皆さん、法律的な面からペット飼育について考えた事があるでしょうか?
多くの方が知らずに過ごしている場合が多いのですが、万が一という時に知っていないと大変理不尽な思いをする可能性があります。さわりだけでも覚えておかれると良いでしょう。


ペットを飼育している人には、民法718条(動物の占有者等の責任)で責任を明記されています。
第718条(動物の占有者等の責任)
1項 「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質にしたがい相当の注意を持ってその管理をした時は、この限りではない。」

何が言いたいのかと言うと、動物飼育に於いて何か他者に対して結果があった場合(迷惑行為等)は、全くの善意であったとしても原則として全て責任を負いなさいと言う事が条文で明記されていると言う事です。
この場合の善意とは、善人悪人の別ではなく、単にその事象に於いて知りえなかったという意味で使います。
善意有過失(その事象に於いて知り得てはいなかったが知りうる事が出来る立場であった)
善意無過失(その事象に於いて知り得てはおらず、また容易に知り得る立場ではなかった)
と言うような形で使われます。


つまり、動物飼育をしている人は車に乗っている人同様、動物を飼っている限り常に加害者であると言う認識になる訳です。
免責については「~相当の注意を持ってその管理をした時は…」とありますが、この相当の注意を払ったのだと言う事実認定を加害者側(つまりペットを飼っている人)が証明しなければいけません。
例えば以前、犬にほえられて老人が転び、大腿骨を骨折したと言うニュースがありました。記憶に新しい方もいるでしょう。この件について犬はこの老人に対して吠えたのではなく、吠えたのもごく至近距離でもなかったようですが、怪我をした老人は犬が嫌いであって、飼い主には犬をみだりにほえないように調教する注意義務があったにもかかわらずそれを怠ったとして450万円ちかくの賠償命令が出ています。

我々が考える相当程度…と、この法律上で考えられている相当程度…ではだいぶ隔たりがあるようです。
例えば散歩していた犬が何かに驚いて走りだし、たまたま首輪が抜けてしまい通行人にけがをさせてしまった場合。飼い主は抜けないように首輪と曳き綱を二重にする事も出来た…という判断から免責になる可能性は低いと聞きます。



何が言いたいかと言いますと、動物を飼っている場合は社会的に常に加害者だと言う認識が必要であると言う事です。



善し悪しや倫理的に…ではなく、法的に言えば、例えば犬猫を飼っていて散歩をさせます。この時に糞尿を自由にさせ、処理しない事は廃棄物処理法違反になります。
刑法 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」
第16条(投棄禁止)「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」
→(第25条)5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金刑に処し、又はこれを併科する。


廃棄物処理法違反は刑事事件に当たるわけで、所管は警察でしょうか。
例えば近隣で犬の糞を自分の敷地外(公共の場所や道、個人所有地等)にいつまでも拾わずに放置する飼い主が居た場合は、廃棄物処理法違反に当たる可能性が高い訳です。

糞は取るけれど尿は難しいから水を持ち歩いて掛けている…こう言う飼い主を見かけます。
糞をちゃんと持ち帰る飼い主は素晴らしいです。
しかし…尿を長期間腐食し易い部分(電信柱や街灯、道路標識など)に掛け続けたことで、掛けられた物が相当の対応年数をはるかに欠いて腐敗し、倒壊。それによって住宅や通行人に被害が出ている話もちらほら聞きます。
これらについて我々ペット飼育者は十分以上の配慮をする必要があるでしょう。




さて、事は犬猫に限りません。
鳥飼育においても社会的責任は大きいです。

例えば鳥を病院に連れて行く時に公共の交通機関を使う場合。
公共の交通機関を使って鳥を連れ歩く事は、殆どの交通機関に於いて可能です。


しかし例えば同じ交通機関にたまたま乗り合わせた方が重度の鳥アレルギーだった場合で、万が一何か健康被害が起こった場合、前途した718条で考えますと、重い責任(慰謝料)を負わされる可能性があると言う事です。

当然鳥の飼い主(加害者)は、アレルギーを起こした乗客(被害者)がアレルギーである事実を知り得ませんでした。本来であればこれで善意有過失と言う扱いになるのですが、718条の文言には「~相当の注意を持って…」と言う、とても重い責任が課せられています。この場合私の想像では、鳥アレルギーの人が乗ってくる可能性があった事について十分想像が出来る事であり善意であるとすら判断されない可能性の方が高いのではないかと思います。つまり免責されず責任を問われる可能性の方が高いと言う事です。



これは乗り物だけではなく、住宅であった場合でも同様に責任を問われる可能性があります。


例えばよく聞く話ですが、ペット飼育可の集合物件で鳥を飼っていて、隣の住人が健康被害を訴えた場合です。
ペット飼育者(加害者)は、隣人(被害者)が健康被害を訴える事を飼う前に知り得る事ができませんでした。例えば最初は隣人(被害者)も、「気にしないで」と言っていたとします。
しかしこの場合でも、718条を基準に考えるならペット飼育者は責任を負う必要が出てきます。
よくペット可物件なのに後で出て行って欲しいと言われた…等のトラブルがこのケースになります。
本来であれば借主保護である借地借家法も飛び越えて、ペット飼育者に対して退去や不合理な判決が出るのはこの民法第718条があるからと言っても過言ではありません。
そう考えてみますと、日本国内に動物権が出来ない理由が見えてきます。
法律を制定する場合、前出の法律と原則的に齟齬があってはいけません。そう言った法律はそもそも制定する事が出来ないのです。残念ですが現実的に言って動物権(動物が生きる権利)が日本に誕生する事はないでしょう。



ですから、動物を飼っている人、そして動物をこれから飼おうとしている人にもお願いがあります。
動物を飼うと言う事は、原則的に言って、車を運転するのと同様に、とても責任が重いのです。


例えば鳥などは、1羽飼っていると可愛くて、どんどんどんどん増やしてしまいたくなります。
鳥は鳥籠で飼うのが一般的ですから、他のペットに比べてあまりスペースをとりません。
ついどんどんと増やしてしまうお話をよく聞きます。
また現実的にも、小さな鳥を増やす事は経済的にあまり負担がありません。


飼っている人は全然気にならないものですが、実は壁を隔てた隣人にはその声や物音が大変不快だったりします。


社会生活は一人の幸福の上にはまかり通りません。
社会を支える双方の幸福の上に初めて成り立つものです。


たくさん飼う事が難しくなっている訳ではありません。
しかし、よく気を付ける必要はあります。

例えば排せつ物、ゴミや羽毛、臭い、声や物音等で、御近所の方に迷惑をかけない様な飼育環境が望ましいものです。
また、御近所さんとも、付かず離れずの適度な距離で居たいものです。

昔はどこでもレースバトを飼っている人が居た物です。
現在では都市化に伴い、鳩飼育をするのも非常に肩身が狭くなりました。


昔からその土地に先祖伝来住んでいて、ずっと鳩を飼育している人が御近所トラブルを抱えて困っている話を聞きました。彼が鳩を飼っていた時は近所になにも無かったので気兼ねなく飼えましたが、今ではその地域は宅地造成で大規模な団地群の一角になってしまい、とかく鳩を飛ばすな、の一点張りだそうで…

最初から住んでいたのはこっちなのだから文句を言うのはお門違い!と言える時代は終わってしまったようです。
その鳩飼育者は、いかに衛生に気を使っているか定期的に市役所や保健所に管理報告を行い、また住民の集まる場所で説明しているようです。


理解される事は現実的に非常に難しいかもしれません。
しかしそれでも、動物を飼育している一人一人の考えが常に高いレベルで維持されているならば、社会的にもその人の飼っている動物は結果として広く受け入れられるでしょう。
そうなればその人の飼っている動物はきっと社会的にも尊重されるはずです。

私は常にそういう社会であって欲しいと願っています。
今日はアキクサインコ…と言うよりは、鳥の体重の話をしたいと思います。

以前アキクサインコルビノーの体重は平均して45g程度と書きました。
しかし、この鳥の平均体重を語る為にはとても大切なお話があります。
今日はそんな鳥の体重のお話です。


そもそも鳥類は、1年を通して体重が大きく変動する事が健康です。
1年のどこを基準に見て行くかは非常に微妙です。
まずは出生からの体重の推移ですが、アキクサインコの孵化日数は22日。卵の重さは大体3g程度。孵化後の雛の体重は2~3gです。生後10日ごろには4倍の12gになり、20日ごろには40g程度。この頃から初飛行が始まり、初飛行を開始する頃には50gを超えている個体も少なくありません。
飛行が始まると差し餌を欲しがらなくなり、同時に体が締まってくるので体重が40g前後まで減少します。
その後徐々に筋肉が付いてきて45g前後に落ち着きます。


仮に4月生まれ(孵化した)と考えますと通常巣立ちに1カ月ですから5月には巣立ちます。
巣立ち後2カ月で雛トヤと言って全身の羽が生え換わりますので7月にはトヤ期に入っている計算です。
基本的には雛トヤが終わってから2~6カ月程度で大人と同じ体重になります。4月生まれの子の場合は早い個体はその年の10月、遅い子でも翌年2月頃には成鳥と同じ体重になると考えられます。
また早い子では生後4カ月から最初の発情が始まります。雄の方が早い傾向があり、雌でも6カ月頃から最初の発情がみられます。

ただし、基準としてアキクサインコは春と秋に巣引きをするのが普通です。
発情においてもこの巣引きの時期が基準となり前後します。
つまり春生まれの子はその年の秋に最初の発情を迎えるか、発達のゆっくりな子は翌年の春に最初の発情を迎えるかと言う様な状況です。
生まれ月にはあまり左右されず、早熟な個体は基本的に次のシーズンには発情を迎えます。
遅い子でも次のシーズンまでには発情を迎えるのが健全ですので、つまり一つの目安として、孵化してから2回目までのシーズンに発情を迎えるか否かが栄養状態と発達状態を見る上で大きな指針になると言えます。さてこの発情と巣引きについては長くなりますのでまた後日改めて書き込みます。

さて話は戻って8月からの様子です。(成鳥を基準とした話)
8月、夏の最も暑い盛り。
基本的にアキクサインコの体重が最も軽い数値を示すのがこの時期です。
人間でも夏バテ等と言われ、食が細くなる傾向にありますが鳥類のこれは哺乳類のそれとはいささか違います。
鳥類の場合は高い外気温によって新陳代謝が高まり脂肪が燃焼される事、多飲多尿も体重減少の大きな要因です。
真夏には大体標準体重の2~10%ほどの減少が見られるのが普通です。特に外気温の影響を大きく受ける屋外飼育個体の方が、温度変化の少ない屋内飼育よりも体重の増減が激しい傾向にあります。

9月、夏の暑さがまだそれほど緩まない頃から、減少していた体重が増え始めます。

10月、夏の暑さが落ち着いたあたりからトヤが始まります。寒い地域では9月頃からトヤが始まります。いったん夏の終わりに増加した体重が徐々に減り始めます。巣引きをする親は巣引き中はトヤが始まりませんので体重は増加傾向です。

11月、トヤ終了と共に体重が急激に増加し始めます。屋外飼育の子は特に増加します。これから来る冬に備え脂肪を蓄えるためです。10月の終わり頃から屋外飼育の鳥の飼料管理は、脂肪を蓄えやすい濃厚飼料の比率を高くしてあげたいものです。
屋内飼育で殆ど外気温の影響を受けない環境でも、生理的に多少の体重増加が認められます。

12月、1月、基本的に日本国内で飼育されている鳥の多くは、この時期が(巣引き時を除いて)最も体重が増加します。
標準体重の20%まで増加する子もいますがこれは極端な例で、通常は10%程度です。例えば標準体重45gの子が冬になりますと屋内飼育の子は5%増の48g。屋外飼育の子は50g程度にまで増加するのは生理現象であると言えます。

2月~6月冬の寒さが緩む前くらいから体重が徐々に減少します。一過的に現状した体重は、巣引きをする鳥としない鳥で大きく差が出ます(秋も同様)。
巣引きをする鳥の場合は、一度緩やかに減少した体重は雄の場合そのまま落ちつき、やや標準体重よりも重く維持、雌の場合はまた緩やかに増加します。巣引きをする雌の場合は基本的に最初の産卵までに標準体重の20~30%程度増加する事が健康的です。つまり標準体重45gの雌は、産卵時には52g程度まで体重が増加します。
巣引きをしない鳥の場合体重は緩やかに減少し続け、そのままトヤに入ります。
トヤ終了と共に体重は増加し始め、標準体重で一度落ちつきます。

7月、8月緩やかに体重が減少し始め暑さに耐える体作りを始めます。



ざっと体重から鳥の1年を見てきました。
さて皆さんはご自分の鳥の平均体重をいつ計測した数値で考えているでしょうか?


