ロシアのユリアさん(ペンネーム ユレナさん)の記事を翻訳させてもらいました。

 

 

日本語でも英語でも素晴らしい訳がありますので、わたしなんぞが訳すのは僭越なんですが、ユリヤさんは長年の羽生選手のファンでスケート技術に詳しく、熱心な研究成果を書いてくれていますので、記録としてブログに残したいと思います。

 

彼女のブログにはいつも素敵なGIFがたくさんあります。

今回許可を頂いて、GIFも一緒に貼らせてもらいましたので、何度でも見られるGIFで美しいトリプルアクセルを堪能しましょうウインク

 

 

http://www.sports.ru/tribuna/blogs/dobroefk/1021031.html

ブログ「善良なるフィギュアスケート」より

 

ユヅル・ハニュー。トリプルアクセルの進化

 

==========

 

「アクセルは、特に僕の好きなジャンプ。・・・自分の武器にすることができた!」(c)羽生結弦

 

==========

 

親愛なる読者の皆さん、こんにちは!今日は羽生結弦の好きなジャンプ、トリプルアクセルについてお話ししたい。

 

 

 

 

羽生結弦は2008-2009年シーズンのショートプログラム、”ボレロ”で初めてトリプルアクセルを入れた。少年は13歳だった。結弦の言葉によると、「ジャンプは安定していないので、簡単ではなかったです。」(c)

 

しかし翌2009-2010年シーズンには、14歳の結弦はすでにフリープログラム、セルゲイ・ラフマニノフの”パガニーニの主題による狂詩曲”のプログラムにトリプルアクセルを加えた。

彼は14歳でそれを2度跳び始めるほど、自分のジャンプを向上させた。

:フリーの前半で単独で、また後半には3回転トゥーループとのコンビネーションで。

結弦の言葉によると、このプログラムのおかげで、彼は一つのジャンプでは少ないと理解した。プログラムはすべて統一されたテーマに見えなくてはならず、エレメントは振り付けの一部にならなくてはいけない、と。

 

 

Миссия       Паганини

 

若い結弦はミスを恐れずに、大胆に、スピードをもって、ジャンプに入っている。

 

動画

ショートプログラム

2008-2009”ボレロ”、振り付け:阿部奈々美

https://www.youtube.com/watch?v=ahTBC5V1iZU

 

2009-2010 ”ミッション インポッシブル2”, 振り付け:阿部奈々美

https://www.youtube.com/watch?v=yRrJPn26qBQ

フリープログラム

”パガニーニの主題による狂詩曲”、振り付け:阿部奈々美

https://www.youtube.com/watch?v=crnZOqGsMjI

 

 

--------

 

2010-2011シーズンは15歳の結弦にとってシニアへの移行が特徴となった。

これはまったく違うレベルの競争を意味した。

シーズンの間にトリプルアクセルの安定性と質は向上した。(グラフを参照)

ゆえに青年はプログラムの振り付け、表現、フリープログラムに加えられた4回転トゥーループに集中することが出来た。

 

グラフ:2010-2011シーズン国際試合での3AのGOE統計

 

動画 

ショート 2010-2011”ホワイト・レジェンド”、振り付け:阿部奈々美

http://www.dailymotion.com/video/x3lv7dg_yh-cor10-sp-ita_sport

フリー 2010-2011”ツィゴイワルネイゼン”、振り付け:阿部奈々美

http://www.dailymotion.com/video/x3lvcbf_yh-cor10-fs-ita_sport

結弦はとても丁寧にジャンプを跳んでいる。それと同時に彼は、ただうまく3Aを跳ぶだけでは足りない、エレメントの高いGOEをもらえるように、その質を高める努力が必要だと理解した。重要なのは、ジャンプそのものがプログラムの中で調和し、統一感をもって見えることだ、と。

 

------

 

すでに2011-2012年シーズンのショートプログラムでは(スクリャービンのエチュード作品8 No. 12(悲愴) )、16歳の結弦は3Aを最も難し入り方で跳び始めている。

:スリーターンRBI-スリーターンRFO-シャッセRBI/LBO-カウンターLBO。

これらと同時に4Tがショートプログラムの内容を難しくしている。

 

Этюд

 

後方へのアウトエッジカウンターターンを伴ったトリプルアクセルへの入りは、おそらく、最も難しい。しかし、ここでの結弦のジャンプ自体は高さがあり、飛んでいるかのようで、素晴らしい空中姿勢があり、着氷とジャンプからの出では(体を伸ばした)良い体勢である。

 

「羽生はミスター”トリプルアクセル”」 - 2012年世界選手権、ショートプログラムの後、アンジェラ・ドリフィニ(イタリアのユーロスポーツ解説者であり、元シングルスケーター、現在ISUテクニカルスペシャリスト)は結弦をこのように名付けた。

このシーズンのフリープログラムで結弦はイーグルを伴った単独のトリプルアクセルを跳び始めた。

カウンターとイーグルを伴ったジャンプへの入りは、この時から羽生のトリプルアクセルの際立った特徴となり、愛好家たちにとても愛された。

 

