和訳の訂正&語句の解説を追加&訂正しました。(2025/8/15)

和訳の訂正&語句の解説を追加しました。(2025/8/3)




全体的に口汚いことになってますが、できるだけニュアンスに忠実に…と訳した結果です。お許しを… (^_^;) 


政治、社会問題などを含む歌詞ですが、あくまで“作品”として訳しています。(賛成や反対を議論するつもりはありません。)

「日本盤出なくなったので、誰も訳さないなら少しでも…」と勝手な使命感でこの曲の収録アルバムを重点的にやっています。
…が、毎度のことながら、Franの歌詞は詩的で解釈が無数に考えられます。あくまで個人的な解釈です。
また、今回はかなり反語的?だったり、痛烈な皮肉を込めた表現や描写も散見されます。
和訳のみだと誤解を生みやすいかもしれないので、できればそのあたりの解説も追加できれば…と思っています…。(やる気が続けば&見る方が居ればw)
(2025/7/29)





L.A. Times / Travis 

I look around and all I see is pain and suffering 
辺りを見渡すと目に入るのは痛みと苦しみばかり
Reflected on the 50 facets of a diamond ring 
それが男のダイヤの指輪の50の面に反射してる
Drippin’ fae a haun hingin’ oot a yellow Lambo 
黄色のランボルギーニから垂らした手からは宝石が滴り落ちそうだ
Aviators to the haters 
アンチにはアビエーター(サングラス)を
Fuck you all I’m fuckin’ Rambo 
全員くたばれ、俺は偉大なランボーだ
 
I walk the line I walk the line I walk the fuckin’ line 
真っ当に生きようとする、真っ当な道を、このクソな道を
I take the time I take the time but there’s no fuckin’ time 
ちゃんと時間をかけようとする、しっかり時間をかけようと でも、はじめから時間なんて全く無い
TMI TMI fuckin’ TFI 
情報過多、どうでもいいことばっか、“情報をありがとう” (クソが!)
Now get me off this fuckin’ rock before I fuckin’ fry 
焼け死ぬ前に俺を今すぐこの星から降ろしてくれ
 
And so it goes and so it goes 
だけど、こうやって世の中は進んで行く、こんな風に進んで行く
And so it flows and so it flows 
こうやって流れるままに、こんな風に流れるままに
Down down to Downtown 
ダウンタウンにどんどん下って行く
Down to the Pacific to the Pacific 
太平洋へ、太平洋へと流れて行く 

We’re living in LA Times 
僕らはLAの時代を生きてる
LA LA LA LA LA LA LA LA 
LA LA LA LA LA LA LA LA 
 
A litany of pity pouring out of every pore 

うんざりするほど繰り返される同情の言葉は全身からあふれ出てるけど、
Until you find a strung out junkie shitting on your door 

それも結局、ボロボロになったヤク中が玄関でクソをしてるのに出くわすまでだ
And where there’s one you know there’s going to be a dozen more. 
一人いるところにはもっといるはずだ
911 - Lots of fun - Here we here we here we go! 
911に通報だ、楽しいぜ、さあ、さあ、さあ行くぞ!
44 Billionaires and they’re sitting’ pretty 
44人の億万長者たちは高みの見物で安泰で
Counting crypto in their caves high above the burning city 
燃え盛る街を見下ろす贅沢な隠れ家で仮想通貨を数えてる
Mickey Mouse in the house 
ミッキーマウスが登場だ
Peaceful sleep, filtered air 
平和な眠り、キレイな空気
Pay your tax, anti vax 
税金払え、反ワクチン
Ginger Rogers 
ジンジャー・ロジャース
‘Mon the Dodgers 
頑張れ!ドジャース
 
LA LA LA LA LA LA LA LA 
LA LA LA LA LA LA LA LA 
 
And so it goes and so it goes 
だけど、こうやって世の中は進んで行く、こんな風に進んで行く
And so it flows and so it flows 
こうやって流れるままに、こんな風に流れるままに
Down down to Downtown 
ダウンタウンにどんどん下って行く
Down to the Pacific to the Pacific 
太平洋へ、太平洋へと流れて行く 

We’re living in LA Times 
僕らはLAの時代を生きてる
 
All the tears you cry today 
今日流した涙は
Are never gonna save you when it rains in LA 
LAで雨が降ったときに救ってなんてくれない
All the tears you cry today 
今日流した涙は
Are never gonna save you when it rains in LA 
LAで雨が降ったときに救ってなんてくれない
All the tears you cry today 
今日流した涙は
Are never gonna save you when it rains in LA 
LAで雨が降ったときに救ってなんてくれない
 
All the tears you cry today 
今日流した涙は
Are never gonna save you when it rains in LA 
LAで雨が降ったときに救ってなんてくれない
 
Rains in LA Rains in LA 
LAに雨が降る LAに雨が降る
Rains in LA Rains in LA 
LAに雨が降る LAに雨が降る 







