病院の最高の配慮あるお見送り | オルゴールとメリーゴーランド キラキラ輝く

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不思議な世界はオルゴールの奏で

夢と愛に満たされて生きる

父が主治医に臨終を告げられ私達は

大泣きをし父との別れを悲しんでいた


しかし、

ずっと悲しんではいられなかった。


すぐに

看護師さんに


エンゼルケアをしますねと言われた。


エンゼルケアとは
父の身体をきれいに清装していただく事で、

看護師さんが最後にしてくださる。


その間に私達は泣きながらでも

病室にある父の荷物の片付けを

しなくてはならず




エンゼルケアが終わったら


病院をなるべく早く

後にしなくてはならないので

夫はその間に葬儀屋さんに連絡をしていた。




主治医から父の命は後、2週間と言われても

私は亡くなった後の葬儀の事とか
お墓の事とか

考えられなかったし

考えたくなかった





ある時、病院の帰りに
夫と近くのファミレスで食事をした。


その時、家では話さない話をした。




もう余命を告げられていた後だったので

夫は

考えたくないだろうが
考えておかないといけない事

もし、お父さんが亡くなったら病院はすぐに退去してくださいと言う
だからある程度夜中でもすぐに来てくれる
葬儀屋さんを探しとかないといけない事。


「アビは考えたくない事だろうし、
気持ち的に無理だろうから
そういうアビにとって辛く嫌な事は
俺がしとくから。」
そう言ってくれた。やさしい


「だからアビはそんな事は考えなくていいから、
お父さんの介護と看病と一緒の時間を
過ごすことだけ考えたらいいから。」

夫の優しさが有り難かった。


そして父は

言われていた余命の2週間を超え
一カ月と1週間、頑張り

「この2日でしょう」と
言われてからは4日間頑張った。





でも





頑張ったけど父はやはり


天国へ行ってしまった





夫の連絡で

葬儀屋さんがストレッチャーで迎えに来られ

次に見たときは

父は白いシーツと布団にくるまれ

顔にはレースのついた布をかけられていた。




びっくりしたのはそれからだった。


病室を出ると今まで全く通ったことのない

病院内の通路を進む

先頭には最後に担当してくださった
看護師さんが歩き丁寧に誘導



その後を葬儀屋さんが

父を乗せたストレッチャーで続き




私たちが続く。




多分ご遺体が運ばれる専用の道なのだろう

初めて見る、どこなのかさえわからない場所

とても広い廊下を延々と歩き

専用のエレベーターに乗る

もちろん誰一人他の人はいない


降りた所は病院の裏側であろう

専用の駐車場だった。

もちろん、外からは見えない場所に
作られている




そこには、最後にお世話してくださった
3人くらいの看護師さんと

今までずっと担当してくださった
若き主治医が一列に並んで待っていた

主治医は私服だった、
もう夜中12時くらいの時間

先生も絶対時間外だ。





主治医は父とは相性が合わなかった


キツくて人間味がなくて
ハッキリと病状なども配慮なしに言う
そっけない若い医師



頑固で自分の意思を曲げない
プライドの高い父



何回もぶつかった

父の話から私も主治医が嫌いになった

主治医のチェンジが
できるならして欲しかったくらい




しかし、そんな主治医の最期の治療は

感謝しかない最高の治療をしてくれた



いい先生だったんだ。



父のために面会時間後も病室に来て

父の好きなカープの話をしてくれた

日本一になるのを見れるよう
頑張りましょうとも言ってくれた

相変わらず返事もしない父に。



父もあんなに嫌いで

話かけもしていかなかった先生に

最期の頃

「ありがとう」といきなり言って

私を驚かせた。


相性が合わなかった事は間違いなかった

でも、一年と五カ月の間お世話になった、




嫌いな二人の中にも

何かが生まれたのかもしれない





霊柩車リムジン後ろリムジン真ん中リムジン前に乗り込む前に私は主治医に

「頑固な父をありがとうございました。
最後の最後までちゃんとした治療を
していただいて感謝しています。」

心からのお礼を言い握手をした




霊柩車に乗る時から

看護師さんと、主治医の先生はみんなで

車が見えなくなるまで

深々とお辞儀をしてくださっていた。



こんなドラマみたいな
お見送りをしてくださるなんて
思いもしなかったびっくり


偉大な政治家でも有名な著名人でもない

一般の庶民にそこまでしてくださるなんて。


日本赤十字病院

素晴らしい病院でした。ニコニコ

父は私達だけでなく
たくさんの方に見送っていただけた。





去年、夫の義父が亡くなった時は

父とは違う中堅の病院で

葬儀屋さんが来てくださり
そのまま斎場へと直行で
看護師さんも夜勤の方一名、
主治医の先生もいつの間にか
いらっしゃらなかった。と、記憶している。

だからどこの病院でも
行われることではないのではないのかと思う、





病院の素晴らしい配慮にただただ
感動した時間でした。

ありがとうございました

本当にお世話になりました。