昨夜、会社のボスの定年を祝うために、総スタッフでひそかに企てた祝宴が、天神のとある隠れ家で開かれました。コロナ以来、こんなに大規模で華やかな集まりは久しぶりで、私にとっては入社してからの初体験。少し胸が弾むのを感じながら、扉の向こうを想像していました。
ボスにはもちろん内緒。
約六十名のスタッフは、当日まで完璧に表情を隠していました。
ドアに掲げられた「本日貸し切り」の札を目にして、ふと勘づいた様子でしたが、扉を開けた瞬間に広がる拍手の景色に、思わず微笑みがこぼれたのが見えたのは秘密です。
会場は温かく、少し華やかで、普段は話しにくい重役の方々とも自然に会話が弾みました。
二時間あまりの時間はあっという間に過ぎ、心地よい高揚感だけが残りました。
パーティの余韻を胸に、自宅へ向かおうとしたところ、親しい同僚に誘われ、ふらりと中洲・人形小路の小さな隠れ家料理店へ。
ママも交えた女三人で、最終電車ぎりぎりまで、日常の小さな愉しみや秘密の話に花を咲かせました。ちょっと背徳的な気配が、なんとも心地よい夜でした。
ママは私より七歳ほど若いのに、初対面の瞬間から自然に心が通じ合いました。知性と品格を備えながらも、会話の端々に魅惑的なスパイスを散りばめるその存在は、まさに「中洲の華」。
長崎の親友・久美にどこか似ていて、思わず笑みがこぼれました。
この素敵な出会いをくれた同僚には感謝しつつ、次は昼間に三人で博多をのんびり巡るランチの約束をしました。
夜の余韻はまだ胸に残り、日常の中でひそかな小さな冒険をそっと味わう、そんな夜でした。
すぐに、感激して興奮して眠れなくなるタイプでね、わたくし。
その夜、なかなか寝付けなかった。盛大なパーティの事が、一気に、3人で中洲のバーで語らった時間に上書きされた。
なんというかさー。
ママみたいに知的で品のある女になれたら、世界がちょっと変わるかも…でも、私にはちょっと眩しすぎる…。
ま、いいか。
ん。
★RUBY
