所属しているJOFI愛知の学術顧問であり、さざなみ句会にてご指導いただいておりました金森直治先生が、二月二日の夕刻、ご逝去されました。

 

体調を崩して入院されていましたが、快方に向かっているとお聞きしていたので、とてもとても信じられませんでした。

 

 

 

お通夜と告別式にてお別れしてまいりましたが、今もぽっかりと心に穴があいたままです。

 

 

中日スポーツ追悼記事

 

 

わたくしが俳句を始めたのは2014年の1月。

 

2013年の10月に行われた金森直治先生の中日スポーツ・釣りコラム「魚眼レンズ」400回の記念祝賀会にて、かねてより俳句を楽しまれていた三重大名誉教授の上野隆二先生から、俳句の魅力をお聞きしました。

 

その際に、「いざ大人が俳句を習いたいなと思っても、金森先生のように優れた先生に教わる機会にはなかなか恵まれない」とも伺い、俳句を始めようと決意したのでした。

 

 

敷居が高いと思っていた俳句ですが、実際に始めてみると、とてもとても楽しいものでした。

 

金森先生の愛のあるちょっとした毒交じりの添削も楽しく、たいへん勉強になりました。

 

 

時々頂戴する金森先生の特選には、嬉しさのあまり涙が出たり・・・。

 

 

 

月に一度の句会が楽しくてたまりませんでした。

 

 

 

 

しかしもう、二度と、金森先生に特選をいただくことは叶わなくなってしまいました。

 

 

 

 

 

こちらは12月に中津川の栗きんとんを贈った際にいただいたお手紙です。

 

 

金森先生からわたくし宛にくださった最後のお手紙となってしまいました。

(年賀状もいただいておりますが)

 

 
 
 
金森先生は月に二度、中日スポーツの釣りコラム「魚眼レンズ」を書かれていましたが、ご長男の靖彦様に「中日スポーツに持っていってほしい」と頼まれたのはお亡くなりになる7日前の1月26日だったそうです。
 
そのコラムは「三途(さんず)の川」のハバは? から始まっていて、最後には「永年 ありがとう」とつづられていました。
【中日スポーツ2月6日(土)第23937号】
 
 
今思えば金森先生は旅立ちを予期されていたのか…。
 
金森先生のお人柄を知るものにとってはうなずくことしかできない、悲しいながらも美しい人生の幕の閉じ方でした。
 
 
 
金森直治先生はJOFI愛知の忘年会などにご出席いただいた際に、会員ひとりひとりに句を詠んでくださったりもしました。
 
 
わたくしがいただいた中で一番好きな句があります。
 
わたくしも釣りびとですから、お魚は綺麗にいただきたいと常に意識しているのですが、それを金森先生が見ていてくださったのです。
とても感激したことを今も鮮明に覚えています。
 
 
 
まだまだ学びたいことが山ほどあったのですが
 
先生の素敵なお声をずっと聴いていたかったのですが
 
なんの恩返しもできませんでしたが
 
 
金森先生に恥じないよう、きちんと生きていきたいと思っております。
 
 
 
 
 
最後に、金森先生の最後の添削となってしまいました1月の俳句を発表します。

 

 

   【さざなみ句会 一月】

 

①巣ごもりの腕の見せ場か味噌おでん

         ↓

 巣ごもりに腕前見せむ味噌おでん

 

 

②料理屋の人のしづかに氷見の鰤

         ↓

 板前のそろひてしづか氷見の鰤

 

 

③オリオンを起点に探る流星群

         ↓

 オリオンを教えられたり年の夜

 

 

④すそわけの蕪の大小眺めをり

         ↓

 大小の土の蕪をおすそわけ

 

 

⑤透きとほる空気の美味し落つる雪

  

             ※直しなし

 

 

一月の金森直治先生のお言葉です。

    (一部省略しております)

 

俳句上達の道はただ一つ「続ける」だけです。

そして「先人」「今の人」の秀句を読むことが大切。

俳句は省略の文学。

省けるものが省かれていないとそれだけ甘く弱くなります。

祈 ご健吟               直治

 

 

 

 

 

金森先生、たくさんの素晴らしい教えを 本当にありがとうございました。

 

金森直治先生のご冥福を 心よりお祈り申し上げます。

 

                              森 麻里子