斉須さん
ないなあ~、
どこやったんやろ。

大学生の終わり時分に、
繰り返し読んだ本がありました。
「調理場という戦場」
斉須政雄
この本は、
コピーライターの糸井重里さんのウェブサイト
「ほぼ日刊イトイ新聞」から生まれたものです。
東京は三田にある、
「コートドール」というフレンチレストランのシェフ、
斉須政雄さんの仕事論
という表現が、
いちばん近いでしょう。
お話は、
若くて、なあんにもなかった斉須さんが、
フランスに渡り、死にものぐるいで働いて、技術と知恵を持って
今に至るまでを語っています。
当時の私は、
ただただ傲慢で偉そうで、
そのくせ、
それらは決して
経験や能力に裏打ちはされていなくて、
そのことを人に知られたくないと思っていた
子どもでした。
だから斉須さんの半生からくる、
言葉がほんとうに重かった。
ひとつひとつ積み重ねてきた人の言葉は
こんなにも伝わるのかと思いました。
何気ない、ささいなことなのです、内容は。
ごくあたりまえのことを言っている。
それが重みを持っていることに憧れてね。
自分の薄っぺらさが身にしみました。
ああ、何かを作っているひとは、素敵だなって。
何かを生み出す人になりたいなあって。
作って作って作ってはじめて、
自分ができてくるんだろうなあって。
料理、というものからくる分かりやすさもありました。
料理人は、そのときそのときが勝負なのです。
その場、その場の調理場の状況で、
そのとき手に入る食材をつかって、
最も的確な判断を下す。
それがそのお皿の美味しさを決めます。
それはなんだかスポーツ競技のような美しささえ
感じさせたのでした。
そんな素敵な本を、しばらく読んでないなあ
と思って、
春だし初心に戻って…
と本棚を探ったのですがないな・・
誰か持っていっちゃったかなー?
ちなみに文庫落ちしてました。

幻冬社文庫
本が手元にないのであれだけど、
確か斉須さんは、
「ひとつの仕事を最低10年は続けないとわからないよ。」
って言ってた気がします。
それがなぜかとても印象的で、
10年は続けようと
以前思ったのでした。
仕事って、なんだろね。
でも1日のうちいちばん長くやってるものなのだから
やっぱり、
何かを生み出すもので
ありたいよなあ
と思います。
そして
それがいつか、
私の重みになるのだ。
余談ですけど。
イトイさんって、やっぱりすごいなあって思います。
最近1101新聞読みもしてないけども、
ちょくちょく色んな人と対談とかしていて、
その人たちの核となるようなところを引き出すのがとてもうまいと思う。
この本だって、もちろん斉須さんの素晴らしさもあるけど、
その斉須さんから言葉を引き出したのは、イトイさんなのかな
って思います。
コピーライターさんとして、言葉をあれこれあやつるのも
多分上手なのでしょうけど、
それ以上に、人とか、企業とかの、核になるものを
ぐっと掴むのが他の人よりもずっと秀でてるのかなと思う。
フランス料理って苦手だけど、
コートドールにはいつか行ってみたいな。










