Buon giorno♪
昨日2月18日はフィレンツェの一部の美術館が無料で開放されました。
それに乗じてしっかりと前から行きたかった教会に行ったのですが、そのお話しはまた後日♡
なぜ2月18日はフィレンツェの美術館が無料なんでしょう?
それはこの女性の偉業を記念してのことなのです。
メディチ家最後の相続人アンナ・マリア・ルイーザです。
では彼女の偉業とはなんでしょう?
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1982年に世界遺産に認定されたフィレンツェ。
屋根のない美術館として知られるこの街は、街自体が世界遺産として登録されています。
それほど美術にあふれた街なんです。
有名なウフィツィ美術館はもちろん
メディチ家が住んでいたピッティ宮殿にも絵画はもちろん美しい貴石がきらめきます。
貴石のはめ込みでできたテーブル。どれだけリッチなんだか・・・
そもそも巨匠やルネサンスの名品をバックアップしていたのはメディチ家です。
こんな当時としては画期的な作品もメディチ家があったからこそ。
コジモに
ロレンツォ
といった人たちが芸術家を保護したからたくさんの名品が生み出されました。
その後メディチ家は憂き目も見たのですが、1569年にトスカーナ大公として君臨します。
しかし歴史というのはなかなか厳しいものです。
1737年にメディチ家最後のトスカーナ大公ジャン・ガストーネが死去します。
しかし彼には子供がいませんでした。
メディチ家の財産を引き継いだのは彼の姉、アンナ・マリア・ルイーザでした。
夫と死別後フィレンツェに戻ってきていた彼女。
遺産を引き継いだ時には70歳でした。
そこから彼女の偉業が始まります。
弁護士を呼んでメディチ家全ての美術品をリスト化。
そして遺言を書きます。
このリストに記載された美術品は全てフィレンツェから持ち出されないこと。そしてフィレンツェ市民に公開されること。
と書かれたそうです。
老コジモから300年の月日が流れていましたが、芸術を保護するというメディチ家の精神は脈々と引き継がれていたんですね。
その6年後の1743年2月18日、アンナ・マリア・ルイーザはこの世を去ります。
そう、2月18日は彼女の命日なのです。
彼女の死後、現在のフランス、ドイツに当たるロレーヌ公国のフランツ1世がトスカーナ大公を継ぎます。
フランツ1世はなんとあのマリー・アントワネットのお父さんです。
この遺言は現在に至るまで有効なんだそうです。
イタリアの歴史を見ると外国の脅威にさらされたこともしばしば。
1800年頃にはナポレオンが来て有名な「メディチ家のヴィーナス」なんかを持ち出したりしたそうです。
ですがやっぱり最終的にはこうやってフィレンツェに戻ってきています。
そして遺言通り市民に公開されているのです。
彼女の遺言無くしては、もしかするとこんな大作も私たちの目に入ることはなかったのかもしれません。
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さてそんな偉業を成し遂げたアンナ・マリア・ルイーザ。
今彼女はメディチ家礼拝堂に眠ります。
メディチ家の霊廟なんですが、現在はミケランジェロの作品を鑑賞できる美術館として一般公開されています。
ぜひフィレンツェの至宝を守ったアンナ・マリア・ルイーザの決意を感じてみてください。
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メディチ家礼拝堂美術館
Piazza di Madonna degli Aldobrandini, 6
開館時間:8:15-13:50
休館日:第1、3、5月曜日、第2、4日曜日