動画

ショートプログラム 2011-2012年”パリの散歩道”(4回転ジャンプを入れた初めてのショートプログラム)、振り付け:阿部奈々美

http://www.dailymotion.com/video/x3omkw3_yh-gpf11-sp-esp-ita_sport

フリープログラム”ロミオとジュリエット”、振り付け:阿部奈々美

http://www.dailymotion.com/video/x44q6nx_yh-wc12-fs-esp-ita_sport

 

2012-2013シーズンは17歳の結弦にとって激動のシーズンとなった。

:コーチの変更、カナダへの渡航と練習環境の変化。この時期は、技術的内容が難しくなり、身体的負荷が増えたことだけでなく、組み込まれたコンポーネントでの練習やスタミナが際立っている。

ショートプログラム”パリの散歩道”ではトリプルアクセルはプログラム後半に移され、難しい入り方(ロッカーLFO-シャッセRBI/LBO-カウンターLBO)があるだけでなく、普通ではないドヤドヤした(粋な)出方をしている。(エッジプル- ファン スパイラル)

 

 

прогулки

 

フリープログラム”ノートルダム・ド・パリ”での結弦の二つのトリプルアクセルは、プログラム後半、コンビネーションで跳ぶ。

その他、これらのジャンプへの入り方はより難しくなった。

:ツバメ(スパイラル)-スリーターンRBO-モホークRFI-シャッセLBI/RBO-3A+3T

;トリプルアクセルを伴う二つ目のコンビネーション3A+2T は準備なしで跳ぶ。

スリーターンのあと素早い方向転換、モホークと、”突然の入り”という規定にあたる”ヒュンッッ” コンビネーションがある

 

動画

ショートプログラム2012-2013”パリの散歩道”、振り付け:ジェフリー・バトル

http://www.dailymotion.com/video/x3u8uuc_yh-nhk12-sp-ita_sport

 

フリープログラム2012-2013”ノートルダム・ド・パリ”、振り付け:デヴィッド・ウィルソン

http://www.dailymotion.com/video/x3wniak_yh-gpf12-fs-highlights-esp-ita_sport

 

 

2013-2014オリンピックシーズンに結弦とチームは、ショートプログラムを輝かせながら、残すことに決めた。

結弦は好きなジャンプをより簡単に、確信をもって、(こんなに簡単に跳ぶんだぞという)

軽い嫌味のニュアンスさえもって跳んでいる。

”パリの散歩道”でのトリプルアクセルはとても効果的に見える。-高さがあり、飛んでいるかのよう!

観客には、スケーターがエレメントを行うのにどんな力も注いでいないかのような感覚が生まれる。

 

”パリの散歩道”スタイルのかっこいい3A

прогулки 1

 

フリープログラムで、トリプルアクセルを含む2つのコンビネーションは、今まで通り後半に用意されている。結弦は、3A+2Tのコンビネーションへの入りを難しくしているが、それはカウンターLBOへ移行する、アウトエッジLBO/RFOイーグルから跳んでいる。

 

動画

ショートプログラム2013-2014 ”パリの散歩道”、振り付け:ジェフリー・バトル

https://www.youtube.com/watch?v=kpPbqUZHvr4

フリープログラム2013-2014”ロミオとジュリエット”、振り付け:デイヴィッド・ウィルソン

http://www.dailymotion.com/video/x4lfayq_yh-wc14-fs-esp-ita_sport

 

 

------

 

オリンピック後の2014-2015シーズン、ショパンの驚くほど素晴らしい音楽での新しいショートプログラムがファン達に贈られた・・・

でもこのシーズンはスケーターにとって極めて困難なシーズンとなった。

グランプリリシーズ中国杯での悲劇的な出来事の後、結弦はショートプログラムでジャンプの配置とジャンプへの入りと出を変更している。

イーグルから入ってイーグルに出るトリプルアクセルはプログラム後半に移され、それはプログラムの計画にいくつかの変更を招いている。

変更にもかかわらず、ジャンプは今まで通り本来のものであり、理想的にプログラムの輪郭に描かれている。

 

 

スリーターンRFI-クロスRBO/LFI-チェンジエッジ-カウンターLFO-3A-アウトエッジイーグルへの出

Баллада1

 

フリープログラムで結弦はトリプルアクセルとハーフループのコンビネーションを始めた。

お気に入りのジャンプはこの大変なシーズンにさえ結弦を裏切ることはなかった・・・・

 

動画

ショートプログラム2014-2015 フレデリック・ショパンの”バラードNo.1 ト短調 作品23”、振り付け:ジェフリー・バトル

https://youtu.be/k1dq9Dc20mk

フリープログラム2014-2015 ”オペラ座の怪人” アンドリュー・ロイド・ウェバー、振り付け:シェイリーン・ボーン

https://youtu.be/jkyE120o1sQ

 

