第三部 くものきれまに
雲の切れ間からまぶしい午後の日差しを浴びながら、丘を駆けていくヤギ。呼び止める友人のヤギ。
友人ヤギは、心配のあまりあれこれと忠告をし始める。先を急ぐヤギは気が気じゃない。
オオカミとの待ち合わせ時間が迫っているのである。
案の定ヤギは遅れて到着。オオカミとヤギは初めて名乗りあう。
ヤギの名前がメイで、オオカミの名前がガブと判明。
友人ヤギはメイを放っておけず、何度も何度も追いかけて来て忠告しては帰り、また忠告しにやってくる。
オオカミが後ろにいることも気づかず、オオカミのことをどんなに嫌いかということをあれこれと・・・・・
そして『あんなやつと 仲良くしたいやつなんて誰もいないよね』とまで言い切る。
オオカミのガブは耐え切れず、大きな口を開け鋭い牙をきらめかせ襲いかかろうと立ち上がった!
さ~、どうなる友人ヤギ!
どくしゃのみなさんへ
おおかみからみたら、ともだちのヤギのともだちは、だいすきなごちそう。ヤギからみたら、りょうほうともおともだち。その3びきが、いっしょになっちゃったら・・・・・・。さあ!どうなる? 木村裕一
メイは友人ヤギの上におおいかぶさり、身を張って助けようとしたのだ。
オオカミのガブは、一声 “ウオォ~ン” と鳴いて走り去る。ガブの悲しみは如何許りであろうか・・・・・
しかし、メイはガブを追いかける。
ガブは、『ヤギから見たら自分は嫌われ者で敵だ、メイと会っていてもどうしようもないことだ。』と言う。
メイは、『だから、私たちは秘密の友達なんだ。』と答えるのである。
友人の忠告はありがたいことである。
しかし、しつこい忠告は時として相手を困難な状況に追いやってしまうかもしれない。
私も気をつけよう。なにが起ころうとも心乱さず、メイのように冷静に行動しなくちゃ!
さ~て、今夜はサンババ会。楽しんでこよ~っと!
※ どくしゃのみなさんへから始まる文(青色部分)は、この本から転記しました。
カバーの表紙折り返し部分に記されています。