コースがしばらく フラットになり 悲しさがこみ上げた
「今からでも先に行って。このコース こんなにゆっくりでもったいない」
半べそで 頼んだけど 友人は笑顔で私の腕を ぶんぶん振りながら行った
「バスに乗ったら 走っていくわ。歩くなり止まるなり 好きにしていいから。
どうせ リタイアしろっていっても しないだろうから私は 止めないから
止めるときは 自分で言ってね。」
じゃあ ごめん ファンランか LSDでいてね。
すると また友人は 笑った
「まだ キロ7分なってないよ~」
そんな友人の為に せめて明るく楽しく走りたかった
体調が悪いのは気のせいだ
失速しただけだ
ファンランならできるはずだ
そう思って 気を取り直して 大きな声で 沿道に応えてみた
ハイタッチももらった
元気になった と 思った
けど 100mももたなかった
エイドで 2杯くらい飲んで 頭から水を かけた
腕とつま先が 寒い 頭と背中が暑い 呼吸が苦しい
ラップを取るのを止めた 時計も見れなくなった
MASAさんに会う
声をかけてもらう 私も答えた たぶん
友人に聞く
何て言われた?
「ゴールで待ってるって」
ゴールのイメージが全くわかなかった
15キロ~20キロ 30分
見上げるようなところを ランナーがたくさん走っている
あんなところまで 上るのか
ヤスさんに 会う
笑顔で片手を挙げて爽やかに 抜いて行く
頑張ってください
口に出せたのか出せなかったのかは覚えていない
そして 友人に聞いた
何て言われたっけ?
「30キロで 抜いてくださいって」
言ってもらったんだから 30キロで抜けば?
友人が いたずらっぽく笑って言った
力なく首を振りながら でも自信満々に 答えた
「絶対 無理~」
また 友人は 笑っていた
20キロ~25キロ 30分