サレた女にシた女。



サレ側の悲しみとシタ側の悲しみは、真逆のところにあるものと、とても近いところにあるものと、両方あるのかもしれません。

サレた妻の苦しみとシた女性の苦しみは、少しだけ近いところにあるのかもしれません。

でも、お互いに本当の本当の真の部分で、その悲しみと苦しみを実感し合うことは難しいのかもしれません。





サレた妻が悲しいのは、世界で一番信頼していたヒトから裏切られたから。
世界で一番信頼していたヒトが、自分ではない誰かと一緒にいたいと言っているから。
そして、もう自分は要らない存在なんだと、世界で一番信頼しているヒトから否定されてしまっていると思っているから。


シた女性が悲しいのは、自分が過ごしてきた時間が無駄だったと思っているから。
オトコの言葉を信じていたのに、結局何も手に入らずに時間だけを奪われてしまったから。
そして、オトコは都合のいい言葉を吐くだけ吐いて、結局家庭に帰って行ってしまったから。



サレた妻が苦しいのは、世界で一番信頼しているヒトが心ここにあらずだから。
世界で一番信頼していたヒトが、冷たい目で自分を見るから。
そして、自分のせいで夫が浮気をしたと自分を責めて、世界で一番信頼しているそのヒトが、自分が何をしてもきっと戻ってこないと思っているから。


シた女性が苦しいのは、傷つけているなんてことを思ってもいなかったのに、オトコの向こう側にいる女性や子どもが傷ついていたことを知ったから。
自分がしたことを知った自分の家族を悲しませたから。
そして、そういう関係からそのオトコを奪おうとしたその行為の根底にあった、自身の苦しみに気づいたから。



『不倫が終わって苦しむのはサレた側だけ、シタ女は苦しみもせず、そんなことも忘れて普通に生きていく』

こんな言葉をよく目にしますが、私は違うと思います。


もちろん、ひとつの不倫が終わって、また次も不倫。
略奪狙って○年目です、はい。

という、後悔も罪悪感のかけらもないタイプもいらっしゃるでしょう。
そういうお方は、「何事もなかったように忘れて生きてんじゃねーよ。こんちくしょーめ」と言われる対象になっても仕方がないでしょうね。


でも、そうじゃない女性も確実にいます。

このブログにも、苦しい思いをコメントで残して下さった方が何人かいらっしゃいました。
メッセージを下さった方もいらっしゃいます。

抜け出したいけれど、どうしていいのか分からない。
まだ彼の手を放すことができない。でも、苦しい。
私に普通の恋愛なんてする資格があるのだろうか。


今本当に苦しい思いをされている方は、きっといつか抜け出せると思います。
抜け出してほしいと、強く願っています。





サレた妻も、シた女性も、奥の深い深いところでは実感としてのお互いの感情を理解することは難しいと思います。

でもそれは当然のこと。
理解したいとか理解するべきとか、そんなの無理です。
だって、同じ『不倫』でも立場が全く違うのだから。当然のことです。



ただ、抜け出したいと頑張っている貴女には、頑張って頑張って頑張り抜いてほしいと思っています。

いつか貴女にも、幸せな家庭をもつ時が必ず訪れます。
だから、自分にはそんな資格はない、なんてこと、思わないで下さい。
気づけた貴女には、その資格は十分にあります。



そして、サレた悲しみと苦しみに押し潰されそうになっている貴女は、あんまり頑張らないで下さい。

貴女は、世界で一番信頼しているヒトから要らない存在だなんて、これっぽっちも思われていないのですから。
貴女はその人の妻であり、その人との間に素敵な子どもを授かった母です。
貴女は誰からも否定されるべき人間ではありません。
自分を、もう必要のない人間だなんて、決して思わないで下さい。

貴女が悪いなんてことは、ひとっつもないんですから。





どんよりとしたことを書きましたが、落ち込まないで下さいね、サレ妻の皆さん。
こんな言葉に自分を重ね合わせないようにね。
そういうことを狙って書いたんじゃないからねー。
こんな文章で落ち込んだり泣いたりしているようじゃ、まだまだダメですからねー。


じゃあなんなんだ、っていうね。


実は次回が本題です。





つづく。