倉本聰が原作・脚本を手掛けた「海の沈黙」
主演の本木雅弘さん演じる「津山竜次」の拠点として、小樽がロケ地となっています。
印象に残ったひとつが、度々登場する小樽のロシアンバー ”マロース”
ライブ演奏や、ウォッカを飲むシーン等々、以前、街中でロシア人の姿が多く見かけられていた事を思い出しました。
そして竜次と、その元恋人で、現在は田村(石坂浩二)の妻である小泉今日子さん演じる安奈が、小樽の埠頭(小樽倉庫)で再会するシーンは、この作品の見どころのひとつだったと思います。
ふたりが交わす言葉のひとつひとつが、短いけれども重みがあって、そして別れ際に映し出された、ふたりの「手」の映像には、言葉以上の深みを感じました。
そして心が揺さぶられたのは、安奈が別れ際に、竜次に手渡した蝋のキャンドルが涙を流したシーンでもありました。
このストーリーを一本の映画に込めるのは、大変だったようにも感じます。
過去のシーンは一瞬で、見ている側は言葉から想像するしかなく、感情移入が少し難しく感じたので、何度か見る必要があるのかもしれません。
竜次に長年仕えるスイケン(中井貴一)の存在感など、そうそうたる顔ぶれの中、主演の本木雅弘さんの演技も期待通り素晴らしかったです。