悲劇の皇子 小一条院の香り | 横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道

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東急電鉄日吉駅3分にある平安の香りを創り楽しむ教室です。平安時代、貴族や「源氏物語」の主人公光源氏がたしなんだ香り創りや楽しみ方をご紹介。(by平安朝香道 朝倉涼香)

ブルーハート悲劇の皇子

  小一条院の香り

 

 

 

ご訪問ありがとうございます

平安朝香道の朝倉涼香です

 

 

 

 

やっと涼しくなった

そう思った次の日には

また暑い1日がやって来て

いつになったら本当の秋が

やって来るのでしょう。

 

秋はもう来ないのかしら?

そう思わせるほど

秋は遠くにあるようです。

 

秋がやって来ないと

元気を取り戻せない私

本当の秋が来ますように。

 

 

 

 

 

 

 

先月の薫物は

小一条院の「侍従」でした。

 

 

小一条院(敦明)は平安中期(994~1051)

の皇族で三条天皇の第一皇子

次期天皇のはずが

 

先に藤原道長の孫で

一条天皇の第二皇子の

敦成(あつひら)親王が即位しました。

後一条天皇です。

 

皇太子には敦明(あつあきら・小一条院)

 

次期天皇こそ敦明に、

父三条天皇の望みも虚しく

藤原道長の権勢に勝てず

敦明は自ら東宮の座を降り

皇太子には後一条天皇の

弟である敦良(あつなが・後朱雀天皇)

となりました。

 

三条天皇の後は

二人とも一条天皇と皇后彰子の子供たち

道長の孫が次々と天皇となりました。

 

敦明は

院号を賜り

准太政天皇(じゅんだじょうてんのう)

と呼ばれる地位や称号ではなく天皇に准ずる待遇

を授かりました。

 

この准太政天皇の待遇は

「源氏物語」の源氏の君も

授かったものです。

 

 

思わぬことが何度も起きる時代

小一条院より三条天皇は死してなお

理不尽さに地団駄を踏んだことでしょう。

 

そのような時代にも小一条院は

裕福な貴族の家に代々伝わる

薫物の方を元に薫香を

愉しんだのではないでしょうか。

 

 

現代はとても良い時代です。

平安時代、貴族や後宮でしか嗜めなかった

平安の香りを心ゆくまで

味わうことができるのですから。

 

なぜかこの「侍従」は

とても温かでとても甘い香り

を感じました。

 

悲劇の皇子は

小一条院もさることながら

一条天皇の第一皇子敦康親王(母は定子)も

悲劇の皇子と言えるのではないでしょうか。