ウフィツィ美術館

ここにはふたりの有名なヴィーナスがいることをご存知ですか?
まずはこちらの作品

その名も
ヴィーナスの誕生

ホタテ貝に乗った美しい裸婦。
アドビ社のソフト、イラストレーターのパッケージになっていたことでも有名です。
この作品、ヴィーナスが誕生した神話を絵にしているんです

なんと愛と美の女神の彼女は海の泡から生まれたのです

何よりこの絵画が有名になったのは1000年あまりの中世の歴史の後に描かれた最初の裸婦だから。
ルネサンス華やかなりしフィレンツェがいかに先進的であったかを表している作品です。
そして、その記念すべき作品に先立って、もう1つルネサンスを象徴するような作品が描かれています。

それがこちらの
春

イタリア語では
プリマヴェーラ

と呼ばれています。
この作品は着衣ではあるものの、その当時とっても画期的だったのです。
なぜなら登場人物みんな
異教の神々
だったから。
西ローマ帝国が滅亡した5世紀末ごろからヨーロッパは中世という時代に入ります。
この時代はキリスト教が絶対的な力を誇った時代。
すべての芸術作品はキリスト教の神に捧げるものでした。
約1,000年の「暗黒時代」と呼ばれる年月を経て15世紀の半ばにこの『春』が描かれます。
描かれているのはギリシャ神話やローマ神話に描かれた神々たち。
神が支配する中世から
人間が生きる喜びを謳歌するルネサンスへ・・・

こうやってみると芸術というのはものすごく時代を反映しているんだな~
と気付かされます。
昨年、急に思い立って安定したサラリーマンを辞めてフィレンツェに引っ越した理由・・・
その大きな理由に実はこのふたりのヴィーナスが関わっていたのです

このお話の続きはまた別の機会に
