私の医学生時代 18 | *ルビーテッククリニック*院長のコラム

*ルビーテッククリニック*院長のコラム

ルビーテッククリニック院長が様々な分野について綴ります。

薬理学小林教授の初講義は二年生の春から始まった。

私は期待と緊張感の入り混じった感じのなかで、何時もの教壇の先生に一番近い席で身構えていた。

何故ならば医師と薬剤は一生不可分の関係にあり、この知識に欠けると良い医師には成れないと考えていたからであった。

先生は開口一番に発せられた言葉は今でもはっきりと思い浮かべることができる。

「諸君。薬は使い方を誤れば毒となるのです。逆に言えば、毒を使って薬としているのです。君たちの大部分は臨床医となると思はれるが、患者を治療する場合薬の必要性、適合性、使用量が妥当か等々、患者のサイドに立ち判断を適切に下さないと治す事は出来ない。否むしろ害をあたえることになる。
毒を使い治療していることを忘れてはならない。」

だから、「毒とその作用機序」というのは医療に携わる人々への警鐘としての言葉だったことを初めて理解できたのである。

私はそれ以来この教えを守り患者さんの立場からものを考え、薬は最小限にして治療を続けている。