川岸、中庭、エレーナの家で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Елена: Асистолия...

Врач: Аритмическая смерть.

Елена: Саша, вы всегда... Ты всегда был мальчиком очень вежливым и очень деликатным. Вот. А сейчас я тебя прошу просто мне сказать, когда это может случиться?

Врач: В любой момент, Елена Михайловна.

 

エレーナ:アジストリ・・・

医師:突然死です。

エレーナ:サーシャ、あなたはいつも・・・君はいつも、とても丁寧で

とても繊細な少年だった。そう。でも今は率直に言ってほしいの、

それはいつ起こるの?

医師:いつ何時にでもです、エレーナ ミハイロヴナ

 

 

Аритмия 不整脈

 

家族や友人との会話は、言いよどんだり、途中で切れたりと、短いですね。

この映画は自然な、普通の会話の中で、それぞれの関係や、

感情がくっきりと表現されていて、ひきこまれます。

 

Саша, вы всегда... Ты всегда

医師と患者の会話なので、выを使いかけて、教え子なのでтыに。

 

教師は生徒に対して常にТыで、生徒は教師を「名前+父称」、

大学生になるとвыの関係です。

 

в любой момент = в любое время

いつ何時でも

 

 

 生命にかかわる心臓疾患のようですが、薬や手術などの治療の話しは出てきません、

どこか大きな町の病院を訪れるとか、何らかの方法はあると思うのですが・・・、

エレーナはそのまま家に帰って行きます。

 

 

 

 

Валера: Вы-то, как?

Елена: Я.... Хорошо.

Валера: А Олег?

Елена: Э... Олег.... Ой, Олег работает, работает и работает, работает. Вот так всё. Не надо! Прошу тебя! Ну не надо! Что ты, ей-богу?!

Валера: Елена Михайдлвга!

Елена: Что:?

Валера: Возьмите.

Елена: Нет, мне не надо.

・・・

Валера: Я всё равно пропью!

Елена: А ты не пей! Не пей!

 

ワレ―ラ:先生はいかがですか?

エレーナ:わたしは・・・、良い調子。

ワレーラ:アレクは?

エレーナ:えー、アレクは、・・・。アレクは働いて、働いて、働きづめなの。そんな風よ。

(鯉を叩き殺そうとするワレ―ラに対して)ダメよ!お願い!ダメよ、あんたは何てことを?!

ワレ―ラ:エレーナ ミハイロヴナ

エレーナ:何?

ワレ―ラ:受け取って。

エレーナ:ううん、いらない。

・・・

ワレ―ラ:どっちにしても飲んじまうんだ!

エレーナ:飲まないの!飲まないで!

 

「Вы-то, как? いかがお過ごしですか?」と聞かれ、

一瞬、答えに困りながら、

「Я.... Хорошо. わたしは・・・、上々よ」

 

息子のアレクの事を聞かれたときにも、なぜか言いつくろっています。

 

ей-богу(口語) 本当に

 

не надо

鯉を殺そうとするワレ―ラに言う「ダメ」は禁止の意味

鯉を渡されそうになったときの「ダメ」は「拒絶」で「いらない」

 

Пропить(完) 酒代にする(何かを売って酒を飲む)

 

 

 

 

Людмила: ・・・ Чё несёшь? Дай погляжу.

Елена: Да вот. Карпа этот Валерка из 9-го «Б» подарил. Ну что мне с ним делать?

Людмила: Ой! Здоровущий какой!

Елена: Такой здоровущий, что я думаю, он мне в морозилку не влезет.

Людмила: Ну так давай помогу.

Елена: Нет, я сама.

Людмила: Вечно она сама. Ну. Сама, так сама.

 

リュドミラ:・・・何持ってるの?見せな。

エレーナ:ほら。鯉をね、9年生に「B」クラスだったワレルカがくれたの。

でも、どうしよう?

リュドミラ:おやまあ!なんとでっかい!

エレーナ:こんなおっきいの、うちの冷凍庫には入りきらないと思う。

リュドミラ:それじゃ、手伝うよ。

エレーナ:いい、自分でする。

リュドミラ:いつも自分で。まったく、何でも一人で。

 

Чё:чего(口語で)なぜ、の詰った言い方。

 

погляде́ть(完) гляде́ть 見る(= смотреть)

会話で使われますが、書き言葉ではсмотреть。

 

教科書には出てこないのですが会話で使われる言葉というと、

Гляде́тьのほかに、кидать (投げる=бросать)が浮かびます。

というのも、子供が言うのがわからなくて・・・、冷や汗の思い出。

 

Здоровущий(スラング) どでかい、頑強な

 

влезть + на что  よじ登る、  + во что入り込む、のほかに、

口語で「入りきる」「寸法が合う」の意味も。

 

я сама自分で、

エレーナは何でも一人でやってしまう人のようです。

 

 

 

 

Елена: Ну что? Да что ж такое... Сейчас, подожди. Упакую тебя куда-то. Я просила? Я просила его, чтоб мне дарил тебя? Чёрт! Сейчас всё будет. Сейчас тебе будет прохладненько, тихонечко...

 

エレーナ:なに?なんてこともないのよ・・・ちょっと待って。あんたを仕舞ってあげる。わたしが頼んだ?あんたをくれる様にって頼んだかしら?すぐにできるわ。すぐに涼しくて、静かになるの・・・

 

ペットの猫やカメに、こんな風に話しかけているのを何度も聞いたことがあります。

прохладненько, тихонечко、それぞれ、

прохладно涼しい、тихо静かな、の指小形。

 

что ж такое  どうという事でもない。

 

 

 

古いワンドア冷蔵庫の冷凍室に鯉を入れたとたんに、発作が・・・。