屋根のない美術館
とよく言われます。
その言葉通り、どこを歩いても美術作品がいっぱい

そんな美術いっぱいの街の中でもやっぱり
ボッティチェリ
の作品は世界に誇る至宝です

前回までの記事でボッティチェリの有名作品を紹介しました。
有名なふたりのヴィーナス。
西洋美術では当たり前と思われているヴィーナス像ですが、
実はボッティチェリが描くまでは1000年ほど描かれていませんでした。
ルネサンスとともに息を吹き返した愛と美の女神。
今回は美女図鑑の初回としてフィレンツェにいるヴィーナスを紹介します




まずはもちろんこちらから
1000年ぶりに息を吹き返したヴィーナスです。

ヴィーナスの上にいるのはキューピッド
ヴィーナスの子供とされ、キューピッドの矢に刺さった人は恋に落ちてしまう
なーんていうロマンチックな神話があります。
さてさて、キューピッドはいったい誰を狙っているのでしょう


答えはこちら
この真ん中の女性を狙っているんじゃないか、と言われています。
この3人の女性ですが三美神といってヴィーナスと一緒に描かれることが多いんです。
左から
快楽
貞節
美
といわれ、3つで
愛
を表すといわれています。
誰しも恋をした時、
相手を求め(快楽)
でもちょっと恥ずかしかったり(貞節)
綺麗になろうとしたり(美)
すると思います。
そんな様子を表しているんですね。
で、その中の一番お固い
貞節
に向けてキューピッドは
「もうちょっとリラックスしてもいいんじゃない?」
なーんて矢を向けているようです
貞節ちゃんもどうもリラックスしてきたらしく、
ドレスの左肩が少し開きかかっています



次はヴィーナスの右側です。

絵のいちばん右側にいる青色の人物は
ゼフィロス
西風の神さまです。
ヨーロッパでは西風は春の訪れを表します
一見強い風ですが、花々が咲き乱れる春の先駆け
ギリシャ・ローマ神話では西風のゼフィロスは大地の妖精クロリスに恋をします。
ゼフィロスに抱えられている少女がクロリスです。
西風が吹いて大地が芽吹く様子を表しているのだと思います。
クロリスの口からは花がこぼれています
ゼフィロスの正妻に迎えられたクロリスは花の女神フローラとなって
世界を花で満たしていくのです
クロリスの横の美しく着飾った女性がフローラといわれています。


『春』という作品名ですが、この絵はまさに春の訪れを表していたんですね。
一説にはこの絵は地上の愛を表す絵ともいわれています。
左手には愛の3つの形を表した三美神
右手には愛によって少女が女性へと成長する様を
そして中央にはすべての愛を見守るように女神ヴィーナスが立っています。
中世の堅固な芸術に慣れていた当時の人たちはこの官能にあふれた作品を見てどんなに驚いたでしょう



美女図鑑ということでもっとたくさんの美女たちを紹介する予定でしたが、
大好きな作品を前に思いのほか語ってしまいました
次回はまた別のヴィーナスを紹介します