 

-----

 

 

2015-2016シーズン、羽生結弦は技術的にも、内容的にもプログラムの構成難度を上げ続けている。

結弦は「フィギュアスケートのすべての面が発展し、難しくならなくてはいけない。そうでなければ進化と言うことは難しい。」(c)と確信している。

 

 

「ミスのない芸術性」(c) (イタリア解説者)

 

 

スケートカナダ ショートプログラムでの3A 

кораблики

 

 

しかしグランプリシリーズ スケートカナダの後、結弦はショートプログラムに2つ目の4回転ジャンプを加えている。それが今度はプログラム設計の変更をもたらす。

トリプルアクセルへの入りと、そこからの出方も変更をこうむる。

:イナ・バウアー-スリーターンLFO-LBI-クロス-シャッセ-カウンターLBO-LFO-3A-チェンジエッジRBO-RBI、カウンターRBI-RFI。

終わりなく見ることができる。

 

「すべてGOE+3  なんという幅、なんという柔らかさ、なんという輪郭!」(C)Rai-1解説者(イタリア)

 

Шопен

これこそ、羽生結弦のトリプルアクセル。

 

実際、最大限のGOEの基準を揃えている、最高の質のジャンプ。

 

1)難しい入り

2)ジャンプ直前にはっきりと見分けられるステップ/動き

3)じゅぶんな高さ長さ

4)着氷での良い体勢(伸びている)”または”ではなく)普通ではない出方

5)入りから出までの十分な滑らかさ

6)目に見えた力みなしで跳んでいる

7)音楽の構成に合っている

 

フリープログラム SEIMEIでは結弦の両方のトリプルアクセルがプログラム後半に、コンビネーションで、難しい入り方で行われている。

:アウトエッジイーグル、ロッカーRFO-RBO、シャッセ、スリーターンRBO-RFI、モホークRFI-LBI、シャッセRBO-3A+2T。

 

インエッジでのイナ・バウアーに移行するアウトエッジのイーグル、スリーターンRFO-RBI、スリーターンRBI-RFO、スリーターンRFO-RBI、チェンジエッジRBO-3A+1Lo+3S。

 

*ハーフループコンビネーションへの入りは非常に難しい。時計回りに行われるが、一方コンビネーションそのものは反時計回りで(反対周りで)行われるので。

 

 

動画

ショートプログラム2015-2016”バラード1番 ト短調 作品23”フレデリック・ショパン、振り付け:ジェフリー・バトル

http://www.dailymotion.com/video/x3jv26j_yh-gpf15-sp-diretta-del-10-12-2015-esp-ita_sport

フリープログラム 2015-2016 映画「陰陽師」から”SEIMEI”、振り付け:シェイリーン・ボーン

http://www.dailymotion.com/video/x3jf0aq_yh-gpf15-fs-diretta-del-12-12-2015-esp-ita_sport

 

今日、羽生結弦は両方のプログラムでトリプルアクセルと同タイプの4回転ジャンプを様々な難しい、コンビネーションの入りで跳ぶ唯一のシングルスケーターであることは明白である。

そう、これはリスクを増やしている。でも、ミスを恐れずにリスクをおかすこと-これは男子シングルのスケートの道筋でもある。

 

高い質をもった多回転ジャンプの美しさを結集する。

これはフィギュアスケートの技術と芸術のハーモニー。

 

読んでくれてありがとう。

尊敬を込めて、ユリヤ。

 

----------

 

ジャンプを跳んでいる間の姿勢を表す言葉についてユリヤさんに聞いたところ、

詳しく教えてくれました。

 

”結弦はまっすぐな軸に沿って体が伸びていて、足は固く結ばれ、腕は胴体におしつけられている。このような詰まった(きつく締めた)空間姿勢はジャッジに高く評価され、ジャンプの素晴らしい技術を見せている。”ということでした。

 

なるほど~。それで高く評価されるわけですね。そして美しいきらきら

 

-------

余談ですが、雑誌「Love!フィギュアスケート」にあった都築コーチのインタビューにこんなことが書いてありました。

(要約)

小学校時代に都築コーチと一緒に行った、地道なアクセルの練習がジャンパーとしての基礎を作った。コーチも羽生選手もダブルアクセルの先のトリプルアクセルを見据えていた。軸の取り方やタイミングなど、コーチが培ったメソッドを羽生選手に託した。彼も一生懸命練習して応えた。彼の美しいトリプルアクセルは試合でも大きな得点源になるが、小学校時代の練習がそれを支えている。

(都築コーチ談)

 

彼のトリプルアクセルはこれまでのコーチからうけた技と努力のたまもの。

そして、さらにクリケットでますます進化していく様子がわかって、ユリヤさんの記事面白かったです。トリプルアクセルほれぼれしますキラキラ

 

-----

ユリヤさんのブログへジャンプするボタンを作ってみました。

ぜひアクセルしてみてください。

こちら↓

 

ギネスおめでとう!おかえりなさい!