今までのまとめとして、思うところを書いてみます。
この「繰り返す浮気」。
どこかで、自分の『人生の午後』における役割をきちんと認識することができれば終わるんじゃなかろうかと考えています。
家庭で得られなくなった『夫』や『父』という立場での存在証明を満たす代わりに、個人的に誰かに認めてもらいたいという欲求。
それを、過ぎ去った『人生の午前』における恋愛や性愛といったものへの再度の憧れと、その相手となる女性から得られる個人としての尊敬や承認に変換して満たそうとする心理。
『個人として承認してもらえる喜び』を満たすための対象を、外の世界に、しかも異性に求めてしまった。
それがすなわち『(この記事で言うところの)浮気』。
本来は、夫であり父であるという『自己』を受け入れていくことで人生の午後をどう設計するのかを考えることができる。
その先にあるのはもちろん老いであり枯れ果てることではあるけれども、そこに向かうにあたる『自己の人生の再設計』をすることによって、自分の存在証明に関しても同時に再度得ることができる。
人間の発達段階で言うならば、中年期~老年期にあたるこの時期の人生設計ができていれば、モラトリアムおっさんになることはないんですね。
前の記事でも書いたとおり、『人生の午前』があまりにも突っ走る時間帯であるがために、『人生の午後』に訪れる人生設計に目を向けることがない。
「老いていく自分」なんて、若くていろんな楽しいことに囲まれているうちは想像できないわけだから。
でももし、この『人生の午前』の間に、普通は目を向けることができない『人生の午後』までも常に見越している人がいれば、そういう人にはきっと、この『中年期の危機』は訪れないんだと思うのです。
そういう人たちのほうがマレなのかな、とは思いますが。
でも、その危機を乗り越えるにはいろんな方法があると思うんですよね。
それは、前回記事で書いた『キャバクラ嬢による自己承認』であるかもしれないし、若作りファッションでブイブイと六本木やら銀座やらで若い頃と同じ時間を再現しようとすることでもあるかもしれないし。
その程度であれば、うまく危機を乗り越えられるなら問題はないと思うんです。
浮気に比べたらね。
でもやっぱり、『中年期の危機』に陥ってしまった場合には、『人生の午前』で得てきたような人間関係の再現によってそれを乗り越えようとするのではなく、『人生の午後』で与えられるような人間関係(花嫁の父、孫のじじぃ、歳をとっていく妻にとっての同じように歳をとっていく夫とか)を認めていくような体制を一日も早く作っていく必要があると思うのです(中年期の危機にも軽傷・重症はあると思うので、ちょっと落ち込んでも難なく「じじい」の役割を受け入れるおっさんもいると思いますよ、たくさん)。
「外の世界」に自分の存在証明を求めて、誰かから自分をひとりの個人として愛して尊敬してもらうこと(浮気)で、この中年期の危機を乗り越えることができるおっさんがいるのは否定できません。
乗り越えたらきっとヤメるでしょうからね。
でも、「自分を認めてほしい」というちょっとした承認欲求だったはずの気持ちがものすごく大きくなってしまい、それが「見捨てられ不安」に繋がったり相手に対する執着が大きくなってしまったりした場合には、とんでもない結末が待っている場合も少なからずあるんじゃないかと思うのです。
「別れたい」という相手を手放すまいと脅したりストーカー化したり、もしくは行き過ぎた執着ゆえに○してしまったり。
そんな破滅に行き着く可能性もあるので、『中年期の危機』を乗り越えるのに『浮気』という手段をとるのはやっぱり注意が必要なわけですよ。
っていうか、その方法(浮気)をとってる時点でダメですけどね。
乗り越える前にバレちゃったらアンタ、大変なことにもなりますし。
で、まあ、取り返しのつかないことになっちゃう人たちのほうが少ないとは思いますが。
世の中のぼんくらさんたちね。
でもね、いい?
あなたたちの役割は家庭の中にちゃぁ~んとあるんですよ。
確かに、子どもが巣立ったり、話してくれなくなったりして寂しいだろうよ。
奥さんに家のこと取り仕切られちゃって出る幕ないかもしんないよ。
だけどね、長い間生活していたら、そりゃマンネリになることもある。
自分でやったほうが楽ぅ~、っていうこともあるし、いちいちムカつくんだよ、ってなこともある。
確かにね、奥さんのほうにも多少なりとも努力は必要だと思うよ。
だけど、家庭生活が破綻しているわけでも夫婦関係が冷え切っているわけでもないわけでしょ?
『誰か、オレをもう一度認めてくれ。オレはこのままでいいハズがないんだあ!』
とか言うんだったら、それはきちんとあんたらが、家庭で奥さんや子どもたちと向き合うときなんだよ。
奥さんが努力するなら、あんたたちぼんくらどももちゃんと努力ってもんをしやがれってことなんだよ。
家庭で得られなくなった自分の証明を?『外で誰かに愛してもらうことによって?』得ようとしたくなる、だぁ?
はあ?
テメーらをまともに承認できんのは、あんたらの妻や子どもである家族だけなんだよ。
今までだって認めてきてもらっただろが。
今まできちんと認めてきてもらったからこそ、職場での自分証明と家庭での自分証明のふたつに支えられてやってきたんだろうが。
忘れてんじゃねーよ。
これからも夫であり父であり続けるあんたと、これから誰かのじじぃになっていくかもしれないあんたは、その中で認められる必要があるんだよ。
外でオンナつくってウハウハしてんじゃなくて、きちんと家庭の中で穏やかに老いていけ。
とっとと家庭に帰りやがれ、このバカたれが。