哺乳類であれば成獣ならいつの時点で量っても、その子の骨格と肉付きで平均体重を求める事が出来ます。
しかし鳥の場合はそう簡単には行きません。
まず、孵化してから1年以内の鳥については平均体重を求める事は厳密に言ってできません。
2年目からと考えるのが良いでしょう。


その上で真夏と真冬は増減の基準値と考える事が出来ます。
トヤの時期は健康管理の点で体重を量る事は大事ですが、平均体重を計測する上では参考になりません。

もし出来るなら、毎月決めた日にちを体重測定の日と決めて12カ月間測定し、グラフなどにすると良く解り易いでしょう。
1年平均して体重の増減が少ない個体は、まず環境として温度変化がほぼ無い環境でなければ実現しません。

鳥の体重を維持する上で、その鳥の外見や肉付きなどから単純に「この個体の平均体重は○○gだからそのように維持するように」と指導をする人がいます。
しかしこれは大変危険な事だと言うのは、上記した事からお分かり頂けるでしょう。
鳥類は、哺乳類のような単純な体重管理では語れないからです。




何故かと言いますと、鳥は飛ぶ為だけに進化した生き物です。


我々人間(哺乳類)が1年を通して体重の増減が殆ど無いのは、その身体構造が地上で暮らす事を主としているからです。

鳥は、重力のある地球で、飛ぶ生き方を選びました。
その為多くの物を犠牲にしています。
例えば皆さんよくご存じでしょうが、鳥類の骨の内部は空洞になっています。
鳥の骨付き肉を購入し、骨を折って見ると解ります。
鳥の骨は哺乳類(豚や牛)の様ではなく、折れればとげ状に縦に裂けやすく(その分横の衝撃に強い)内部は空洞状になっていて比重も哺乳類に比べとても軽いのです。

この構造は、走る為に特化したレーシングカーと一般的に公道を走る普通乗用車の違いに似ています。

レーシングカーはスピードを追求するために、極端な軽量化を余儀なくされています。例えば代表的な例としては、普通乗用車の基本構造は鉄製ですが、レーシングカーはカーボンや樹脂を多く使っています。
走る為だけに特化したレーシングカーは乗車人数が基本的に1人で設計されていますが、一般的な普通乗用車は5~8人乗車する事が出来ます。
普通車は現在非常に燃費の良い構造になっていますが、レーシングカーは非常に燃費が悪いのが常です。


同様に鳥類も、飛ぶ為に様々な部分を犠牲にしています。
その最たるものが、骨格構造や内部構造(体内に食物を長時間留めない消化経路)です。
鳥類の体内は、その半分近くが肺であり、吸気時も排気時も酸素を吸収する事の出来る高度な構造様式をとっています。何故このような構造になっているかと言いますと、一つには飛翔することによる気圧による酸素濃度の低下、風圧による呼吸困難にも長時間耐えられる工夫なのです。
肺の中に空気が入っていれば、その分風船のように体全体で見た時の容積の比重が軽くなります。
軽くなればその分翼にかかる負担が少なくなります。


ちなみに我々哺乳類は吸気時にしか酸素を吸収する事ができません。また肺の酸素吸収能力も実はあまり高くありません。
例えば物語等に出てくる天使等の翼は、せいぜいが手を伸ばした2倍程度の描写が多いですが、実際鳥の様に現実の人間の体重で考えるなら手を伸ばした最低でも6倍程度の翼が必要になるでしょうし、その翼をもってしても人間の肺活動能力で考えると10メートル垂直に飛翔しただけで呼吸困難の為に窒息死する危険があります。


つまり、命を維持するギリギリで、鳥は生命活動を行っています。


体重増減の維持基準は個体差による所が大きく、温度変化の少ない環境で飼育されていても1年間で体重の増減が大きい子も少なくありません。


安易に「太り過ぎている」「痩せすぎている」と考えて体重をコントロールしようとする事は生命活動を停止させる危険があります。


人間は断食によって体重をコントロールする方法もありますが、断食によって最初に落ちるのは筋量です。
鳥類で筋肉が落ちてしまえば飛ぶ事がままなりません。

小型の鳥類の場合は少し筋肉が付くだけで数グラム変わるのは普通です。
良く運動させたらそれまでの平均体重よりも大きく増加したとしてもおかしい事ではありません。

もし自分の飼っている動物が太ってきたと感じるならば、食事内容を考えるのと同時に運動量も改善する事が建設的と言えるでしょう。
一般的に鳥を飼う場合、飼育籠の床部分には皆さんどのような素材を想像するでしょうか。


基本的に現在鳥を飼う場合、床面は下に敷き紙と言って、新聞紙等の紙やトイレシーツを敷き、その上に糞切り網と呼ばれる網を置いて飼育しているのが一般的です。

比較的多くのペットショップでも同様に飼育していますし、鳥を飼う…と言うと、大体鳥籠の下には引き出しが付いていて、糞切り網を引き抜かずとも下の紙だけを取り換える事が出来ます。

この飼育方法のメリットは、例えば新聞を毎日定期的に取っている方の場合、ランニングコストを考えずともいいと言う事、そして掃除がし易く、毎日の交換でもあまり苦にならないと言う事があります。

しかし逆にデメリットとしては、臭いです。
新聞紙に糞が落ち、水分を新聞が吸うと独特のにおいが出ます。
鳥が好きですと慣れてしまいあまり気にならないのですが、家族の中にあまり鳥が得意ではない人がいる場合、また例えば体調の変化によって酷く苦痛になったりします。
多く、「鳥臭い」という言い方で嫌われる臭いの原因がこの新聞紙の臭いだったりします。
それで、この臭いを抑えるために次に勧められるのが、安い犬用のペットシーツです。
使う人によっては大判を切ったりして節約して賢く使われていたりします。ただしペットシーツは構造上、薄い不織布の下に数枚のうすい吸収性の良い紙、そしてその間に細かい粒状のシリカゲル(水分を吸収してゼリー状に固まる素材)が入っていたりして、ハサミで不用意に切るとざっと零れ落ちて結構大変な目に遭います。
切る場合は(メーカーでは推奨していない方法です)シリカゲルがこぼれおちないようにご注意ください。

確かにペットシーツを使うと、かなりにおいを抑えられます。



さて、しかし私はあえて、アキクサインコにはこの手の飼育はあまりお勧めできない事をここに書き記しておきます。
上記した紙での飼育を真っ向から否定するわけではありません。


私が一番問題視しているのは、糞切り網の存在です。
では糞切り網とは一体どんな役目を持って使われているかご存知でしょうか?

新聞紙でも、ペットシーツでも、糞をした後にすぐに鳥が上を歩くと、足の裏に糞が付きます。
足の裏に糞が付いたまま動き回ると籠や止まり木が汚れるから不衛生であると言う事以上に、指と爪の間の部分、また関節部分などに糞が巻きつくようにくっついてしまうと、非常に危険です。糞は短時間で乾燥し、巻きついている部分を絞め上げてしまいます。
ほんの小さなカス程度に見えても、わずか1日程度で指先が壊死してしまい、そのまま指の欠落に至るケースが少なくありません。
劣悪な環境ですと、足指全体に糞が付いてしまい、あたかも水鳥の水かきのような様相を呈して足全体を覆ってしまい、全指先の欠損事故に至る場合もあります。
そうなる前に自分で取ればいいのに…と思われるでしょうが、鳥自身が自分の指にまとわりついてしまった糞を取るのは非常に難しいようです。これは想像ですが、鳥のくちばしは羽を常に清潔に保つためにその形状を特化している為、足指にこびりついた異物を排除するようには出来ていないのでしょう。(つまり単純に触りたくないと言う事)

とは言う物の、鳥は以前にも書きましたが、20分に1回程度糞をします。
これは鳥の、生物としての生理です。どうしようもありません。
そして、飼い主も人としての生活がある以上、糞をするたびにその糞を処理することは不可能です。


そこで考えられたのが糞切り網です。
糞切り網の文化は古く、我々のずっとずっと先の御先祖様が生きていた頃には既に鳥籠には糞切り網の機能が付いていたようです。
鉄類をここまで自由に加工できなかった昔では、主に鳥籠も竹でしたが、糞切り網も竹で作られていました。木製の鳥籠が一般化しなかった理由は、木が鳥の糞に弱かったためと考えられます。


概ねの鳥は、通常生活の主を止まり木で過ごします。
基本的に下に降りない鳥が多いですから糞切り網があっても別段問題が無い訳です。

ですから、これはアキクサインコについて特筆して書く事であります。
アキクサインコは他の鳥と違い、野生ではよく歩きます。


手乗りで飼っていてアキクサインコをを部屋に放しますと飛ぶのも上手ですが、床面を走り回る姿が見られると思います。
走り回るだけでなく床面でダンスをしたり、歩きながら何かをついばんだりと、見ていると鶏のようなしぐさをする事もあり非常にほほえましい姿を見せてくれたりします。
これがアキクサインコの本性です。
飼育籠でも、少し床面積のある籠に入れますと、床面を楽しそうに歩く姿が目に出来るはずです。


しかし糞切り網が使われていた場合はどうでしょう。
アキクサインコの足は不安定な網の上を歩く様な形状ではない為、非常に不便を強いられます。
また、鳥の足は止まり木に止まり易いように鉤爪状の爪をもって居る為、意図せずに爪が網と網の間に入り込み、その瞬間驚いて跳んだりしますと指の脱臼、もしくは骨折、場合によってはそのまま指の欠落の危険性があります。

もしお飼いになっている鳥がアキクサインコではなくとも、性格的に床面を歩く事が好きだった場合(ごくたまにそう言う子もいます)糞切り網を使用する事を私はお勧めしません。

当方には指のない鳥もおります。
そう言う子も上手に止まり木に止まり、日常生活に全く不自由なく生活しています。

しかし、それでも鳥にとって足の指はとても大切な器官です。
失うリスクのある飼育方法は、出来れば避けて欲しいと願います。



では、糞切り網を無くして敷き紙だけで飼育すればいいのでしょうか?
これは、先にも書きました通り、糞を踏むことによる指の欠損のリスクがあります。


ではどうすればいいでしょう?



私がアキクサインコの飼育で床に使う素材として一番お勧めしたいのは、焼き砂を使う飼育方法です。


焼き砂を使って鳥を飼う方法は、糞切り網を使う方法と同じくらい昔から普通に行われてきていました。

焼き砂を使って鳥を飼育する設備の多くは、庭箱や禽舎など、大型施設で毎日敷き紙を換える事が現実的に難しい場合の飼育方法に多く使われています。


使用する砂は、川砂を使います。
同じ砂でも海砂は絶対に使わないでください。
海砂は塩分が多分に含まれていたり、PHが高く鳥が口にするには少々影響があります。貝殻などの小さな破片が入っている事が多いのでカルシウム補給にはもってこいなのですが、塩分の関係で避けたほうが良いでしょう。
川砂は安価なもので問題ありません。
例えばホームセンターなどで、10kgで300円程度で購入できます。
焼き砂という商品名で既に焼いてある物も販売されているのですが、大体それらは一般的な川砂の倍以上する物が多いのでコストの面からも、処理されている内容の面からもお勧めはできません。

さて購入しましたら焼く工程の前にまず、川砂をバケツに入れて水で洗います。
洗うと言っても、完全に綺麗に…という訳ではありません。
例えば流木のカスや藁や落ち葉などが入っている事が多いので、これらを取る目的でざっと何度か砂を半分くらい入れたバケツに水を張り、かき混ぜます。上にゴミが浮いてきますので、水ごと捨てて、大きなゴミが無くなれば終了です。水は黒く濁っていても問題ありません。
余談ですが採集場所によっては非常に綺麗な砂を得る事が出来るので、良いお店を見つけておくのは結構重要かもしれません。


洗った川砂は、広げて干して水分を無くしておきます。
この処理は数日間天気の続く日にまとめてされるのがお勧めです。3日ほどしてざっと乾燥したらまとめて保管場所に入れておきます。例えば大きなストッカーがあると便利ですね。

後はこの洗った砂を、100円均一で売っている鉄製のフライパンで使う前に炒って焼き砂にします。
全部一度に処理する人もいるのですが、さすがに大きな中華鍋が必要ですし冷やすのも大変ですので、私は使うごとに焼いていますがここはお好みで。

砂を焼く為の鍋で絶対に使ってはいけないのは、ホーローや○○コーティング等の焦げ付き防止処理をされている鍋です。
こう言った鍋で砂を焼きますと、コーティング部分を痛め、もしくは溶けだして砂に入り込み鳥に非常に危険です。
またアルミも、アルミ中毒の危険性がある為お勧めできません。

その点鉄製のフライパンは丈夫ですし、安価ですので気安く使い捨て出来ます。

砂を焼く目安は、大体砂自体が90度を超える程度まで加熱する事。とは言ってもここまで高い温度を計測できる温度計を持っている人は稀でしょうから、目安としては煙が出る感じでしょうか(もうもう出てくるようでは危険です。加減して下さい)


砂を焼く目的は、まず病害虫の防除。
野山の砂は危険も多いです。これらの危険は、砂を焼く事である程度クリアできます。
また、砂の中に含まれる水分をしっかり飛ばす目的もあります。
水分をしっかり飛ばしておけば、床材として使っていても長く清潔を保ってくれます。

焼いた砂は、使う前に必ず完全に冷ましておきます。
絶対熱いままで使ってはいけません。大変な事になります。

鉄製のフライパンは熱伝導率が良いので、大体2時間も置いておけばほぼ常温と同じくらいになりますが、内部がまだ熱を持っている場合もありますのでよく確認されて使う事をお勧めします。



砂で飼育する場合の使用の目安は、大体床面全体に3ミリ以上敷きつめる感覚です。
一般的な45センチ角以下の鳥籠でしたら、米などを量る200g用の計量カップ山盛り1杯程度です。
交換の目安は毎日ではなく、汚れがめだつ、臭いを感じるようになったらです。
ただし水浴びを鳥籠内でさせている場合は砂がすぐに濡れてしまう為頻繁な交換が必要です。
出来れば砂で飼育する場合は、水浴びは別の場所で、もしくは砂が濡れない様な工夫が必要になります。


