さて、『人生の正午』に到達したおっさんたち。
職場では頼られる存在、尊敬されちゃう素敵な上司。
いやー、オレってすごいよね。
オレのこと、こんなに認めてくれるヤツらが沢山いるなんて。
はいはい、すごいすごい。すごいですねー(棒読み)。
あれれ?オレ、家に帰ったら妻や子どもたちからなんだか尊敬されてない感じ?
何ゆえ?なんでーーー??
『人生の午後』に突入したおっさん。
今までめっちゃ一生懸命に突っ走ってきたがゆえに、自分とは?自分っていったい何者なんぞ?という問いに真正面からぶつかることがなかった。
あれれ?オレ、このまま老いていくだけ?それってどーなのよ?怖いよーー。
そんな状態になったおっさんたち。
本来はここで、自分の子どもの巣立ちや結婚、その後にくるであろう孫たちとの遭遇。
そういったライフサイクルの訪れに、自分の老いを納得させて生きていく。
すなわち、恐れていた『老い』というものを、その年齢に見合った出来事とともに受け入れられるものとなっていくわけですね。
だから普通は、子どもがいるおっさんであれば『人の親』という自己証明を既にもっているわけだから、たとえ若い子から
「付き合って下さいぃ。私にはあなたしかいないんですぅ~(切実)」
なんて言われても、親子ほど歳の離れた鼻タレ娘なんぞには『父性的感情』をもって対処するのが分別あるおっさんってなもんなわけですよ。
そういうおっさんのほうが多いはずなんです、世の中には。
それが、例えば
『家庭での居場所がなくなってしまったよ、ヨヨヨ(泣)』
なんて勝手に思い込んでいて、人生の午後の哀愁に耐えきれず、自分はもう誰にも認めてもらえない存在なんだ、あー哀しいよぉ寂しいよぉ、このまま朽ちていくのはイヤだよぉー、ってところに鼻タレ娘だった場合には。
あれ?オレもまだこんな可愛いおにゃのこに頼ってもらえるの?
やったー!!
バカかおまえ。
それが、人生終了への別のカウントダウンだぞ?
そうなのです。
こうやって、転落人生をコロコロコロコロと転がっていくおっさんがいるわけですよ。
人生の正午を迎えたおっさんが怖がっているのが、老いだとか孤独だとか自分がナニモンなのか分からないとか、このまま朽ち果てて終わる、だとか。
本来はそこを、自身のライフサイクルと合わせながら『自分とは』というものを見つけていくはずなんです。
花嫁の父やら可愛い孫のジイさんやら、というように。
だけどそこと折り合いがつかなくて、寂しいだ哀しいだと嘆いているときに、まだまだ自分も誰かから必要とされる、愛される存在なんだと思える方向性を『外のオンナ』に求めちゃうから大変なことになる。
あんたが愛される存在だと認識したいならば、それは花嫁としての父であったり、可愛い孫のじじぃであったり、愛する妻との老後の生活だったり、というところにその答えを見つけとけってハナシなわけだよ。
それなのに、新しい魅力あるものによって『自分はまだまだやれるんじゃないか?オレにもまだまだ魅力あり?』みたいな錯覚を起こす。
老いていくだけの人生後半だと思っていたけれど、まだまだオレってイケてんじゃーん、っていう『人生の午後』をアホなオンナ相手に見ようとする。
ダメダメ。
そんなのただの先延ばし。
あんたの本当の『人生の午後』はそんなところにはナイの。
ほんなもん、いつしか必ず終わりがくるんだから。
だからこそ。
こういう人はそのオンナが飽きればポイっなんです。
時が経てば、相手の魅力も半減するし、新鮮味がなくなってくる。
したらばただの馴れ合いの関係。
これからの人生後半を諦めていたおっさんにとっては、新鮮味がなくなった相手は既に自分を『まだイケるんじゃないか?!』と思わせてくれる相手としてはもう不十分なわけですよ。
だから、次の新しいオンナをどこからか見つけてくる。
こうやって『繰り返して』いくわけですね。
やってらんねーよ。
こんな感じに、自分の価値や存在を認めようと無意識に『繰り返す浮気』をするおっさんもいる、という考えです。
でもね、これだって妻は何にも悪くないんですよ。
だって夫のことを意図的にないがしろにしたわけじゃないんですから。
人生の午後に立ち向かえないおっさんが悪いんです。
まぁ浮気とはいかなくても、若い子たちに交じって今どきの流行りの場所に行ったりとか、ドン引きするぐらいの若作りファッションをしてみたりとか。
こういったものも、まともに人生の午後に立ち向かえていないおっさんの行為でもあると思うんですが、浮気して妻たちを苦しめるより全然マシ。
まぁ、若作りにしたって何にしたって、ちゃんと自分の役割(夫とか父親とかじじいだとか)を認識して、そこに自身の存在証明を見出していれば、別に周囲がドン引きしてもいいんですけどね。
あ、キャバクラ通いなんかもこの心理でしょうね。
若い女の子たちからチヤホヤされちゃって、「うほ、オレってまだイケんのか?」って感じね。
でも、こんなん可愛いもの。
そこにハマって借金なんかしたらダメですけど、ちょっとチヤホヤされることで哀愁を軽くしているんなら、それは家庭をうまく保つために必要なことにもなりますからね。
よく、『外にオンナがいたほうが家庭はうまくいく』なんて言われますが、これの根拠って今回書いていることなのかなと思っています。
今回の記事では『若い鼻タレ娘』を例に挙げましたが、時代が変われば対象も事情も変わる、というのが私の考えですので、それを次回へ、と。
つづく。