Buon giorno みなさん♪
絵を見る時にその背景を知ったらちょっと面白い。
それが画家の人生に関わっていたらなおのこと。
今日はこの1枚を元に、ルネサンス時代のフィレンツェのスキャンダル、
フィリッポ・リッピとルクレツィアの恋について紹介します♪
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昨日は語学学校からウフィツィ美術館に行ってきました。
セレナ先生(左端)はフィレンツェの公認ガイド。
歴史も美術史もとっても詳しいんです。
(そして後ろにはこっそりイケメンが!)
私の通う語学学校では、週に2~3回課外アクティビティがあります。
料理教室や映画鑑賞、そして美術館訪問もその一つ。
プロのガイドの説明を聞きながらホンモノの美術を鑑賞する授業。
フィレンツェならではのゼイタクです☆
さてさてこちらの作品。
フィリッポ・リッピの「聖母子」です。
聖母子像ってキリスト教絵画で一番描かれているテーマですが、その中でもこれって一番可愛いんです♡
マリア様がとってもラブリー。
そして彼女が赤ちゃんに向けている目もとっても優しい♡
ほんとにお母さんが赤ちゃんをあやしているような雰囲気が伝わってきます。
というのも、このマリア様フィリッポ・リッピの奥さんがモデルと言われているんです。
でもフィリッポ・リッピって修道士・・・
恋愛したらあかんやーん!
そもそもの始まりはフィリッポ・リッピが当時修道女だったルクレツィアに絵のモデルを頼んだところから始まります。
絵の才能は天下一品。
ですが、ちょっと型破りだったフィリッポ。
ルクレツィアの美貌に恋に落ちてしまいました。
そしてルクレツィアのお腹には新しい命が宿ります。
後のフィリッピーノ・リッピです。
カトリックの修道士が子供を持つなんて当時はご法度。
一大スキャンダルとなります。
フィリッポは教会から追放されてしまうのですが、画家としての彼の才能を認めていたメディチ家の力添えによって二人は結婚が許されます。
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ルクレツィアはフィリッポのモデルであり続けました。
彼はたくさんの聖母子像を描きましたが、その多くがルクレツィアがモデルと言われています。
どのマリア様もなんだか優しいんです。
特にそれまでのマリア様は厳格に描かれることが多かったので、とっても新鮮。
マリア様の描かれ方が「神の母」から、本当にお母さんが子供をあやしているように変化した一枚として知られています。
ルネサンスの一つの特徴がこの「人間くささ」
フィリッポ・リッピはその先駆けとされています。
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彼がこんなに優しくマリア様を描けたのはなぜでしょう?
それはズバリ
恋におちたから(///∇//)
だと思います
彼の描く聖母子像は理想の世界のものではなく、彼の眼の前にいる妻ルクレツィアと息子のフィリッピーノの姿に他なりません。
ちょっと戸惑った表情のヨセフ。フィリッポも最初はこんな気持ちだったのかもしれません。
ちなみにこの絵の天使のモデルは息子フィリッピーノと言われています。
お母さんに似て美少年♡
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フィレンツェから郊外に電車で約30分行くとプラートという町に着きます。
この町でフィリッポとルクレツィアは出会い、フィリッピーノが生まれました。
プラートの町の中心にある教会。
その壁画もルクレツィアがモデルとされています。
左端の踊るサロメがルクレツィア。
この画風は彼の弟子ボッティチェリに引き継がれて行きます。
そしてフィリッポの息子フィリッピーノはボッティチェリに師事します。
プラートの美術館にあるフィリッピーノ・リッピの聖母子像。
お母さんルクレツィアとお父さんフィリッポの愛情の深さを描いた、ように見えるのは私だけでしょうか?
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当時は一大スキャンダルであっただろうフィリッポとルクレツィアの恋・・・
でもそれがなかったら
優しい眼差しの聖母子像も、
ルネサンス絵画の発展も、
ボッティチェリの作品も、
フィリッピーノの作品も、
ぜーんぶ後世の私たちは享受することができなかったのかもしれません。
恋がルネサンスを生んだ・・・
その時はスキャンダラスであっても長い目で見ると物事は違って見えるのではないでしょうか?

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