一般的には敷き砂の交換は1週間程度となります。(飼育方法や羽数、環境によって大きく差が出る)
目で見て、糞がコロコロと転がっていれば糞だけをすくい取ってもいいですし、その場合は網杓子を使うと非常に簡単に糞を選別する事が出来ます(この場合は厚めに敷く事が重要)この方法で飼育すると少なくなったら継ぎ足せば一生敷き砂の全交換は必要ないと仰る方もいますが、まぁ理想としては最低でも月に1回程度の交換はされてもいいのではないかと思います。


交換した砂は、お住まいの自治体の処理方法によって処理する事になりますが、例えば庭やプランターなどで植物を育てている場合は、上手に発酵させて肥料にする事が出来ます。
例えばコンポスト(発酵型生ごみ処理機)をお持ちでしたら、生ゴミと生ごみの間にこの砂を混ぜることで良い肥料になります。


鳥の糞は犬猫と違い、とても小さいですので小数羽飼育でしたら庭に撒いてもさほど問題はないでしょうが、多数羽であれば小さい庭ですと問題になるでしょうか…

かく言う私もその口なのですが(汗)
実は私は、かなり昔から砂ではなく、別の物を使っています。
砂の一種なのですが、吸水性と脱臭性に優れていて、以前動物業界に勤めていた時に某所で教えてもらってからは、そればかり愛用しています。
それを使うと、一般的に鳥のにおいと言われる臭いが全くしませんし、砂の交換も1週間以上に1回で問題ありません。
ただし、吸水性に優れている為、それを万が一好んで口に入れてしまうと危険がある為、お勧めはしていません。これは私の飼い方で、私の自己責任の元に使っているとお考えください。

ただし、鳥飼育を始めて30年以上、既にこの飼育方法で20年飼っていますが、今まで事故が起きた事は一度もありません。それが今も私が愛用している理由です。
製品自体非常に軽く、今はおから製の物も出来て口にしても鉱物系よりは安全であり、また飼いネコと兼用していますので当方としては非常に便利に利用しています。使用前に焼く処理をしなくとも良いと言うのも気に入っている理由ですが、以上の事から「それは何か?」と聞かれても直接的な回答はご容赦ください。(ほぼ回答しているようなものですが)




話は戻りますが最近ではアキクサインコの飼育について、糞切り網を使わない飼育方法をされている方が増えてきていて、私は非常に喜ばしく思っています。
本来アキクサインコは、歩きたい鳥です。

また、アキクサインコは止まり木に止まるよりも、野生下ではエアーズロックの様な岩に代表される様な奇岩類に止まる事が多かったかもしれません。私の主観ですが、少々爪の伸びの早い方の種類に感じるのも、そう言った本性から来ているのではないでしょうか。止まり木に止まるよりも床を歩く方が断然爪は減ります。鳥の健康の面からも良い刺激があると想像しています。



床面に関してはですからこれと断言できる黄金律は無く、それら全てに必ず様々なメリット、デメリットがあります。

例えば牧草系の床面にした場合、糞類の汚れが目立たず、臭いも牧草臭で隠してくれますので非常に衛生的に使用できる半面、糞が全く目立たず、気が付くととても汚れていて糞と牧草ががっちりと足指などに固まってしまってから気付く事もあります。
また、細かく切られている牧草はその断面が非常に鋭利になっており、アキクサインコの大きい目に傷を付ける可能性も低くはありません。
また、牧草系、木屑系(チップ)に総合して言えるのは、それらが巣材と認識されてしまい、繁殖行動に移ってしまう可能性がある事もあります。よく慣れている個体は良いのですが、荒ですと床で育雛する事は大変なストレスになってしまい母子ともに良い結果が得られにくい事もあります。
しかし逆に考えると、なかなか巣引きに至らないペアについては良い起爆剤になる事もあり、適度に使い分けると、結果的に良い結果をもたらす事もあるかもしれません。


以上、思いつくままに書きました。
100%良い床材は、私は存在しないと思っています。
衛生的に、デメリットを踏まえたうえで御自分の飼育に適った床材を探してみられてください。





昨日は主にペレットの根本的な話を書きました。
さて今日はいよいよ、アキクサインコにはどんな餌を食べさせればいいのか?と言う事を掘り下げて考えて行きたいと思います。



さて、鳥にとって最高の餌とは何でしょうか?
鳥を飼って長い方、ブリーダーであれば、既に自分で最高の飼料を見つけているでしょう。
しかし、たまにネットなどで○○の鳥にはこの配合(ペレットであれば会社名)が最高である!と言う記述を目にします。

その記述は、長年の自分自身の飼い方と環境、そして飼っている鳥とその飼い方、コスト、それらを総合して導き出された答えだと思います。


しかし…これは万人にとって最良たりえるでしょうか?
私は、否と思います。


何故なら最高の配合とは、その鳥が1日に必要とするカロリーと、生命を維持するために最低限必要な栄養成分を含んでいなければならないからです。
いや、もちろん「最高」と記述のあるフードがそれらの条件を満たしていないと言う事はないでしょう。


ただし、こと鳥の場合、その人にとっては最高であっても、他の人に最良となり得る条件は似て非なる物と言う事も珍しくありません。

例えばそれは、お勧めされているフードを食べさせているにも拘らず、必要以上に太る場合。また逆に痩せている場合。何となく元気が無いように見える場合。


何故このような事が起こるのでしょうか?
それはとても簡単な事です。
鳥は、飼い主と飼育環境によって、必要たるカロリーに大きな開きが出るのです。
具体的に言うならばこの様になります。
1:ケージの大小の差。ケージの大きさが違えば、ケージの中で動く運動量も必然的に変わってきます。

2:屋外飼育か屋内飼育か、また屋内であっても寒暖の差のある住宅の場合は必然的に温度が一定の場所よりも必要な栄養は増え、またカロリーも多く必要とします。

3:日の光のある場所か無い場所か。殆ど光の当たらない場所で飼育されている動物は、総じてビタミン類を多く必要とします。

4:手乗りか、手乗りではないか。手乗りの場合は外に出て運動する量が、1日中籠から出ない鳥に比べて多い為、その分多くのカロリーを必要とします。

5:単独飼育か、複数飼育か。単独飼育されている個体に比べて、複数飼育されている鳥の方が多く採食する傾向にある為(これについてはまた別に記述します)栄養についてよく吟味する必要があります。


この様に、ある人の飼育下では最高の飼料であっても、別の人にとっては太りすぎ、もしくは痩せすぎてしまう事があるでしょう。


ですから、誰かの受け売りで餌を決める事は、私は非常に危険であると言わざるをえません。
何故なら、全く同じ環境で飼育する事はほぼ不可能だからです。



では、どうしたら最良の餌に出会う事が出来るでしょう?
私はこれについては、昔からの指針をお勧めします。

・まず、鳥が美味しそうに食べる事が出来る事。
食事は生命が最も喜ぶ時間です。たとえ健康に良い餌だとしても、美味しくない物を食べさせる事を私はあまり好ましく思いません。
これはQOL(クオリティオブライフ)と言う言葉でおきかえる事が出来ますが、命が生まれてから死ぬまでに、どの様な質で生きる事が出来ただろうか?と考えてみてください。ただ単純に1秒でも長く生きられた方が幸せでしょうか?もちろんあっという間の短命であれば大変不幸なことです。しかし、我々もたまには健康に悪い事もします。たまには健康に良い為に色々我慢をしたりします。そう言ったもろもろの、生命の質をどのレベルで設定するかを鳥が選ぶことはできません。
そのペットの死に際して、惑う事が少ないように。迎え入れる時は、その子のQOLを考えてあげて下さい。


・太りすぎにも痩せすぎにもならない
まぁこれが一番難しい訳ですが…その餌を食べていて、太ってきたら脂肪分とカロリーを減らし、もしくは運動量を増やしてあげましょう。痩せてきたら現在のその鳥の採食量では必要な栄養やカロリーが補いきれないと言う事です。この場合は、運動量を減らすか(無理にではなく無理のない範囲で。籠を小さくする、もしくは玩具を入れて動き回らずとも遊べる工夫等)餌の内容を再検討する必要があるでしょう。
ただし、現在の日本の住宅事情を考えると、痩せすぎになる個体よりも往々にして太り気味になるケースの方が多いようです。



では、痩せすぎ、太り過ぎを判断するにはどうしたら良いでしょうか?
単純に体重だけで判断できるでしょうか?

当方にいるアキクサインコルビノーの平均体重は45gです。
しかしこれは平均体重です。

一番軽い子は35g。
一番重い子は52g。

単純に見ると、17gも開きがあります。
しかし、この体重だけを比較して、軽い子は痩せすぎなのだろう、重い子は太り過ぎなのだろう…と言う事は危険です。
何故なら、人間も身長140センチの人が60kgあれば太りすぎと言われますが、180センチ近い人が60kgあっても痩せぎみと言われるのと同じ理由です。

鳥の体重はある程度の目安にはなりますが、太りすぎ痩せすぎの目安にはなりにくいと言う事を知っておかれると良いでしょう。単純に体重が重いから太っていると考えて採食量を減らすのは鳥にとっては生命維持にかかわる危険な問題です。


私は、太りすぎ痩せすぎの目安は昔からの方法を参考にしています。
痩せすぎの場合は、初心者には解りにくいです。
私は握って見てその感じで判断していますが、前途しました様に単純に体重だけで判断できませんので、握って掴んだ感じで解る方以外は、単純に平均体重よりも減っていれば餌の質を少々高タンパクにして動きを見、少し動きが緩慢になってきたら戻す、等で調整する必要があります。
一番いいのはその鳥にとってのベスト体重を知ることですが、一概に平均と言えない以上、後は飼い主の感覚を研ぎ澄ませていく以外に簡単な解決方法は見当たりません。
もちろん、ブリーダーから直接譲ってもらった場合は、ブリーダーはその鳥を熟知していますから、大人になったら大体これくらいの目安になるでしょうと教えてくれるでしょう。問題はペットショップのように親の顔が解らない場合で、この場合は平均体重、アキクサインコルビノーなら45gを目安に、40gを切ったら痩せている方かもしれないと考えられるのが良いかも知れません。

しかしこれが太りすぎであれば触らずとも解ります。
鳥がもふっと落ちついている時、腹筋が割れるように胸の羽が左右に分かれて見えたら、その鳥は太りすぎです。
何故腹筋の様に分かれていたら太り過ぎなの?良い筋肉が付いているからではないの?と思われるでしょう。しかし、それは鳥を握って見るとよく解ります。鳥を握って腹筋の様に分かれる場所の毛を少しかき分けてみてください。
鳥はその部分に羽が生えていないのです。(ダウンではなくフェザーと言う意味での羽)
鳥は全ての部位に羽が生えている訳ではありません。生えている所と生えていない所があります。この胸の真ん中の部分も、羽が元々生えていない部分です。この生えていない部分は、よく脂肪の溜まる部分なのですが、ここに脂肪が溜まると、人間の腹部と同じように膨らんできますので、本来の毛で覆われるべき範囲をわずかに超えてしまい、気を抜いている時に腹筋が割れているように見えるのです。(ふっくらとしてプルプルする寸前にふわっと割れるのは正常です)
良い筋肉が付くのは肩から胸にかけてです。肩幅がぐっと張って、誰が見ても良い鳥だと言う事が解るはずです。

あまりにも太った鳥は、平常時でも常に腹筋が分かれてしまいます。こう言った鳥は、建設的な体重管理が必要であると言えます。

もし握る事が出来ましたら、握って羽毛に隠された皮膚を見て見られると良いでしょう。
健康的な鳥は肌がピンク色をしています。
肥満気味の鳥は黄色から白っぽいクリーム色をしており(鳥の羽毛や遺伝の関係で個体差はあります。一般論です)、部分部分で、人間の言う所のセルライトのように少し膨らんでいたりします。
こう言った肥満気味の鳥は、比較的過発情になり易い傾向にあります。
またあまり飛びたがらず、遊びたがらなかったりもします。
運動しないから太るという逆説的意見も正解です。しかし、太ると動きたくなくなる…と言う負のスパイラルも看過できない問題です。



余談ではありますが、病院の指示で「太り過ぎだから痩せるように」と言われ、1日の餌の量を管理する(規定量以上食べさせない)と言う話をちらほら耳にするようになりましたが、これは全く鳥の生理を無視した暴挙と言わざるをえません。
給餌量を制限することによる体重管理は、犬猫や人間のような種類の、いわば哺乳類については当てはまる(医師の管理の元)一つの解決策ではありますが、鳥は哺乳類とは全く違う種族の生き物です。この様な体重管理方法は危険であると言わざるをえません。
単純に給餌量を減らす事によって減少する体重は、そもそも人間であっても落としたい脂肪ではなく筋量や腸内の消化物です。この様な管理を行う事は、採食から消化まで1時間を要しない鳥の場合、腸閉塞等をはじめとする内臓諸器官に損傷を与える危険性があります。

具体的にどういう事かと言いますと、我々高等生物(これは生物分類上の話であり、優秀か否かを問う話ではありません。つまり、心臓があり、内臓諸器官がある生物の総称として使わせてもらいます)の内臓諸器官の消化器系(胃から腸に行き、肛門を通って排泄される経路の部分の事)は、常に動いていなければいけない事を要求されています。
常に動いている状況と言うのはどういう事か?
我々は食べ物を食べると緩やかに消化器官を通過させるために、消化酵素を出しながら諸器関は顫動運動(ゆっくりと痙攣するように収縮と弛緩を繰り返す運動)をはじめます。これが消化器官が動いている状態です。我々人間はそうやって、胎児の頃からいつか死に至る時まで、基本的には常に消化器官を動かせ続けています。
仮に我々の消化器官が一時的にその動きを止めた場合、極端な話をしますと5分から10分程度で腸が壊死を始めてしまいます。
つまり水でも良いから、消化器官は常に動いている事を要求されているのです。
余談ですが競走馬は、精神的な要因で疝痛(せんつう:腸が活動を止めてしまう事)になる個体がおりますが、ほっておきますと短時間で死に至ります。プリンペラン等を使って強制的に胃腸を動かしてやる必要がありますが、ごく稀に人間でも同様に精神的なストレスで胃腸が動かなくなる(正確には活動が非常に緩やかになる)持病を抱えた人もおります。かく言う私の親類に一人居る訳ですが、発作が起きると見ていてとても痛ましい状況です。


