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宮尾登美子
なんと読みきるのに5日もかかってしまった!
宮尾登美子作品は描写がとても細やかで美しく、
対象を深堀りするために余計な視点を一切排除して書ききる
骨太なタッチには毎度圧倒されます。
実家と自分をモデルにした「朱夏」「仁淀川」は去年読んだんだけど、
今作がシリーズ第1弾らしくかなり濃厚!
とくに大正時代の土佐の貧困地帯の描写は恐ろしいリアルさで
バス待ちながらゾッとするほど・・・。
見たんかい!!と、つっこみたくなる生々しさで
チカラのある作家は違うな~~~~と改めて感じました。
「櫂」というタイトルについて
読み終わるまでは特に考えてなかったんだけど
流されるままに生きてきたようで、しっかりと船を進める櫂に
主人公の母喜和を例えていることに読み終えて気づき、
遅まきながら深く感動した次第です。
それにしても昔の人は美しい。
商売をやってる家では朝から「猿」とはいわない とか
北側にやかんの口を向けない とか
ひとつひとつに意味があり
ひとつひとつ守る時代ってのは誠実でいい。
