小澤さんの体調不良により何度も謹告が出され開催も危ぶまれましたが、
演出家と指揮者が変わっての上演となりました。
セミステージ形式公演。
ピットが腰辺りまで沈み、オケの奥に舞台が狭いスペースで建て込まれてました。
大道具は障子が8枚と鳥居のような家の門のみ。
オペラは狭い舞台を駆使してオーソドックスな演出ですすんでいきました・・
大好きなバタフライ、年に数回観ています。
なのにラストは毎度毎度涙しちゃいます

しかし今回の幕切れでは…マスクの下で・・笑ってしまった

だって!現れるはずのないピンカートンが自害する蝶々さんのところへ、
まるでドリフのコントのように障子を破るかの勢いで舞台に走り込んできて

「しっかりしろ」ごとく蝶々さんの肩をゆすり、
なぜか坊やの目隠しを取って抱擁しちゃうのだもの

坊やは突然現れた知らない白人のおじさんに抱き寄せられたかと思ったら
その肩越しに自害している母を目にしてしまった・・・
…この子の将来が心配になります…
(これは例の「ジュニア・バタフライ」を観たくさせる作戦?)
演出は変えてもいいけれど、ストーリーを変えるのはどうなのかしら?
舞台の大きさの制約で動きの少ない演出なのに、ラストだけ急に手を入れたのは何故?
(そういえばカラヤンのDVDも襖を破って飛び込んでくるのがあったかな

演出家 浅利慶太氏が降りたあと、立派な森英恵氏の衣装だけは残ったけれど
和装での所作も気になった。
今回、塾生の皆さんは大変な過酷な状況の中で
音楽作りを頑張ったと思います。小澤さんもずっとついてご指導なさったとか・・
だけど、この演出のおかげで音楽の出来映えはよく憶えておりません。ごめんなさい。
「秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず」の心を忘れていただきたくなかった。
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