さて話はもどり、しかし我々人間には、絶食と言う文化が古い昔から存在します。
キリスト教では断食、またイスラム教ではラマダンと言い、比較的多くの宗教で紀元前から行われていると言います。
これらは単純に信仰の為の苦行と言うだけではなく、ある程度の断食は逆に健康に良い(長寿効果があると言う文献もあります)と言われています。

しかし上記の、腸が動かなくなったら壊死してしまうと言う考え方から行くと、断食は非常にリスクの高い行為の様に思われます。
ここで、我々人間(哺乳類)の消化サイクルが重要になってきます。

我々人間は、口から入れた食べ物を排泄するまでに1日半以上を要します。
つまり、今食べれば、乱暴な事を言えばそれから1日半は何も食べなくとも腸が止まる事は無いとも言えます。
ちなみに宗教上の30日間の断食等と言う恐ろしく長い断食期間の実際の状況は、全く何一つ口にせずに30日間過ごすと言う荒行ではなく、本来は例えば朝食を30日間抜く…であったり、夕食を抜く…であったり、アルコールを抜く…であったり、そうですね、もうすぐハロウィーンがありますが、その後にカーニバルがあって肉を大量に食べた後はその後クリスマスまで肉を食べない…と言う断食もあります。

ごく例外的に、古き昔の日本でも即身仏と言って、少しずつ健康的に食べ物を絶って行き、最終的に完全に何も食べない状況で死に至る最も過酷な修行がありますが、これは私は断食とは区別して考えています。何故ならその行の行きつく先が必ず死だからです。


さて、余談はさておき、鳥に翻って考えてみましょう。
先にも書きましたが、鳥は通常採食から20分程度で排泄されると以前にも書きました。
懸命な方なら既に合点が行っている事でしょう。
そうです、我々人間や犬猫に出来て、鳥にできない事、それは断食なのです。
私の視点から見て、鳥の断食はとても恐ろしい事です。
もし体重管理しなければいけない愛鳥がいたとします。その飼い主が断食で体重管理を実施しようとしているのを見たら、私は、「他の方法を探した方が良い」とお勧めします。
何故なら、重要な内臓諸器官に損傷を与えるリスクがあるからです。
それはたとえ胃腸ではなかったとしても、腎臓や肝臓、インスリンを排出する膵臓等にダメージを与える可能性を多分に孕んでいます。



さて、しかし断食状態は本当に鳥にとって即死につながるのでしょうか?
あれ?こう書くと今まで力説してきた内容と、矛盾します。
はい、ここにまずアキクサインコの不思議が隠されています。

アキクサインコは、鳥種紹介でも書きましたが他の鳥に比べて少々個性的な生活スタイルをしている鳥です。
具体的には、アキクサインコは朝闇と夕闇の中活動し、それ以外を静かに物陰で過ごします。
つまり、常に採食しなければいけない鳥と言う種類でありながら、野生では1日2回程度の採食で生命を維持しているのです。これはアキクサインコが生きるために選んだ土地に大きな原因があるのですが、この為アキクサインコは他の鳥種に比べて比較的断食に強い種類と言えます。
何故断食に強いのか?については、私はアキクサインコを解剖などの観点から知っていないので憶測にすぎませんが、想像するならば、そのうや腸の構造自体に秘密が隠されていそうです。
とても面白い分野ではあるのですが、残念ながら私には、これ以上の探求を現実的に実現する可能性がありません。


また、一般的に見ても鳥は深夜にも採食している訳ではありません。眠りにつく前にそのうに蓄えていて、それを少しずつ消化管に流しながら生命活動を続けていると想像します。
また、巣引き中の雌は雄からの吐き戻しを食べて飢えをしのぎます。ですから♂よりも♀の方が、比較的断食に強いとは言えるでしょう。また、同様の理由から、♂よりも♀の方が太り易いとも言えるのです。




確かに比較的耐えうる種類、性別の差はあるでしょう。
しかし、だからと言って、あえて危険な方法をとる必要性を私は感じません。
人間と、否、哺乳類と鳥は全く違う生き物なのです。



では、どうやって健康的に鳥の体重を減らして行く事が出来るでしょうか?
最も建設的な体重減少方法は、運動量を増加させることです。
一番安易な方法は、飼育ケージを大きくする事でしょう。これは室内に放さないで完全に籠で飼育している場合にも簡単に実施することが可能です。
もし手乗りで、毎日定期的に放している場合には、飛びまわれる時間を増やして上げると良いでしょう。

鳥が羽を使って羽ばたくと言うのは、大変な全身運動です。
良い筋肉が付き、脂肪を上手に燃焼してくれるでしょう。人間も、不健康な摂食管理よりも全身運動による体重管理が良しとされる時代です。是非ともペットにも応用して行きたいものです。

もし、折角放鳥しても殆ど飛ばないのだ、籠を大きくしても運動量が変わらないのだ…と言うケースの場合は、餌と水の場所、そして寝る時にお気に入りの止まり木の場所を対角線上に離し(つまり寝る止まり木、えさ場、水飲み場でちょうど三角形を形成する配置です)、常に動きまわらなければ生活できない環境にしてあげると良いでしょう。
よく動きたがる性格の子でしたら、玩具も良いエクササイズになります。
動きたがらない子の場合は、玩具は逆に運動の妨げになります。
その場合は、止まり木も減らし、飛び易い環境、動く時に常に翼を使わなければいけない様な環境にしてあげると理想的です。



次に考えなければいけないのは、餌の質です。
脂肪分の濃い餌から、薄い餌に換えてみると良いでしょう。

もし単一のペレットしか食べていなくて、他を食べない場合は少々悩みどころです。
野菜(青菜・ハコベ等)を食べられる習慣にしておくとせめても野菜を増やすことで自然にペレットの採食量が減る可能性があります。

ペレットが変更できないようでしたら、広い籠にして運動量を増やしてあげるほかには簡単な解決方法を見つけられません。


シードの場合は、高カロリーな配合から低カロリーな配合に変えてあげると良いでしょう。



では、どんな(どこの)シードが良いのだ?と聞かれる事があります。

正直…私はシードであればあまり差が無いと思っています。
いえ、もちろん見た目で古いな、劣化しているなと思う物は論外です。

種子は、天然の長期保存手段です。
しかし万能ではありません。時間と共に発芽率が悪くなりますが、発芽率と比例して栄養価も落ちます。
出来るだけ新しい物を与えてあげると良いでしょう。


配合については、上記したように、生活習慣や運動量等で変わってきますが、一般的に市販されているアワ、ヒエ、キビ、カナリアシード、アワ、赤アワ、赤キビ、等の入っている皮付きの混合飼料で問題が無いと思います。
中にはアワとヒエだけの混合飼料もあるのですが、シード食の場合は出来るだけ色々な種類の種子がはいっていた方が理想的です。

またアキクサインコは麦も好みます。
ソバの実も好きなのですが、嘴の力があまりないからか、割って食べられる子と全く歯が立たず飛ばしてしまう子と差があります。飼い主が向いてやると目の色を変えて食べる子が多いので、嫌いではないけれど食べづらいと言う事でしょうか。
ひまわりの種は確実に割れない子の方が多いです。
飼い主が割ってやって食べさせても良いのですが、高カロリーですから別段取り立てて与えなくともいいのではないかと思っています。
かぼちゃの種は、100%割れないと思って間違いないです。当方で飼育しているアキクサインコでこれを割って食べた子はいませんでした。広い世の中割って食べられる子も中に入るでしょうが、一般論として食べられないと思います。飼い主が割ってあげれば食べられるでしょうが、ひまわりの種同様にそれほど必要性がある飼料ではないでしょう。

キヌアやアマランサスは、他の鳥種同様あまり好きではないようです。口に入れても出してくる子もいます。しかし栄養は良いですから、与える場合は悪くないと思います。
キヌアもアマランサスも、人間の雑穀ブームのおかげでスーパーでお手軽に入手できるようになり非常にありがたく思っています。しかしこれらの雑穀は当然のことながら皮むきですから、開封したら殆ど保存しておけないと考えて下さい。人間の雑穀を食べる時におすそ分け…という認識が一番かなっているかもしれません。ただしこの場合は、栄養などが添加されていない物を選んでください。人間が米に入れて炊いて食べることを想定された栄養価は、体のとても小さな鳥にとって非常に危険な可能性が高いのです。


さて、と言う事で、当方では一般的に撒き餌と言う安価なシードと、一般的なお店で売っている飼料の中で一番様々なシードの入っている種類の餌、それとペレットフード2種類の合計4種類を毎日朝に全交換して与えています。
他にカルシウムを補うために、当方では卵の殻を与えています。カキガラはアキクサインコには少々固い印象がある為、卵の殻の方が好んで食べている様子が見えます。

最高!と断言はできませんが、当方の環境では太りすぎにも痩せすぎにもならないので良しとしています。

青菜は常に。
ただしハコベの食べられる季節は常に庭で栽培していて与えられるようにしています。
ハコベは比較的丈夫な植物ですので、ベランダのちょっとしたスペースでも栽培することが可能です。この種の部分がまたアキクサインコの大好物で、当方ではその時期になると1日2回以上ハコベを与えています。

余談ですが、他にも雑草が種を付けた物を与えてみたのですが、他の雑草はあまりお気に召さないようでした。仕方が無いので(鳥の餌と言う名目が使えないので)ちゃんと草刈りをしなければ…


さて長々と書きましたが、以上で鳥の餌の話はひとまず終わります。
鳥を飼う上で一番迷い、また奥が深いのも、餌であると私は思っています。
少々大袈裟に言うならば、ペット飼育は餌に始まり餌に終わる…過言でしょうか(苦笑)
今回は、鳥の餌について、まずは表面上の部分から考えてみたいと思います。



餌は直接命に関わり、特にアキクサインコだけでなく、ほぼ全ての穀物食鳥類はその体の構造上、1日中、餌を食べ続ける事が必要です。
何故かと言いますと穀物食の鳥の場合、口から入った餌が胃から腸を通過して排泄されるまで、20分程度と言われています。胃から腸までの動きを止めないために、必要の為に常に採食する事が要求されているのです。

ですから我々人間のように、消化にほぼ1日半を要する内部構造とは全く違う生き物なのだと言う事を理解せねばなりません。

つまり鳥が食べる餌として最も求められている事は、消化吸収がよく、吸収しにくい栄養(ミネラル類や一部の油性ビタミン類)についても吸収し易い形状である事と言えます。

さて、その理想的な餌と言うと何が挙げられるでしょうか?
真っ先に聞こえて来そうなのは、ペレットでしょう。
「総合栄養食」、「消化吸収に優れ」、「○○ビタミン○%含有」…等など。
ペレットには、我々愛鳥家が常々頭を悩ませている問題を一気に解決しうる内容が充実しています。
これぞ万策の集大成!と言う訳です。

実際、欧米の愛鳥家、ブリーダーのかなり大多数がペレットを主に飼養しているようです。
一部の過激な愛鳥家曰く、「前時代的シードをメインとした飼鳥方法は愛鳥虐待である!」とまで断じています。
これに倣って、日本でも鳥を飼う場合はペレットを強く推す愛鳥家や病院が増えてきました。


さて、それで表題、「シードVSペレット戦争」とタイトルを付けた訳です。

え?完全栄養食ならば何の問題も無いではないか?と思われると思います。

然り。
その通りです。
その通り…なのですが…。

ヤフー知恵袋等の餌の質問への回答などを見ますと、やはりどうしてもシードか?ペレットか?と言う話の上では、その議論は過熱いたします。
双方ある程度の所で折り合いが付くだろうか?と見守っていましても、まぁまぁ平行線な事が多く…両者一歩も譲らず、と言った結末を多く目にします。



先に私の考えを書いておきます。
当方は、種子類を主に飼育しています。
シードが最良か?ペレットが最良か?の議論につきましては、「逃げた!」と言われそうですが、私はどちらでもいいと思っています。ただし、全飼鳥類についてであればこう言う回答になりますが、アキクサインコと言う括りで申し上げますと、少々シードに分があると思っています。

何故アキクサインコの場合、シードに分があるかと申しますと、元々の野生でのアキクサインコの食性が、地面に落ちた種子類を歩きながら拾って食べる点、また野生のアキクサインコが雛に与えている餌の内容も種子類である事を考えますと、アキクサインコの本来の食性に非常に適っていると想像しているからです。
こう書きますと、殆どの鳥類は野生でも種子食ではないのか?と言うお話を頂戴いたします。

一般的にその鳥類について最適な餌を考える場合、例えば販売譲渡されている場所で、種子を餌として飼育している鳥類、オウムインコ類、フィンチ類についても、餌を選ぶ場合は、その鳥種の本性を考える必要があると思っています。

例えば身近なスズメ。
よく庭でコメ粒や野菜、果物等をつついている姿を目にする機会は多いでしょう。
これを以て種子食なのだと勘違いされる方が多いのですが、スズメは確かに種子類も食しますが、本来は昆虫食なのです。特に育雛期は雛には虫以外の物を与えません。

