三浦綾子の小説「氷点」をドラマ化した昔の作品が想像以上に面白くて、一気に10話全て見てしまいました。

 

とにかく深かった。。

 

 

 

 

三浦綾子さんの出身地、北海道旭川市で病院を営む医師の夫人、夏枝(浅野ゆう子)が、青年医師の村井(吉田栄作)と密会しているあいだに、娘を殺害されてしまったところから、ストーリーが展開していきます。

 

 

妻の不貞を疑う夫(三浦友和)は、夏枝への復讐心から、我が子を殺した犯人の娘を養女として引き取り、夏枝に育てさせるという、何とも信じがたい行動にでてしまい、それから15年後、家族の苦悩が始まっていきます。

 

 

引き取った娘(陽子)は、明るく優秀で美しい少女へ成長していくのですが、15歳を迎えた頃、真実を知ってしまった母・夏枝(浅野ゆう子)から嫌がらせを受けるようになるのです。

 

 

そんな陽子をいつもかばっていた兄は、いつの間にか血の繋がりのない妹(陽子)を好きになってしまい、ますます話しが複雑になるのですが、賢く、優等生的な、このお兄さんの存在は、良い意味で大きかったように思います。

 

 

ストーリー的には、夏枝(浅野ゆう子)の葛藤する心にフォーカスしてしまうのですが、家族それぞれの立ち位置で見てみると、修復は難しく、どんな着地点がいいのだろうかと考えながら見ていました。

 

 

ストーリーの中で、「愛」とか「許す」というキーワードもでてきましたが、そういう次元では考えられない、もっと複雑で、深いものを感じながら、結局、クリスチャンでもある作者らしい、というべきか、靄が晴れたようなラストに、気持ちが救われました。