ジュエリーデザイナーの奥野貴子です
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そこで調べたり実験してみました
まず間違いなくアルコールに弱いと思われる宝石。
エメラルドはNGです
エメラルドは一般的に
「オイル含侵」
という処理を施されています。
そのオイルがアルコールで溶かされて流れ落ちる可能性があります。
結果美観を損ねることになります。
あと気になるのはオパール。
これに関してはお取引先の宝石を直接海外で仕入れている会社の社長さんにも確認しました。
20年少し前にエチオピアで発見された
エチオピアオパール。
エチオピアオパールはアルコール消毒はダメです。
エチオピアオパールは今までにも水分が沁み込むことで
劣化する(色が変わってしまう)事例が多く出ています。
それ以外のオーストラリアのオパールやメキシコオパールで
実際に実験をされた方が検索したらいらっしゃいました。
「一日浸けおいても変化は出なかった」
という実験結果が出ていましたが
それ以外の条件ではどうなのかなどは不明です。
そして何より一般の方ではエチオピアオパールかどうかの
見分けがつかないと思われます。
なので
オパールも避けましょう
その方が無難です。
あとは前出の社長さんから指摘のあったのが
パライバトルマリン
宝石が大好きな方たちには広く知られた稀少石です。
実はパライバトルマリンの中にも一部エメラルドと同じ
オイル含侵処理をされている物があります。
エメラルド同様気を付けましょう。
あとは染めてある可能性のあるものもやめた方がいいですね。
例えば
・美しい赤なのにすごく安かったサンゴ
・今まで見たことがないような色の宝石
などです。
人工的に染色したものはアルコールで色が抜ける可能性があります。
ちなみに金やプラチナは全く問題ありません。
かえってアルコールで拭くことで表面がスッキリします。
ガラスなどをアルコールで拭くと拭きムラが出ますが
ジュエリーは小さいのでこちらも問題はありません。
それでは大丈夫な宝石は?
ダイヤモンド
ルビーやサファイヤ
クォーツ系(アメシスト・シトリンなど)
などなど。
実は多くの宝石は問題ありません。
ここにあげきれないほどです。
でも「染めてあるか?」等ご自身では判断着かないと思いますので
取りあえず上にあげた三つ以外はちょっとだけ気を付けましょうね。
「めんどうくさ~い」
って思いますよね?
そこで一つ朗報です。
このブログでも何度か書いているかと思いますが
ダイヤモンドには親油性(=油になじみやすい)という性格があります。
手の皮脂などが付着しやすいのです。
そして付着した皮脂などにホコリが吸い寄せられて表面が曇ります。
でもアルコールは油分を落としてくれます
実際にどうなのかちょっと実験してみました
普段よく使いちょっと曇ったダイヤモンドリングを指にはめて
アルコールをシュッ
写真はうまく取れずこんな感じですが・・・
上がbeforeで下がafter。
(写真じゃよくわからないけど)
手にアルコールを吹きかけた後
ちょっと意識してリングの表面をコシコシしました。
そうしたらダイヤモンドのテーブル面(正面の平らなところ)は
曇っていたのがスッキリ~
正直脇の方の小さなカットの入った面はあまりきれいになりませんが
それでも表面の曇りがスッキリするだけでも印象が変わります
(写真じゃわからないけど)
そんなわけですからアルコールを手にシュッとしたら
意識してダイヤモンドのリングはこすりましょう
小さな違いですが気分がいいです
ここまではコロナが広がった最初の頃に一般的に出回っていた
液状のアルコール消毒液の場合です
消毒用アルコールはジュエリーの制作作業中にも
汚れやちょっとした目印を落とすことに使われています
なので意外かもしれませんが
パールに付いても問題はありません(すぐに蒸発するので)
ところが最近は手荒れを考慮した
ジェル状の消毒薬など色々な成分を使ったものが多くなりました
なので基本的には
ダイヤ・ルビー・サファイヤ・クォーツ系
これらは大丈夫とお考え下さい
用心のために
ダイヤモンドジュエリーをもっとすっきりときれいにしたい方は
以前のブログにお手入れ方を書きましたのでこちらをご覧くださいね
「心がときめくジュエリー ジュエリーデザイナー奥野貴子のブログ」の内容は、奥野貴子が情報収集をし、長年培った知識や経験や個人的なセンスや考え方に基づいて書かれたものです。