同様に、現在シードで飼育されている多くの鳥類の中には、その本性に於いては昆虫食であったり、花や果物を主食としている鳥類も多く存在します。
例えばマメルリハと言う愛らしい小型のインコは少々動物食傾向が強く、現在日本国内ではよく飼い慣らされてシードメインで育てることも可能ではあるのですが、動物性蛋白質が不足する事によって少々凶暴性が増したり、育雛期には親鳥が雛を食害する等の話もあります。
またサザナミインコも野生下では花や果実を好んで食べている性質がある様で、シードで飼育していますと、シードをうまく消化しきれず軟便や未消化便などの問題があるようです。

これらの鳥種について、シード食で飼育するのは残念ながら少々難しいと想像します。
この場合、ペレットの方がやや分があるのではないでしょうか。


さて、話は戻ります。
そんなペレットを使ってみたいと思っていても、なかなか手を出しにくいと言う方が一番の理由に挙げるのが、まず食べるか否かという心配です。
鳥を数種類、既に飼育していて定番のペレットを持っていて、それで新たに飼育する鳥に試しに与えてみる…と言うのなら、迷わないでしょう。

問題は、1~2羽しか飼育しておらず、更に初めて食べるかどうか試してみようと思われる時です。
この場合、通常500g以上入っている(場合によっては1kg)ペレットを購入して与えてみようと思うには、なかなか勇気がいります。
ネットショップの中にはペレットをお試し分と言う形で100g単位で小分けにして販売してくれたりします。

ZuPreemお試し(楽天市場CAP店)
着色http://item.rakuten.co.jp/cap/10000589/
無着色http://item.rakuten.co.jp/cap/10000582/

とは言え、ここに断言しておきます。
当方の知る限り、ペレットを始めて与えて、それを大喜びで食べた鳥は今までほぼ皆無でした。
好奇心の高い種類の子で、入れたとたんに口を付けた子は居ましたが、主食とするには少々嗜好性に欠ける様で、たいていの鳥は不満を訴えます。

もしペレット食を今後検討されていらっしゃる方がいらっしゃるのでしたら、喜んで食べるのだとは思わない方が賢明です。
また、切り替えようとするのでしたら、1カ月、2カ月単位で長い目で見、焦らず少しずつ切り替えて行きましょう。


ペレットで飼育する場合は、減った分を足すのではなく毎日新しいものと交換する事が重要です。
何故なら、たとえ密閉容器で保存していたとしても、密閉容器から出した瞬間から劣化するからです。
そして更に、密閉していたとしてもペレットは開封してから半月(最長でも1カ月)以上経過すると劣化し、その品質を著しく落とします。
半月?!と驚かれると思います。
これは何も鳥に限った事ではありません。
犬猫の餌についても、ドライフードと分類されるすべての人工飼料は、開封後半月程度で食べきる量を目安に購入することが望ましいとされています。
この状況から、現在犬猫も小分け、分包タイプ、1食使いきり目安の包装形態がだいぶ目立つようになりました。包装コストはかかりますが、飼育動物にとって美味しいもの、品質を損なわずに使いきれると言う点においては大変助かるサービスです。


ではそもそも何故、開封後1カ月未満で使いきるのが望ましいのでしょうか?
それは、ペレットの製造方法に理由があります。
一般的なペレットの製造方法は、まず原料を粉砕し、粉末にして乾燥させ、練り上げて製品の形状(ペレット1粒1粒)にし、再度乾燥させます。
よく乾燥させた後に、上から油脂分をかけてから小分けに包装されて出荷されます。
この油脂分を上から掛ける目的は大きく分けて3つ。
「香り付けをして嗜好性を上げる」「油性ビタミンや壊れやすいビタミンなどを油に混ぜて安定させて添加する」「保存期間を上げる(保存料が添加されている場合は植物性保存料なども含有)」

この油脂分が、密閉状態であっても酸化し、劣化する為、1カ月未満で使いきるのが望ましい訳です。


これでも近年のペレットは画期的に良くなりました。
以前などは、個別の包装を行わずに大きなコンテナの中にペレットフードがめいっぱい積み込まれ、上から防腐殺虫剤をシャワー状に吹きかけられて、船で延々2~3週間かけて海を渡って日本に入ってきていたのです。当時は陸上げされてから日本国内で製包されていました。
ちなみに国内で製包されているか国外で製包されているかの一つの目安として、バーコード(ジャンコード)の最初に印字されている数字が49で始まっている物は日本国内で製包されている物が多いです。(一部例外がある為、49で始まっていても全て国内で製包されているとは限りません)
ですから、以前まだ船便でコンテナ輸送されていた頃(20年ほど前)は、製包された餌を購入し、開封して与えようとしますと、既に腐敗していたり、防腐剤部分が多くかかってしまったのか、色が悪かったりと、製品自体にムラがあったりしたものです。

何故以前は個別包装しなかったのかと言いますと、船で赤道付近を通過する際に、密閉した包装ですと気圧の関係で破裂する危険があったためです。現在の包装技術では、これを酸素ではなく窒素充填する事(他にも様々な理由がありますが一番大きかった原因として挙げました)などによって問題を解決したと聞いています。



この窒素充填については製品の破損以外にも酸化防止(腐敗防止)の効果があります。

油は、長期間空気にさらしますと酸化します。
酸化…と言うのがどういう状況かと言いますと、つまり空気中の酸素と油が結びついてしまい、油の性質自体が劣化する…と、ここら辺は正直専門ではないのでざっくりとしか当方理解しておりません(汗)
酸化しますと油は変質し、またビタミンの中でも壊れやすい水性ビタミン(ビタミンCやBなど)は壊れ始め、また油性ビタミン類も変質します。
そう言えば油も酸化すると不飽和脂肪酸がωなんとかとかなんたら…と、良くない事が多いのです。(うろ覚えで申し訳ありません)
さてこの酸化も、酸素が無ければ酸化しにくい訳です。
そこで目を付けたのが、我々が呼吸している空気中の6割を占める窒素(確かその程度の割合だったと記憶しています)です。元々地球上にある成分で利用し易く、更に油と結び付きにくい性質を持っている為、酸素の代わりに窒素を充填することで防腐剤などの助けを得ずとも長期保存が可能になりました。

と、言う事で、一般的なビニール製で製包されている製品の多くは現在では、内部に酸素の代わりに窒素を充填されているために製品が酸化しにくく、その為未開封の場合は1年程度の長期保存が可能です。


しかしブリーダータイプ等で紙製の包装の場合は、内部がビニールパッケージであってもビニール製密閉包装よりも若干劣化し易い事を御留意されたほうが良いでしょう。

大体1羽で飼育している場合のペレットの月消費量は、アキクサインコサイズですと300g~400g前後です。1日10g(大さじ1杯程度)を全交換で与えていましても、単純計算で月300gですから、1キロサイズの物ですとだいぶあまる計算です。
その点に留意し、御家庭の飼育実態にあったサイズの量のペレットを購入される事をお勧めします。


また、愛鳥家の中にはペレットを数種類混ぜて使っている方がいらっしゃいますが、これは製品上お勧めできません。
混ぜて与えるメリットは、色々な種類のペレットを平均して食べてくれる事によって、万が一輸入が止まった時でも痛手が少ないと言う話がよく聞かれます。
しかし、製品と言う物は製造者責任法と言う法律でその義務を明記されています。動物の飼料ですと拘束力は非常に弱いのですが、それでも自分で混ぜて使う場合は担保されない可能性がとても高いです。
具体的に言いますと、例えば製品にはそれぞれ、栄養価や含有量、使用材料等があります。
この製品を与えていた場合、これくらいのカロリーがあります等と指標されている物も、混合して与える事によって、確かにリスクは分散する事が出来ますが、同時にメリットも分散してしまいます。
20年ほど前になりますが、某ペレットフードに不適切な成分が入っている問題が明るみになった事があります。この件でメーカー側はユーザーに賠償の必要を迫られたのですが、当時の話ではありますがこの製品を別の餌と混ぜて使っていたユーザーに対しての保証については少々置き去りにされ、やがて保障についても何となく置き去りにされて…結果泣き寝入りと言うケースが聞こえました。
まぁそもそも動物権の無い日本では、食品安全法の縛りが動物飼料に於いては適応されません。動物の飼料は分類上食品ではないからです。
しかしそれはさておいても、混ぜて使う事をメーカーが想定して製品にしていない以上、出来れば混ぜるのは避けたほうが良いと言わざるを得ないのです。


私個人的に数種類の餌を与える場合には、個別の小さなえさ入れに、それぞれ小分けに入れて与える方法を推奨します。
この場合ですと、食べる餌、食べない餌が出てきますが、必ず毎日すべて取り換え、継ぎ足しはしない事。
そうして与えていますと、今日はこのペレットを食べていたが、昨日はこっちだった…と言った様子が見られたりします。


もし仮に全く食べないペレットがあったとします。
さて、そのペレットを与えるメリットは何でしょう?


ペレットは完全栄養食だから、この飼料を食べたほうが健康にいいのだ。と言う方がいます。


しかし、私は常々不思議に思っています。
20年近く前、鳥の餌にペレットが登場した頃、私も新しい物が好きですので購入して使ったりしていました。
なんと驚く事に、当時私が手に取った餌は、20年たった今も、その製品の包装も、内容も変わらずに販売されているのです。

それほど安定している素晴らしい製品なのだ。と言うご意見もあるでしょう。
それを否定は致しません。
しかし…

犬猫のペレットフードと比較して、あまりにも停滞しては居ないでしょうか。
それほど単一で問題の無い分野なのでしょうか?
私は酷く疑問なのです。

例えばドックフード。
30年ほど前と言うと、ドックフードはビタワンなどを代表とする数種類のドックフードしかなく、多くの飼養犬はペレットフードではなく家庭で残った残飯を食べていたものでした。
当時のペレットフードは、終生飼育するには少々成分が心もとなく、嗜好性も悪く、好んで食べる犬は少なかった記憶があります。またドックフードは非常に高価で、大邸宅で飼われている犬が食べるもの…等と言うイメージだったりしました。
あの頃から、ドックフードは格段に進歩しました。
製品は、大型犬小型犬など、その用途によって製品も変化し、嗜好性、内容ともに非常に充実して、ペットの健康を維持する上で非常にありがたいツールになっています。
現在では犬猫のペレットフードの位置付けはまさに30年前とは逆転しています。


翻って考えても、鳥のペレットフードに進歩があったでしょうか?
私は、たとえ進歩があったとしても、とても緩やかであったのではないかと思うのです。


鳥種別に作られているペレットもその製品にほとんど差が無く、飼鳥…と言うよりはメーカー側を向いているように思います。
比較的1個当たりの量が多いのがその最たる部分です。


例えば着色されたペレット類。
我々日本人の感覚では、少々どぎつい印象があります。
しかしそれは、和食文化の日本人の感覚では…と言い換えられます。

欧米の感覚では、ジェリービーンズや欧米のドリンクに代表されるように、どちらかと言うとはっきりした色合いで、濃いめの味付けを好みます。


人間は、自分の感覚を共用したいと思う物です。
例えばペットを飼っていて、自分が食べている美味しい物をペットも食べたならきっと同じように幸せな気持ちになるのではないだろうか?と思う事があるでしょう。
これは社会性のある動物の、共通の体験を通して結びつきを強くしようと言う本能であると言えます。

過去欧米で製造されている犬猫向け飼料の多くは、着色されたペレットフードでした。
これは犬猫が着色された物を好んで食べていたからではなく、飼い主が美味しそうに感じるようにつけられたサービスと言えます。

しかし現在ではその着色料は、発がん性や健康への弊害等が指摘され、多くの犬猫用の飼料は無着色である事が喜ばれつつあります。



しかし鳥類の着色されたペレットフードについては、鳥類の排泄経路を考えると体内に吸収される前に体外に排出されると言う理論が主流を得ている為、問題が無いと言われています。


問題があるか否か?については、まだまだこれから飼い続けてみなければわからない…と言うのが本当の所ではないでしょうか。



ペレット食にしていると、病院で処方されている療法食をすんなり食べられるようになるというメリットを上げる方がいます。
なるほど、それは大変なメリットではあるのですが、実際問題犬猫ほど、鳥類の療法食が治療の上で大きな成果を上げてはおりません。(鳥類の療法食は意味が無いと言っているのではありません。犬猫の療法食と比較してという意味合いです)現実問題として犬猫の程度に療法食を食べなければいけない慢性疾患に罹患した鳥は、療法食を食べたとしてもさほど予後に差が無いのです。
また、ペレットを食べていたからと言って療法食をすぐに食いつくかと言いますと、それはまた個体差があり、実はすんなりといかなかったりします。



と、思いつく程度書いてみましたが…何となくペレットの難点ばかりが挙げられてしまいました(苦笑)



しかし最初にも書きました様に、私はシードもペレットも、どちらにも利点があり、難点があると思っています。


ですから、つまるところ最善は無いのではないかと思っています。
飼い主の最良の選択、その上で与えられる餌が、結局のところ最高といえるのではないでしょうか。


余談ですが、長寿の犬猫を飼われている飼い主さんにお話を聞きますと、まぁまぁ色々な物を与えている方の多い事多い事。ドックフードよりもそちらのウエイトの方が高いのではないか?と思う方も多くいらっしゃったりして閉口します。
しかし、私の私見ではありますが、5歳以上の犬猫の、非常に老いている面構えの子の飼い主に何を与えているかと聞きますと、たいていペレットフードと回答されますが、10歳過ぎても年若い面構えの犬猫は、人間の食べるものを食べている子が多かったりします。