  語句などの解説


Drippin’
宝石などのアクセサリーをたくさん身につけていて、こぼれ落ちそうなほど派手な様子
fae a haun hingin’ oot ( = from a hand hanging out)
(車から)外に出している手 (スコットランド方言の発音を表記している)
Lambo
ランボ:ランボルギーニの略称
Aviators
飛行士が本来の意味ですが、ここはティアドロップ型のサングラスの『アビエーター』を表していると思います。 権威、威圧感など独特のイメージ→アンチに対しての対抗、防御、または無視などの態度を表す比喩的なアイテム? “にらみつける”ようなイメージ?
何かを異常に嫌う人たち、アンチ
アンチに対してのアビエーターサングラスという表現は他の歌詞でも見られます。↓
Rambo
映画の『ランボー』、ここでは主語が“I”なので、語り手が一人孤独に周囲に対抗しようとしている様子を反体制や孤独な戦士の象徴であるランボーに重ね合わせている?(←ChatGPTの推論です💦)
walk the line
直訳は「この線(道)を歩く」、転じて「(道を踏み外さないように)正しく生きる」、「バランスを取って生きる」など
take the time
急がないでやる、妥当な時間をかける
TMI ( = Too Much Information の略語)
情報過多なことや聞きたくないような個人の細部の情報のこと
TFI ( = Thanks For Information の略語?)
“TFI”に該当する略語は複数あり、完全に絞り切れないですが、ここでは文脈的に「情報をありがとう」、「知らせてくれてありがとう」の意味と推測。(ここでは“fuckin’ ”がついているので痛烈な皮肉だと思います)
rock
(比喩的に)地球 ← スラングみたいです
fry
焼け焦げる、または電気椅子などでの処刑
so it goes
物事はこうして進んで行く
the Pacific 
太平洋 (ロサンゼルスが面している)
LA Times (Los Angeles Times)
ロサンゼルス・タイムズ。ロサンゼルスで発行され、主にアメリカ西部で購読される日刊紙。歌詞は個人的解釈で「LAで起こっていることが世界的にも問題になっているような時代」みたいな感じで訳しました。
litany of
《a ~》嫌になるほどたくさんの~、しつこいほど繰り返される~
pity
(困っている人に対する)哀れみや残念な気持ち。不憫に思うこと。
~ pouring out of every pore
直訳は「~が身体中の毛穴から噴き出す」 ~の部分が感情の場合、(人や物などの)全身(全体)から、その感情があふれ出している様子を表す
※ この歌詞では具体的な主語(“A litany of pity”の発生源)が不明で曖昧なので、仮に主語をLAとすると「LAのあちこちからひどいことの連続」みたいな意味とも取れます。
strung out 
〔麻薬中毒で〕痩せてげっそりした
junkie 
薬物乱用者 (最近はフェンタニルなどの鎮痛剤の乱用なども含む意味かもしれません…)
a dozen more
1ダース(12)よりももっと
911
911番(9-1-1:ナイン・ワン・ワン)アメリカの緊急通報番号
Lots of fun
とても楽しい 楽しいこと (この曲では皮肉? その場合は「最悪!」「地獄!」という感じ)
sitting’ pretty
有利な(楽な)立場である (苦労をせず)裕福である 恵まれている
crypto
仮想通貨
caves
趣味(例:ワイン)などを楽しむために設計された豪華な別荘、隠れ家
the burning city 
ロサンゼルスは山火事が多発する地域だったり、比喩的に暴動など混乱が常態化していることを指す?
Mickey Mouse in the house 
ロサンゼルス近郊のアナハイム市はディズニーパークで有名。ミッキーマウスはLAエリアのシンボル的なキャラクター。後半の“in the house”はたぶん韻を踏んでるだけではー?と思うけど、億万長者の家の中ではミッキーのアニメ観たりしてて呑気でいいな(皮肉)、みたいなニュアンスでしょうか?
filtered air 
空気清浄機でろ過した空気
anti vax ( = anti-vaccination)
反ワクチン ワクチン接種に反対することや反ワクチン主義者 (anti-vaxxers:アンチバクサーとも言う)
Ginger Rogers 
ハリウッド黄金期を築いた往年の美人女優
‘Mon the Dodgers 
‘Mon = Come on(頑張れ!)のスコットランド方言
Dodgersはロサンゼルスの球団 

☀️LAの気候について
ロサンゼルスは地中海性気候で年間を通して天気が良く、特に4月~10月にかけてはほとんど雨は降らないそうです。
日本人の感覚よりもずっと雨は“めずらしいこと”かもしれません…。☂️🌧️

和訳の参考サイト:
個人的感想&余談

社会の様々な問題とサビの部分のモチーフが涙と雨で印象的に描かれているところがStingの“Fragile”っぽいかも…?と思うのは私だけ…?
音的な印象も悲しく綺麗で、極力抑えた静かな構成も…。↓



あと、“L.A. Times”はスコットランド出身のFranがLAに移住して、自分のルーツとかアイデンティティーを大切にしつつ(歌詞にスコットランド方言がちらほら)、LAの街との違和感を抱えながら生き抜く、みたいなサバイバルの様子を描いていると思うのですが、同じくStingの“Englishman in New York”と比較すると… 

アイデンティティーは決して手放さないようにというスタンスとか、ストーリー構成が語り手の主人公が騒がしい雑踏を歩いて行く様子だったり、その騒音が曲にも反映されていたりする共通点があったりとか… 

まあ、ただSting好きなのでこじつけてみたのですが…
勝手にタイトルをつけるなら、今回の曲は…
“Scottishman in Los Angeles” (マジ地獄)
…みたいな感じでしょうか?
(本当に余談でスミマセン!💦)