オーチャード・ホールで上演中の佐渡裕指揮・バーンスタイン作曲歌劇「キャンディード」の舞台を観てきました。
スカラ座、パリでも上演された斬新な演出。
主人公キャンディードが悲惨な目にあいながら世界中を放浪し、最善の本質と、人にとって何が大切なのかを見つけるお話。
ヴォルテールの台本が大幅に加筆訂正され舞台は中世から1950年代へ、新世界はアメリカに。クネゴンデはお姫様からマリリン・モンローに…
台本は世相を反映したかなりシニカルな内容になり、シンプルで滑稽なメロディがそれを一段と引き立てていました。
ウィットに富んだ内容を理解するには、オリジナル台本を知ってることはもちろん、1950年代から近現代の世界情勢の知識に長けている方ほど楽しめるでしょう。シンボライズされた演出もあちこちに盛り込まれてました。
華やかでスピーディーに進行していく舞台に目が釘付け。一回じゃとてもすべてを拾いきれない。もう1回観たらもっと楽しめるのになぁ…
過去2回、違う演出の舞台を観ているけれど、こうも違うとは。オペラは生きている。過去の遺物ではない。この先どうなっていくかは世相次第かも。
今回のDVD化は無さそうなので、迷っている方はぜひ!
明日、千秋楽です。
公演後は佐渡さんに楽屋でご挨拶し、佐渡さんの右腕スタッフ達と打ち上がりオペラについて語り合った楽しい一夜でした。