電車の写真を撮ろうとデジタルカメラのファインダーを覗いた。
そこには、一人の男がいた。
邪魔だと思い、男に声をかけようとした。
しかし、もう電車は来ていたので、声をかけず男を被写体に入れないようにカメラを構えた。
電車が、来る。
夢中でシャッターを押した。
目の前を通過する。その瞬間、さっきの男が電車に飛び込んだのだ。
一瞬の出来事で、飛び込んだ瞬間にシャッターを押していた。
だが、不思議な事に電車は何事も無かったかのように走り去っていった。
確かに、男は電車に飛び込んだのだはずなのに電車は走り去り、男の姿も無かったのだ。
慌てて今撮った写真のデータを見てみると、確かに男が電車に飛び込む瞬間が写っていた。
ふと男がいた場所に目を移すと男のいた場所に何が置いてあるのを見つけた。
そこには、枯れた花束が置いてあった。
もしかすると、あの男は自らここで命を絶ったのではないなか?
しかし、自分が死んだのが解らず、あの電車が来る度に何度も飛び込んでいるのではないのか?
そう、思った。
いや、そうに違いない。
走り去っていった電車と枯れた花束、そしてデジタルカメラのデータに残っている男が電車に飛び込む瞬間の写真
それが、この不思議な出来事の真実だと思った。
あの男は、きっと明日も電車に飛び込むだろう。
会場には、たくさんの人が集まった。
よりエコな、地球に優しい生活を送りたい人ばかりだった。
会場の証明は消され、マイクなどの機材も無かった。
会場に貴方は人たちは、これも節電の一環だと思った。
講演の開始の時間に講演者が壇上に上がった。
第一声は、こんな質問から始まった。
「今日、この会場に来る時に徒歩以外の方法で来た方は挙手をお願いします。正直に手を挙げてください」
この質問に会場の9割以上の人は手を挙げた。
それを見た講演者は続けてこう言った。
「今、手を挙げた方、早くこの会場から出て行ってください」
どうして、僕たち中学生に世界全体の未来を託したのか不思議だ?
『伝説の剣』なんて渡してもらったて使えるはずなんかない。今まで普通の中学生だよ?
なんだよ、悪の魔王って。カッコ悪い名前。
本当に大人は勝手だ。
俺は何もしない。こんな世の中、早く終わってしまえ!!