先日こんな事がありました。
私の親族が雑種の犬を飼っていました。近所からもらってきたという話でしたが、私が見た感じではどうも心臓が悪いようでした。それは親族に伝え、心臓病用の療法食と、専用の薬があるとだいぶ楽に生活する事が出来ると言う話をしましたが、かかりつけの動物病院では「喘息」と言う診断だったから…と、発作が起きると喘息用の気管支拡張剤だけをもらってしのいでいました。(実際何の効果も無いのは私の目に見えていました)
餌は相変わらず人間の食事と同じもの。肉を煮たのやら、魚の骨や皮やら。
それは不健康だから、よろしくないよとやんわり言ってみた物の、あちらも60を過ぎているとなかなか頭も固く、いっかな聞こうとしませんでした。
それから12年過ぎ、明らかに腹水がたまってきました。
親族は「太ったのだ」と言うので、これはいよいよヤバいぞと思い、転院しレントゲンを撮るように勧めました。

しかしすぐにはいかず、いよいよ犬が動きたがらなくなってからやっとかかりつけとは別の病院に行ってみたようです。

結果は重度の心臓病、不整脈と、胸部を圧迫する腹水でした。
既に手の施しようがないと言われ、そのまま利尿剤と心臓病用の薬、心臓病用の療法食をもらってきたようですが、ついに最後まで、療法食を与える事はなかったようです。

犬は、夏の暑さが過ぎる頃に12歳で空に帰って行きました。



もし、ちゃんと療法食を与え、適正な薬を飲ませ続けたのなら、犬はもっと長生きしたのかもしれません。

しかし、私はこの犬が不幸せだったとは思わないのです。

子犬の頃から心臓病の様子を呈していました。
そこで12歳まで、何の治療もせずに(正確には誤診による喘息治療はありましたが)タブーである塩分の多い人間の食事を食べ、自由気ままに生きた。

これもまた一つの事実ではないでしょうか。
仮にこの犬を適切な治療の元に管理したならば、もう少し長く生きたのかもしれません。
しかしどれほど長く生きたでしょうか?
果たして寿命が短くはならなかったと言いきれるでしょうか?


同様にまた、先日長寿のオウムの話を聞きましたが、この子もペレットやシードが主食ではなく、飼い主の日常の食事のお皿から自由に好きな物を取って食べているのだとか。大好物は鶏肉と聞いて、笑ってしまいました。
いや、さもありましょう。
野生のオウムやインコ類は、ごくたまに樹上の鳥の巣を襲って雛を食べる習性が近年観測されているのです。


完全肉食と言われているライオン、彼らもまた、狩りをして肉を食べた後に付近に生えている草を食べる習性が知られています。

また、肉食獣は草食獣を襲って食べる時に、真っ先に食べるのは胃、腸と言われています。
ここには未消化の草やらが入っている訳ですが、これらを肉と一緒に食べることで健康を維持していると言われています。
完全に肉(人間が言う所のパックに入って売っている部位)だけを食べて生きられる動物は、居ないのかもしれません。
同様に、完全に穀物だけを食べて健康に過ごせる事も無いのかもしれません。

鳥の餌の事を悩む時、単純にシードとペレットの問題ではなく、この話を思い出してほしいです。
世の中に完全なる栄養食は存在しません。
それぞれ、良い点もあり、悪い点もあり。
だから人間は1日30品目などと言われるように、沢山の種類の食材を少しずつ体内に取り入れる事によってリスクを分散しています。

人も鳥も、生き物も全て同じではないでしょうか。
1種類。
シードだけ、ペレットだけ。と思わずに、ある程度リスクを分散して与えられる事が最善と私には思えるのです。

さて、固い話をやっと書き終わりホッとしております。
いよいよ、アキクサインコルビノーについてその魅力を存分に語りたいと思います。

皆さん、アキクサインコルビノーと言う鳥を知っていますか?
こう言う鳥です。

 
  この子は今年の春に当方で繁殖し、一人餌に成長した雛です。


私のアキクサインコルビノーとの出会いは、およそ10年以上前になります。
アキクサインコにルビノーと言う色が初めて紹介されたのが1991年と言う事ですから、本当に新しい種類です。
当時私は動物関係の卸に勤めていまして、仕事柄新種に関する情報も普通の人よりは早かったと記憶しています。


当時全鳥種カタログと言うのを見て、この美しいピンク色の鳥を見て心の底から衝撃を受けました。
まず最初に考えたのは、誤植です。
もしかしてこの鳥の部分だけ色が反転したのではないか?と想像したのです。

しかし、どうも馴染みの業者に聞きますと、海外には居るらしいと言うのです。
私が、物は試しにいくらくらいするものか?と聞きましたら、業者が悪い笑みを浮かべながら指を5本立てたのが今も記憶に鮮明です。

当時であれば、それでも日本に入ってきたら奇蹟だったでしょう。

まさに夢の鳥でした。
昔から私はずっと様々な鳥を飼育してきましたが、もしいずれ機会があれば飼ってみたいと願っていました。



今現在も、小中型のインコの中でこれほど美しいピンク色の鳥は、このアキクサインコを置いて他に居ないのです



 それから月日が流れ、今は私はアキクサインコルビノーと暮らしています。



アキクサインコの魅力は、まずなんと言っても大人しい事です。
止まり木に止まったまま、何時間も小さい声でチヨチヨとさえずる程度で、活発に鳥籠にしがみついてバタバタしたり、雄叫びをあげる事が比較的少ないです。

おもちゃ等で活発に遊ぶ種類でもありませんので(おもちゃが嫌いだとか、遊ばない訳ではありません)、住宅を破壊するレベルが非常に微小です。(皆無ではありません)

日本の住宅事情を考えると、雄叫びをあげる事が少ないのは非常に都合のいい性質と言えます。

脂粉も、オカメインコなどに比べると少ない方だと思います。私の飼育経験上は、セキセイインコ程度でしょうか。

あまり強く噛まないのも魅力です。荒鳥でもよほど気性の荒い子でなければあまり噛みません。思うに、気が弱い種類ですので噛むほど反抗する事が出来ないのではないでしょうか。手乗りで育てると、やんちゃな種類の鳥だと遊びの延長で手を噛んだり耳を噛んだりと言う話がありますが、こういった性質が少ないのも魅力です。(全く無いわけではありません)

比較的病気が少ないのも魅力です。まだ日本にも少ない鳥種だからでしょう、PBFDにある程度耐性があるのではないかと言う論文もあり(全く感染しない訳ではない)卵秘症(卵詰まり)等もまだ症例個体が少ないようです。まだ飼鳥となって日が浅いからでしょうが、今後も無理な繁殖は避け、出来るだけこの良い特性を伸ばして行きたいと思いますし、他の繁殖者にもそうあって欲しいと願います。

集団で飼育しても大きい喧嘩が少ないのも魅力です。(全く無いわけではありません)
元々野生でも非常に密なコロニー生活を営んでいる事から、喧嘩になっても滅多に流血沙汰にはなりません。独身の鳥達を大きな籠に一緒に入れている事がありますが、何となく良い距離を作って生活します。ただし、あまりにも集団意識が強いので、1羽が食事をすると全員が食事をし、1羽が食べ終わると集団で食べるのをやめてしまうので、比較的おっとりしていて行動の遅い食べ遅れた子は慢性的な餌不足になる場合があります。酷いとそれが原因で死にいたる事もあります。
死ぬ前にマイペースに食べれば良いのに…と思うのですが、それがこのアキクサインコのおっとりした性格の良い所でもあり、悪い所でもあると言いましょうか…本鳥も、「まあいっか」と思ってしまうのでしょうね。死ぬまで何となく習慣で食べないと言うのですから、これは大問題です。
ですから私としては定期的な体重測定をお勧めします。
とは言ってもなかなか難しいかもしれません。荒なら尚更です。
でしたら、良く仕草を見て、一人食べるのが遅い子がいるようでしたら、その子だけで飼育するか、そう言うおっとりした子だけの籠に入れてあげると良いでしょう。

一般的にコロニー飼育は、生後6カ月までに経験させるのが望ましいようです。それを過ぎますとコロニー飼育になじめない個体が多く出てくるようです。出来れば繁殖を考えるのであれば、生後6カ月までにペアになれる相方を探してあげるか、せめて1歳までに良い相手と引き合わせてあげることが望ましいようです。
1羽だけで育てていて1歳以上過ぎてから伴侶を番ましてもなかなか繁殖行動に移らない子もいるようです。
これはごく一部だとは思いますが、御参考までに。

通常アキクサインコの性成熟は生後4カ月程度です。
4カ月なんて早い!と思われるでしょうが、小さい鳥ほど外敵が多いので種を繁栄させるために性成熟は早いものです。
♂ですと生後4カ月頃から♂特融の仕草を致します。雌ですと少々遅くなって生後6カ月頃から。
雄は胸を反らせて頭を上に持ち上げる行動。雌は尾羽を上に上げて低く伏せ、ピピピピピと鳴く動作があります。

比較的一人餌に切り替わり易いのも利点です。
差し餌をしてますと、いつまでもダラダラと差し餌を欲しがる子の多い種類がありますが、アキクサインコは基本的に切り替えやすい子が多いです。大体孵化から生後1カ月前後でひとりでに差し餌を欲しがらなくなります。



魅力があれば難点もあり…

アキクサインコの難点は、まず最初に比較的餌を豪快に食べる所です。
普通の餌箱を使用していますと、よく飛ばされて鳥籠の付近が大変汚れたりします。
これについては、飛散防止カバーなどを鳥籠に付けることで対策される事をお勧めします。

また、アキクサインコの鳥種紹介でも記述していますが、アキクサインコは本来地面に降りて歩きながら種子類を拾って食べる性質があります。本来の性質上は、止まり木に止まって餌箱の餌を食べるよりも、地面に置かれた餌箱から餌を食べる方が種の本性に適っています。

歩きながら…と記述しましたのでついでに、アキクサインコはよく歩く種類です。
飼育籠に糞切り網を使っていますと、アキクサインコは歩けませんので私個人的にはお勧めは致しません。アキクサインコは歩くスペースのある飼育場所を喜びます。出来れば、縦に長い鳥籠よりも、横に広い鳥籠が適しているように思います。

でも、敷き紙で飼育していますと、毎日敷き紙を取り換えるのは比較的重労働です。
当方の飼育方法は、敷き紙ではなく、下に猫用の砂を敷いています。
何十年も前から下に敷くものは紙ではなく、固まるタイプの猫砂です。
現在では食べても大丈夫な、おからの猫砂を使っています。
賛否両論あるでしょうし、皆様ご自分で最良と思われる工夫をされてらっしゃいますので、飼育していて管理し易い物をお探しになって見られてください。

御参考まで、小動物用の干し草を敷いている方、小動物用のパインチップを敷いている方、また、昔からの飼い方ですが焼き砂を敷いてらっしゃる方もいます。焼き砂はミネラルの補給にもなってよいのですが、私個人的には購入するのに重いのと、処理が大変なので今は使っていませんが以前はよく使っていました。


パニックを起こし易いと言うのも難点かもしれません。気の小さい種類ですので、ちょっとした事でパニックを起こし、風切り羽や尾羽がごそっと抜けてしまいます。一瞬PBFDか?!と心配になる事もありますが、すぐに生えてくるのでご安心ください。
よく、パニックを起こして風切り羽が抜けて、全然飛べなくなってコロッとしている事があります。
しかし本鳥は比較的ケロッとしていて、飛べない代わりに走り回ります。
踏まないようにご注意ください。


先ほど魅力の部分で一人餌に切り替わり易いと言う事を上げましたが、これはつまり独立心が高いと言う事で、アキクサインコは手乗りにしましても、比較的飼い主と距離を置く個体が多いのも難点です。
セキセイインコやオカメインコのようにベタベタと飼い主大好きになる子は少なく、比較的飼い主のそばで見て居たい、一緒に積極的に遊ぶと言うよりは、そばに寄り添ってうとうとと寝ていたいと言う子が多い種類です。
こう言う性格の子が多いので、例えばペアになった途端手乗りではなくなってしまったと言うお話も少なくはありません。

やはり、手乗りで楽しみたいのでしたらペアにしない方が良いでしょう。


ちなみに私の経験ですが、目が開く前から人間が差し餌して育てますとかなり慣れ度の高い個体に成長します。
多少手間はかかりますが、手乗りとしてお勧めできるのは目が開く前に巣上げした個体でしょう。


アキクサインコは鳥種紹介でも紹介しておりますように、黎明の鳥です。
野生では明け方まだ暗い時間、そして夕暮れ過ぎの薄暗い時期によく採食しています。
これは飼鳥となった現在も残っている習性でして、どうもよく見ていますとこの時間帯によく餌を食べる事が多いです。
もちろん他の時間帯にも餌を食べるのですが、活発に思うのはこの時間帯です。

お仕事をされていらっしゃると、出勤前と仕事帰りに合わせて生活する事が種の本質と似たサイクルですので、アキクサインコとしても無理が少ないのではないかと想像します。


またこのアキクサインコと言う種類は、野生でも草花の種を食べて生活している習性がある鳥です。
他の果物食等の特殊な餌ではなく、一般的に小鳥のえさとして販売されているシード類が元々の食性に合っていますので飼育飼料の管理に関しては、あまり難しくないかと思います。



以上の事から、比較的日本人の生活習慣から考えて、飼い易い鳥ではないかと想像しています。
何よりもルビノーは前途しましたように、小型種の中で唯一ピンク色に固定された品種です。

