50周年予告からだいぶ年月が経ちやっと公開されたシン・仮面ライダー

鹿児島では19日に1号本人が来てくれるとの事なのでゲストビジットで行きました。

 

 

この中のどこかに私はいます。 まあどこにいるかは言わないが

 

 

 

さて、正直見た感想として率直に言えることは庵野監督はマジで石ノ森先生の作品に愛があるんだなって事です。

今まで色々なライダー作品のリメイクや再登場作品がありますが

どの作品よりも、「石ノ森章太郎の仮面ライダーとは」がぶち込まれています。

 

100点満点の映画とは言いませんが、まさに50周年に相応しい作品です。

 

 

この記事を見ている人がいるとすれば既に視聴を終えていると思うので

序盤から最大のネタバレをすれば

本郷猛は死にます。

そして終盤は緑川ルリ子が作ったプログラムの中に精神のみの体となり仮面を通じて一文字隼人と一緒にダブルライダーしていくというもの

 

 

そう、まさに漫画版の仮面ライダーです。

このセリフをほとんど同じ言葉で喋った時には鳥肌が立ちました。

 

 

この映画はまさに漫画版の仮面ライダーであり、怪人の戦略や戦いはドラマ版の仮面ライダーでした。

 

まさに庵野監督やりやがった!!!でしたね

 

また、アンドロイドとして出てきていたKというロボット

これも石ノ森先生の作品にいるロボット刑事です。

このKになる前のJはまさにキカイダー

 

 

そして本作のラスボスであるイチローが変身するチョウオーグこと仮面ライダー0号

 

もう蝶という表現から絶対イナズマンだろって思っていたら

まさかのV3とイナズマンの合体ヒーロースーツ

なんだこれは・・・石ノ森作品を履修してないと絶対分からないじゃないか!!

V3はなんだ。父よ母よ妹よ のリスペクトか????

 

戦闘シーンもまさにプラーナという名のエネルギーをイナズマンの技に置き換えているかのようなカッコいいものに

 

もうこれ仮面ライダーの映画というより石ノ森作品の映画なのでは?

 

 

デザインもよければ内容も設定もまた良し。

ショッカーというものが悪の組織として描かれているというよりも

AIがもたらした「最大数の幸福ではなく、最も深い絶望を抱えた人間の救済」というエゴを叶えるために着実に人類を淘汰させていくものであり

それをそれぞれの改造人間が個々の思うがままに実行しているだけ

 

彼らは社会の不適格者であり、誰かが仮面ライダーに殺されたと言う事実を知っても別に復讐や協力して(ryみたいなことをしない。

(まあ1人だけ復讐心に燃えたのもいたけど)

コウモリ男やハチ女、彼らの怪人は自分の思うままに人類を淘汰する考えを持っており、それをルリ子や本郷猛が打ち砕く

 

ドラマ版の仮面ライダーで毎週個々に放送していたものを2時間の尺でそれぞれ総集編の如くまとめ上げてきたのには驚きましたね。

 

シンウルトラマンでもこのやり方は成立していましたが、今回のはそれよりも多い数でやってのけた訳で・・・。

 

仮面ライダーと名乗る本郷猛の苦悩も正に石ノ森先生の仮面ライダーでしたね。

序盤からショッカーを一撃で血祭りにする様

己が力で殺める事に悩むシーン、まさに「仮面の下に苦悶を抱えてそれでも戦うただの人間」です。

 

 

 

チョウオーグことイチローも、仮面ライダー2号一文字隼人も本郷猛も

全員が過去に哀しみを背負っており、全員がまた石ノ森先生で重視される悲哀ヒーローでした。

 

この作品の改造人間の皆が悲哀を持っていたのかは分かりませんが、

FIRSTで描かれたスネークとコブラのように最も深い絶望を抱えた人間の救済というものがあったのかもしれません。

 

 

作中で立花が言った悲しい過去の乗り越え方は違うという言葉も刺さりますね。

 

イチローの乗り越え方、最後に1人だけ残されてしまった一文字隼人の乗り越え方

 

ルリ子に託されたスカーフを脱ぎ捨てようとしたシーンで本郷に仮面を託された時に

やはり一文字隼人の中にも過去の乗り越え方があり、仮面ライダーになる事を決意したのではないかと思うと、色々と考えさせられるモノがあります。

 

 

 

この映画では長々と語れないほどいいシーンが多く盛り込まれていて

うまくまとめ切れません、たぶんシンウルトラマンのように何度も視聴しないと言い表せないでしょう。

 

本郷猛がショッカーライダーを倒した時に黙祷をしているシーン

一文字隼人が仮面ライダーになった後の行動やセリフ

(ショッカーの敵、そして人類の味方というのを言ったときはもうガッツポーズしてました)

ルリ子やイチローの視点からみた物語性

 

考えだしたらキリがないですね。庵野監督のオタク像を解釈するのは容易ではないのかもしれません。

 

まあ1個だけ苦言というかよくわからなかったのは

自走するサイクロン号はなんだったのだろうか・・・バトルホッパーかな?

 

装置破壊する時にサイクロン号のプラーナをぶつけていったのも・・・

なんだBLACKの創世王戦のリメイクか何かかな?

 

一体あれは何だったのだろうか。もうバトルホッパーみたいに可愛い動作しても

みんなバトルホッパーという事で不審に思わなかったんじゃないだろうか?

 

 

 

そんなシン・仮面ライダー

クウガ世代の人間でものめり込むほどいい作品だったので

4DXやMXでも再視聴したいところですね。