恋患い//

緩やかな　追い風

長い

長い夜は

あたしの総ての精彩を欠く

今宵の三日月の色さえ

　ましろに　見えるように…

神は細部に宿り給うというが

あたしが闇を

　光や、

輝きに変える日を迎える事はあるのだろうか

ゆかしい人には　さほどに遠すぎる

観客の居ない

水を打ったような静けさの中

まだまだ

「あたし」という映画は始まらない

あなたに心を奪われたまま

現（うつつ）を抜かすだけなのだ

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