美しい青い鳥は沢山います。
しかしピンクの鳥はアキクサインコルビノーだけと言っても過言ではありません。

是非、実物を見て、愛らしい姿を鑑賞してほしいと思います。
譲渡に関して、まず最初に当麒麟館(ブログ上は別館)の方針を先に記しておきます。



当方の譲渡は、原則的にショップへの卸を主としています。
理由としては、今現在日本の飼鳥文化がこれほど衰退している現状に置いて、やはりショップと言う存在を疎かに考える事が出来ないからです。



当方は一般にも譲渡をしております。
一般に譲渡する場合は個体識別リングと当方が個人で作っている血統証明書をお付けします。
血統証明書と言いましても、犬猫のように団体がある訳では無く、当方が勝手に作成している書きつけの様なものです。これは、今後繁殖を考えられた場合にペアになる相手を探す手掛かりになると考えています。


販売方法は、有償です。
値段については譲渡可能個体が出た段階でその個体ごとに紹介するつもりですが、基本的に3万前後を予定しております。
受け渡し方法は、手渡しのみと考えています。


何故手渡しのみかと言いますと、理由は複数ありますが、最大の理由は動物関連法案の改正です。

今回の改正ではまだ検討段階でしたが、確実に今後、動物を販売する場合には直接販売が義務化される運びになります。



例えばネットの中だけでやり取りし、郵送で販売する事は、かなり近い将来に規制されるでしょう。
郵送や空輸の良し悪しではなく、法律上規制されますと販売する事が出来なくなります。


もう一つの理由が、当方は原則的に譲渡可能の雛は筆毛が開き始めた個体を想定しているためで、このサイズの雛を郵送で送る事はかなり難しいと考えています。鳥の福祉の為に、当方は直接取引のみとしております。



また、譲渡時間も法令を順守し、早朝9時から、夜間19時59分までを原則とします。
それ以降のお譲りは、いかな理由があろうとも法律上禁止されておりますのでお受けすることができません。


私個人的な意見ですが、あらゆる動物をお迎えするのに適しているのは、午前中と考えています。
環境に慣れる時間が日暮前までにありますので、飼い主にとっても充分に有益であるとお勧めいたします。


以上、当方の簡単な譲渡に関する指針を書きつけました。
連投です。
さて、先ほどは動物愛護管理法について軽く触れましたが、いよいよ本題、動物取扱業について私が伝えたい事を書きます。




動物取扱業登録は、けして拒む登録ではありません。
これだけはまず最初にお伝えいたします。


先ほど動物愛護管理法の記事でも書きましたが、「窓が無い部屋で飼育している人は業登録取得を断られた」「2階で飼っていると登録を断られた」「水洗が動物専用で分けられていない事を理由に断られた」等と言う噂が独り歩きをしていますが、まずはお住まいの市区町村を管轄する保健所に行って、お話を聞かれるのが一番の近道かと思います。


譲渡に限って言いましても、本来、動物を譲渡等の目的で所有する場合は届けなければいけない「届け」であって、この届を規定の料金を添えて指定の書類で提出したならば、保健所は拒否する事が出来ないのです。
 
登録は、保健所に行く必要はありますが簡単に誰でもできます。
飼養環境によって、改善点を言われるかもしれませんが、最低限常識的な飼育をしていれば拒否されません。
まことしやかに、窓が無ければとか、水洗はペット用と人用で分けなければ…とか言う話がネットであふれていますが、これらの事は事実無根な噂です。
各市区町村で多少のばらつきがある物の、法で既に業を登録するための要件と言う物は指定されており、そこには人用と動物用で水洗を分けなければいけない等と言う指定がありません。つまり法的に言って、保健所はこれを理由に登録を拒む事が出来ないと言う事です。

何故ならこの動物取扱業登録制度は、繁殖する、もしくは販売譲渡しようとする人間を減らし管理しようと言う目的ではなく、あらゆる動物を取り扱う場所と責任者を把握したいと言う目的から作られている制度だからです。入口を狭め過ぎれば地下に潜ります。そう言った法は総じて悪法と言われます。


翻って考えると、動物取扱業登録をしていなくとも、継続して販売しないのでしたら有償での取引は事実上可能です。否、有償でも無償でも関係なく、今後も繁殖するのであれば登録は必須と私は思っています。
法律上は継続性の有無について細かい細則はありません。

何故なら、この制度について動物種ごとの細かい規則にまでは至っておらず、あらゆる動物を想定して作られているからです。1回の繁殖で1匹しか子を生さない種類もあれば、1回のお産で3~40匹子を生す種類もあります。これらあらゆる動物を想定して、この法律は作られているのです。
今後、悪意によってこの法を掻い潜ろうとする人が増えれば、いずれは細則も付き、益々登録を取る事も、販売する事も難しくなるでしょう。
そうならないように、個人が良く考え、理性ある行動を取られる事を願います。

繁殖し、子供が生まれれば、誰でも嬉しい。
であれば、その時でも良い、考えて下さい。
今後も継続して繁殖する可能性があるのかないのか。
もし継続して繁殖させる可能性があるのであれば、私は動物取扱業登録が必要ではないかと思います。



今現在、各市区町村で登録に関する必要書類は統一されていません。
しかし、上記しました断られたと言う話についての法律での規制は、私の知る限り存在しません。
それはお住まいの所管の保健所の独自の基準なのでしょうが、これについて正しく争うならば、今のところ保健所に理がありません。
何故ならば何度も書いていますが動物取扱業登録は、「動物を扱う人はどうぞ登録して下さいね」と言う制度であって、拒む制度ではないからです。


例えば上記の噂の、窓が無い…と言う部分に関して考えましょう。
完全に全く窓が無い場所で飼育する事を、畜産業界ではウインドレス飼育と言います。
この場合は畜産業界では、トンネル換気(トンネルの1方向から逆方向に抜ける形で常に換気をする空調)が必須であるとされています。
多分この畜産の基準を参照して、窓の無い部屋で管理する場合は換気必須とした市区町村もあるのでしょう。

考えてみますに、鳥を飼うのに窓が全くない部屋で飼う事は、果たして福祉に適っているでしょうか?
もちろん様々な住環境がありますから否定はできません。
しかし我々人間は常に外出します。
外出した時に、風を感じ、太陽の恵みを感じるでしょう。


しかし飼育動物は、飼い主に与えられる環境が全てです。
一生太陽光を少しも見ないで生きる一生がどうなのか…
朝、柔らかな日差しを感じ、日の沈むのを感じる事の出来ない環境で生活したくないと私は考えるので、多分鳥もそう思うのではないかと思って育てています。
特にアキクサインコの場合は、夜明け前と夕暮れに活動する黎明の鳥です。
こう言った習性を持っている鳥が、太陽の光を感じない場所で生活する事を私は良いとは思えないのです。

例えばこの場合は、太陽光に近い電球を使って照明を確保するとか、エアコンを使い空気がよどまないように配慮するとか…

いくらでも改善できる方法があるはずです。


動物と人間の水洗が別に…と言う事についても、例えば個人ではなく○○カフェと言ったように、動物と接触するカフェを考えて下さい。
こういう場所で、人間のカップも動物の餌、もしくは糞尿の付いた物もいっしょくたに洗われていたらどうでしょう。あまり気持ちの良い話ではないと思います。
動物が好きだから、嫌いだからと言う事ではなく、衛生的に、双方にとって健康に良い飼い方と考えると、自然と水洗にはある程度の基準が出来るものです。例えば糞などの付いたものは風呂場で…とか、餌や水の容器は洗面所を使う等で充分対策が可能なはずです。


そもそも動物取扱業登録を取得するからとか、取得しないからではなく、自然に、動物と人間の洗い物は別にするのが理想であり、防疫の観点からも衛生的だと私は考えます。


思うに、最低限常識的な飼育をしていて、最低限常識的な知識を持っていれば、業登録に際して恐れる事は何もありません。



これらの知識を補完するために、民間ですが動物関連の資格等も存在していますし、それらの資格の殆どが1~4万程度で取得可能ですから一度暇つぶしに受講されてみてもいいのではないでしょうか。
犬猫がメインだから鳥は関係ない!と思わずに、難しく考えず、学んでみると何か少しは得るものがあるはずです。




さて、何故ここまで動物取扱業登録をお勧めするかと言いますと。

動物の飼育環境について、考える機会を持ってもらいたいと願うからです。
人と動物が幸せに暮らすために、動物を飼う人を取り巻く社会も幸福であり続けるために…
自分が幸せなだけではいけません。
動物は幸せでしょうか?
それよりもまず、あなたを取り巻く隣人はあなたが動物を飼養する事に関して不利益を得ていないでしょうか…
騒音、臭い、廃棄物。

飼われている生き物が幸福であり続けるためには、何よりも飼い主が幸福でなければなりません。


皆様に、幸多からん事を願います。

私は、必ずしも終生飼育が動物の幸福の為だとは思いません。



人間は、離婚します。
親子関係も、極端に言うと解消する事が出来ます。
友達も、明日には決別しているかもしれません。

世の中は流れます。
常に流れています。


当然、終生飼い続けるのが理想です。
しかし、共倒れになる前に別れる勇気もまた、愛情だと思います。


まず、限界が来る様な飼い方をしない事、殖やし方をしない事。
そして、里親を探す場合は、参無い運動を実践して欲しいと願います。
また、その時は恐れずに動物取扱業登録をされる事を願います。

動物取扱業登録については、お住まいの保健所ごとに必要書類が違いますのでご確認ください。
・動物取扱業登録を既にされている施設での6カ月以上の勤務実績
・認定されている民間団体の資格を持っている事

が必要条件になります。
これに、間取り図。
厳密に言うと、もし賃貸でお住まいでしたら、家主もしくは賃貸会社が、登録する動物種の飼育を認めている事を一筆書いた書類が必要です。
登録の事業所名(ショップ名の様なものです)等の申請書類等。
責任者についての住所氏名。

大体こう言った物が必要になります。

私の経験上ですが、動物に関して凄く緩い地域は総じて動物を扱う施設も少なく、人口も分散している場所が多いです。
動物に関して厳しい地域では、登録に関しても、とても厳しい事が多いようです。
みなさんこんにちは。
今日は、動物取扱業登録と言う制度が出来た背景と、そもそもなんでこんな物が必要になったのか?と言う事について書きたいと思います。


動物取扱業登録…皆さんはこれを御存じでしょうか?
どうも、噂が独り歩きをしてしまい、尾ひれが付き過ぎて非常にとっつきにくい印象を受けてしまう方が多いようです。
噂としては、「窓が無い部屋で飼育している人は業登録取得を断られた」「2階で飼っていると登録を断られた」「水洗が動物専用で分けられていない事を理由に断られた」等です。

いやはや…聞くだけでも非常に難解な登録です。

他にも、動物取扱業登録を、「動物を売るための資格!」と紹介していたりして少々閉口します。。



まず、間違いのないように。
動物取扱業登録は、資格ではありません。
そして更に、動物取扱業はけして動物を売るための資格ではありません。

たとえ、愛護啓発活動の一環として捨てられた犬猫(鳥も)を無償で上げる場合であっても、広い意味では登録は必要になります。
否、そもそも動物取扱業は販売や譲渡に留まらず、広く動物に携わる場合には必要な登録になっているのだと認識ください。
動物園のように人に見せる事を目的にしている物でも、猫カフェや犬カフェ、鳥カフェ等のように、主とした業務は飲食業であっても、もしくは定期的にホテルとして動物を預かる施設も登録が必要になります。

つまりこう考えると自然です。
動物に広く浅く関わる全ての人が必要になるであろう登録



こう書くと、よくお叱りを受けます。
「営利目的は解るが、何故無償で譲渡するのに必要になるのか!一体だれが利益を得ているのか!こんな資格は悪法以外の何物でもない。」
お言葉は大変ごもっともです。
しかし…この件に関してはそもそも動物愛護管理法(動物の愛護及び管理に関する法律)が何故施行される必要があったのか…から話さねばなりません。


つい10年ほど前までは、日本には狂犬病予防法などの法律以外で、直接動物にかかわる法律はありませんでした。
2000年12月1日に動物愛護管理法が施行されるまで、何となくやんわりと社会常識と個人の倫理観に動物の権利はゆだねられていた訳です。



そもそも話はそれますが、法律とは全て、基本的にその存在は不利益であると私は考えています。
人がそれぞれほぼ同一の倫理観と社会常識を持ち、隣人に迷惑をかけないように理性的に行動できるならば、法律は無用の長物であると考えています。過失であっても善意であれば、法の厳罰を必要とするでしょうか。

しかし、人は迷い、惑います。
妬み、嫉み、羨み、また、苦しみます。
人は苦しければ愚かになります。


動物愛護管理法が出来た背景は、今から20年頃に特に頻繁に起きた、ブリーダー崩壊とそれに関わる残念な世間をにぎわせたニュースが大きな後押しになりました。



20年ほど前、漫画「動物のお医者さん」で一躍ブームになったハスキーと言う種類の犬は、当時最高値で1頭200万とも言われていました。一度に4~5頭産む犬種ですので、「幸運にも雌を入手できたなら家が建つ!」とまで言われた物です。実際にそういう経緯でハスキー御殿を建てた方を知っています。

しかしハスキーは元々寒冷地で使役されるために作出された犬種です。
日本の様なせまい住宅事情で飼育されるには少々無理がありました。
子犬の時は「可愛い可愛い」と購入しても、数カ月もすると体重が30キロに成長します。
そんな訳で、高いお金を出して購入しておきながら保健所で殺処分される犬が増えました。当時、ハスキーばかり毎日日本国内で何10頭も殺処分を待っていました。

