遠い星で、その星が滅びる可能性のある大洪水が起きた。
この洪水を予知していた人々は、大きな方舟(箱舟)を作り植物や動物たちを乗せ大洪水から生き延びようとした。
しかし、この方舟には人が多く乗りすぎた。
水が引くまで、船の中では争い事が絶えなかった。食料の奪い合いや権力争い、人種の違いでの揉め事・・・
方舟の中は疲れはてていた。そして、やっと水が引いた。
大きな山の山頂に方舟は停まっていた。

ここから新たな歴史が始まるかに思えたが、中には何一つ生き物はいなかった。
人々は争いで大半は滅び、残った人は食料の確保のため動物を殺し、植物は人が暖を取るため、または食料のために刈りつくされていた。
この星には生き物は何もいない。
大きな方舟は誰にも見つかることなく山頂に停まっている。
もう少し、私の事も考えてよ。
私だって、1日中、家の事で忙しいのに。
アナタは、私がずっと家にいるから楽してると思ってるけど家事だって大変なのよ。
そりゃ、アナタだって仕事してるから大変だと思うけど自分だけが大変だと思わないで。
しかも、作った食事には文句は言うし・・・
毎日、献立が一緒にならないようにしたり、アナタの好物も一品作ったり、アナタに誉めてもらおうと料理教室にも通ったのに。
なのに、アナタはあんな酷いことを私に言った。
「お前の作った料理は不味いんだよ!たまには、家で死ぬほど旨い物を食わせてみろよ!」ですって?
本当に許せない。あの時の言葉は許せない。
でもね、私はアナタの望んだ事は叶えてきた女。
アナタ好みの髪型にして、アナタ好みの服装をして、アナタ好みの料理も。
だから、今回もアナタの望み通りにしてあげる。
アナタの言う「死ぬほど旨い料理」ってのを作ってあげる。
やっと手に入れた“『死ぬ』ほど美味しくなる”魔法の粉を入れて・・・。
さぁ、食べて。アナタが望んだ通りの「死ぬほど旨い料理」を。
ちょっと、魔法の粉を多目に入れちゃったけど・・・その方が効き目があるものね。

さぁ、アナタ、早く食べて。


僕が犯人だと言っても誰も信じてくれない。
皆、君のような「いい人」は人など殺さないと言う。
早く捕まえてほしい。
人は見た目で損をする。
これ以上、誰も傷つけたくないが・・・