しかし人と言う物は懲りません。
ハスキーで再び火のついたペットブームは、その後ダックスフンドやチワワ等、コロコロと短期間に移り変わりながら、現在は超小型犬と言われる種類に変遷を遂げました。そして今後も常に流動を続けるでしょう。

さて、これで最も翻弄されているのが、実は一部のにわかブリーダーなのです。
※この場合のにわかブリーダーとは、何のブリードポリシーも動物に関する基本的知識も持たず繁殖と販売を繰り返す人の事で、一般的なブリーダー様の事を差している訳ではありません。不快な記述があった場合はお詫びいたします※

当時、明日はあれが当たるかもしれない、と予想を付けて新しい犬種を導入し、外れたと言っては処分し…

何の知識も無い、にわかブリーダーが金儲けの為に無軌道に繁殖した結果、飼いきれなくなって崩壊。
繁殖した犬も、一体何の犬種なのかと疑うような、血統書だけ立派なスタンダードを逸脱した犬ばかり。
いらないと言われて捨てられる犬で保健所は溢れ返り、昨日も今日も日本のどこかでブリーダーが崩壊し、置き去りにされた犬達が餓死し、共食いし、異臭があふれ…そんなニュースが毎日のように流れた時期がありました。

なんとかして、こう言った劣悪な飼育を改善させようとしても、法律が無いのです。

行政や警察や保健所などは、なんとか「廃棄物処理法違反」や、「狂犬病ほ防法違反」等の罪状で改善を求め、または立件するのですが、ブリーダーであっても個人の所有している犬猫は個人の所有物であるため、それ以上踏み込む事ができませんでした。


当時私も、どうか1日でも早く法を!と願った一人です。


規制できるなら、規制してほしい。
可哀想な犬猫をこれ以上増やしてほしくない…
もう、繁殖は有資格制にしてほしいとまで思った物です。



しかし、事は犬猫に収まりませんでした。
ワカケホンセイインコを始めとする、飼鳥として輸入された鳥は、事故や故意によって窓から放たれ、今現在も東京に多く帰化して生息しています。
つい先日までは、紅雀や文鳥の帰化した姿がニュース等で報道されたりしました。




こう言った背景の中、もう一度原点に立ち返り、動物を愛護しましょう、愛護して、適正に飼育(管理)しましょうという目的で、動物愛護管理法が生まれたのです。



この法律が施行されると、まずは一番の引き金となったブリーダーに大きなメスが入れられました。
まるで採卵鶏のバタリー飼育(自分の体程度のスペースしかない飼育場所で飼育する方法)のように籠から出される事無く、ただ子供を産む機械のように扱われた繁殖方法の見直し、適正に廃棄物を処理する事。



こうすると、一過的にブリーダーがだいぶ減りました。

ブリーダーが減ると言う事は、手放される犬猫も増えます。
手放された犬猫は、善意で立ち上げられた、里親へ譲渡を目的とするボランティア団体や個人に渡されましたが、ここでもまた問題が…
人が欲しがるような種類の犬猫だけを真っ先に集め、譲渡…と偽って募金を募り、果ては譲渡に対して高額な、まるで競りをするように金品を要求する団体が暗躍を始めます。
これら悪しき活動の、特にひどい物としては当時のニュースですが、実態が無いにもかかわらず、どこからか犬猫を集めてきては譲渡と見せかけて譲渡せず、もしくは一度譲渡したにもかかわらず難癖を付けて勝手に連れて帰り、再び別の人に譲渡したり…
このような不穏なニュースが世間をにぎわせる事になるのです。

※これらの劣悪な一部の団体は、今は良識ある団体の血のにじむような活動や、社会的圧力によって現在はほぼ存在していないと想像します。当時劣悪だった一部について記述しましたが、今現在里親団体として活躍されていらっしゃる団体を批判する目的で記述している訳ではありません。御不快を与えてしまいましたらお詫びいたします※




今現在、動物取扱業の販売と言う種類の中に、有償か無償かの別を要しないのはその為です。



当時、多くの善意ある人たちの願いが、この動物愛護管理法施行に繋がりました。



法律と言う物は、世の殆どの人に、利益にはなりませんが、何か解消し辛い問題が起こった時に、必要に対処できる手段であります。



しかし、まだこの法律は若い。
そして、多くの意見も必要としています。


何故なら、日本には人権は存在しますが「動物権」は存在しないからです。
動物は、法律に於いて生存する権利を担保されていません。


私が全ての生き物に対して「寄る辺なき魂」と言うのはこの為です。



この法律について知りたいと思う方はまず、環境省のホームページを閲覧なさってください。
http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=%E7%92%B0%E5%A2%83%E7%9C%81&source=web&cd=5&cad=rja&ved=0CC4QjBAwBA&url=http%3A%2F%2Fwww.env.go.jp%2Fnature%2Fdobutsu%2Faigo%2F&ei=qHVmUJPvBuedmQWQioGICw&usg=AFQjCNGtLW9SmxkRhmHCMgrP1A3V355OKA
上記したHPアドレスは、動物愛護に関する項目が集約されている物です。

環境省では、定期的に一般からも「パブリックコメント」と言う、広い意味でのご意見を公募しています。
今季は終わりましたが、また近々募集されるでしょう。


ホームページから、メールでも意見を出す事が出来ます。
この法律を今よりも少しずつよりよくできるために、本当の意味で人と動物が幸せに暮らせる社会になるために、どうぞ積極的に参加なさってください。



今年も、国会が荒れる中、また新たな規制が始まりました。
犬猫の8週齢規制等と言うと、既にみなさん耳にされた事もあるかもしれません。


ショップによっては今まで、生後20日前後で親から離して店先に並べていた所もありました。
しかしこれは生き物の福祉の観点でどうなのだろう?と言う観点に立って話し合われた結果、生後8週齢(生後54日)未満の犬を販売するのは、良くないだろうと言う結論に達したとの事です。


今後も、様々な改正がなされて行くでしょう。
どうか、改悪にならないように、方向が誤らないように。
この法律は今、皆さん一人一人の目を必要としています。

今日はアキクサインコと言う鳥の魅力について書き込みます。
当方ではルビノー以外のアキクサを所有しておりませんが、まずアキクサインコを語るのには、原種であるノーマルを語らねばならないでしょう。

アキクサインコ
(学名:Neopsephotus bourkii

別に学名なんてどうでもいいんですが…このアキクサインコの場合は、学名から語りたいと思います。

実は以前はアキクサインコは「キキョウインコ属」に分類されていました。
このキキョウインコ属と言うのは、草インコ科の中に分類されるわけで、つまりアキクサインコは以前までは、草インコ科キキョウインコ属アキクサインコ種
と言う分類でした。
しかし実はアキクサインコは、同じキキョウインコ属の他の鳥とは違う特徴を多く持っていましたので、近年キキョウインコとは独立させ、新たにアキクサインコ属に分類されました。


これによって、現在アキクサインコは、草インコ科アキクサインコ属アキクサインコ種になりました。
そんな名前なんかどうでもいいじゃないか…と思われるでしょうが、ここからが本題です。


アキクサインコのノーマル種を御存じの方はいらっしゃるでしょうか?
ルビノーやローズは知っていても、ノーマルを知っている人はもしかしたらあまりいないかもしれません。

申し訳ありませんが当方はノーマル種を保持していませんので、写真での説明はできません。


もしご興味のある方がいらっしゃれば、ネットで少し調べて見られてください。
びっくりするほど地味な、ネズミ色の鳥が出てくるはずです。
しかし地味だと思うのは最初だけで、ノーマルは実は腹部に美しいピンクの発色と、風切り羽や腰付近には美しい空色の青を発色する複雑な美しさを持った鳥です。
そして何よりも特筆すべきはその瞳の大きさです。


この瞳の大きさ、それがアキクサインコを語る上でもっとも重要な部分です。

さて、このネズミ色の鳥が、つい以前までは非常にカラフルなヒムネキキョウインコ等と同属に分類されていた訳ですが、彼らに比べてアキクサインコはとても地味だと思うのは私だけではないのではないでしょうか。。
何故、ほかの種類に比べてこんなに地味でなければいけないのでしょう?


それにはアキクサインコの習性が大きく影響していました。

知っている人は少ないようですが、アキクサインコは暁(黎明)と黄昏の鳥なのです。
通常鳥が生活する時間は、日が高い時間帯である事が多いです。
朝早く日の出と共に起きだして、夕方近くなってくるとねぐらに帰るのが常です。
何故なら日中の様なよく見える時期でなければ、彼らの最大の特徴である飛行能力が100%発揮できないからです。

さて、もちろん中にはフクロウや夜鷹と言った、月の光の中で行動する種類の鳥もいますが、こう言った鳥に総じて言える事があります。
それは、目が大きいと言う事です。


アキクサインコの主な活動時間は、深夜でも日中でもありません。
アキクサインコは日の高い日中を避け、日の出前のまだ太陽が上がる前(黎明)、そして日が沈み相手の顔が解らなくなる程度の暗さ(黄昏)に活動時間を決めているようです。

アキクサインコは通常10羽前後の群れで行動し、地面に降りて歩いて採食する姿が観察されています。


アキクサインコの最大の魅力であるあの大きな瞳の秘密。
それは暗い地面を歩いていても、よく見えるように独自に進化を遂げた結果であるのではないでしょうか。


アキクサインコの目は他の小型インコに比べて大きいのは、活動時間が黄昏であるからに他ならないでしょう。それがまたこのアキクサインコの鳥の愛らしさの重要な要素になっています。

さて、翻って羽の話に戻ります。
このように暗い場所で活動する鳥ですから、夜行性の捕食動物(ディンゴ等)の目をかいくぐる為には、めだたない必要があるのではないでしょうか。
この事から、アキクサインコの原種(ノーマル)は非常に地味な灰色を主に、暁や夕焼けの色に一番よく溶ける、ピンク色、そして空色の配色になったのではないかと想像されます。

では何故彼らはこの活動時間を選んだのでしょうか?
それには彼らの生活している地域が重要な鍵になります。



彼らの住んでいる地域は、オーストラリア内陸部の乾燥地帯に広く分布しています。
オーストラリア内陸部と言えば、かの有名なエアーズロックのある辺りからかなり広大な部分を差しますが、この地域の多くは人の住めない砂漠気候であるようです。
ではこの砂漠気候の平均気温はどうなっているのでしょうか?

私はオーストラリアを訪ねた事が無いので、文献を探しました。

どうも、砂漠気候にはほとんど人が住める場所が無く、よってこの内陸部の乾燥地帯の平均気候を簡単に見つけてくる事ができませんでしたが、一番近しい都市として、ノーザンテリトリー(北部準州)のダーウィンと言う地域の月別平均気温を見つける事が出来ました。

月別 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温(℃) 31.7 31.4 31.8 32.6 32 30.6 30.4 31.3 32.5 33.1 33.2 32.5
平均最低気温(℃) 24.8 24.7 24.5 24 22.1 20 19.3 20.5 23.1 25 25.3 25.3
降水量(mm) 425.8 354 321.7 101.6 20.8 1.2 1.4 5.8 15.4 72.1 140.1 248.3
降雨日数(日) 21.1 20.1 19.4 9.3 2 0.5 0.5 0.6 2.3 6.7 12 16.4

 これを見て、一番最初に目につくのが、最高気温を最低気温です。
なんとこの地域では、最高気温も最低気温もほぼ1年通して同じです。
日本に比べて殆ど雨が降りません。


そして何よりも、最高気温は1年を通して30度を超えています。
つまり日中非常に暑い気候にあると言う事です。


アキクサインコを飼っている方の飼い方の勧めで、「アキクサインコは暑い地域に生息しているので非常に暑い場所でも問題なく生活できているようだ」と言う記述を目にします。なるほど確かに、日本の暑さでもびくともしないような暑い地域で生きている鳥のようです。

さらにはどうもオーストラリアの砂漠気候の一部の地域では、1日の最高気温が50度を超える地域も存在するようです。
このような暑い場所で生息しているのなら、確かに日本程度の暑さではたいした事も無いでしょう。


しかし…本当に問題なく生きていられるのでしょうか?
この年間平均気温と降水量を見ると答えが出てくる気がします。

暑い砂漠気候の平均最低気温は20度程度。
つまり30度以上と言う熱い日中を避け、出来るだけ涼しい日の出前、そして黄昏に活動することで種としての繁栄を遂げてきたのではないでしょうか。



アキクサインコは、ほかのインコ類に比べて非常に静かな事が知られています。


私はなぜ同じインコ類であるにもかかわらず、これほど静かなのだろうと思っていました。

しかしこれも気候と降水量を見ると大体想像できます。


多分、アキクサインコはその多くの活動時間を気温の低い明け方や夕闇に裂き、その分、日中は岩陰などの比較的涼しい場所で静かに眠って体力と体内水分を温存しているのでしょう。


しかし一つだけ言える事は、アキクサインコは寒さに弱いのではないかと言う事です。
当然なこととも言えますが、平均最低気温を見る限り、20度を切る事はほとんどないようです。

こう言う鳥を、日本の氷点下を切る外気温で飼育するのは種としては難しいのかもしれません。
ある程度の保温対策は必要ではないかと想像します。
例えば、屋内で飼育するようにするとか、風除けを付ける等です。
もちろん保温電球を付けられればいいでしょうが、沢山の羽数を維持している場合は、エアコンでの集中管理の方が安上がりなようです。



さて、以上の事は、鳥の特徴と彼らの野生での生活範囲から、私が考察した結果です。
実際とは異なっている部分もあるかもしれませんので、その場合はご指摘と知識の補完を下さりましたら幸いです。