●迷銃?ライトニング

 

 M1877 ライトニングの歴史については既にこちらの記事で詳しく解説しているので、今回はサクッとおさらい

 

 登場は1877年で.32口径の「レインメーカー」.38口径の「ライトニング」.41口径の「サンダラー」の3種類の口径が作られた。これらのニックネームはコルトが付けたものではなく、代理店の社長が販促のために命名したものだ。

 

 

 設計はコルトの技術者であったウィリアム・メイソンによるもので、SAAのデザインやレイアウトを踏襲しているが、シンプルなメカニズムだったSAAとは異なり、シリンダーストップやダブルアクションメカの設計が複雑で故障が頻発したとのこと。とりわけ、ダブルアクションメカの複雑さは言葉で表し難く、当時のガンスミスも随分と手を焼いたらしい。

 

 ライトニングはバレル長の種類が多く、最も短いもので2インチ、最長が10インチと幅広い。エジェクターロッドの有無によって作られたバレル長が異なるのも特徴の1つとなっている。

 

 ライトニングが発売された翌年の1878年にはフレームを大型化して.44口径や.45口径に対応した「M1878フロンティア」が登場した。1889年にはコルト初のスイングアウト式のシリンダーを採用した「M1889ネイビー」が登場、1892年にはシリンダストップを従来のシリンダー側面を利用する方式に改めた「M1892ニューアーミー&ネイビー」が登場するなど次々と新しいダブルアクションリボルバーが開発された結果、ライトニングは1909年に生産終了となり、その歴史に幕を閉じた。

 

 

●短銃身のシェリフスモデルが登場

 

 ハートフォードのライトニングはバレル長が異なるものやメッキモデル、さらには口径違いのサンダラーやレインメーカーなど幅広いバリエーション展開が予定されているそうだが、その第1弾として2024年4月に3.5インチと2.5インチのシェリフスモデルが同時に発売された。

 

 本音を言えば、3.5インチと2.5インチのどちらも欲しいところだが、さすがに同時に2挺というわけにはいかないし、その後ろにも結構な金額のモデルガンを2挺も予約してしまっているので、やはり1挺に絞るしかない。そして、悩んだ末に購入したのは2.5インチであった。

 

 

 パッケージは4.5インチと共通で、側面のラベルによって区別されている。箱の大きさを見るに6インチ位までなら収まりそうな感じ。

 

 

 カートリッジは.38ロングコルトを模した発火カートリッジが6発付属する。別売でスプリングが内蔵された空撃ちカートも用意されている。

 

 

 バレル左側面には「COLT. D.A.38」の刻印が入る。反対の右側面には刻印はない。

 

 

 バレルトップの刻印も抜かりなく再現されている。

 

 

 フレーム左側面にはパテント刻印と跳ね馬のトレードマークが入る。

 

 

 カートリッジの装填・排莢はSAAと同じようにローディングゲートから行う。

 

 

 2.5インチモデルにはエジェクターロッドが付いておらず、ベースピンをその代用として使うことが想定されていた。そのため、ベースピンの脱着がしやすいように頭の部分が大型化されている。

 

 

 フロントサイトは半円型のものが付いている。

 

 

 リアサイトはフレームトップに溝を切ったフィクスドタイプ。ノッチが非常に浅いので実用性はイマイチ。

 

 

 ハンマーは独特な形状をしている。スパーのごくわずかな範囲にチェッカリングが入っている。

 

 

 トリガーはワイドタイプを採用している。ライトニングのダブルアクションはその独特なメカニズムゆえにとんでもなく重いので、これぐらいの幅は絶対に必要だ。

 

 

 グリップは特徴的なバードヘッドグリップを再現。奇妙な見た目をしているが、意外にも握り心地は上々。初期のモデルにはローズウッドの木グリが付いていたそうなので、そちらもオプションとして発売されたら嬉しい。

 

 

 先に発売された4.5インチと並べてみる。うーん、やっぱりバードヘッドグリップには短銃身が似合う。いざ、2挺並べてみると、3.5インチも欲しくなってくるのがマニア心というもの。メッキモデルで3.5インチが出たら買おうかしら。

 

 

 続いてはディテクティブのアルミ合金版であるコブラと。バレル長がライトニングは2.5インチ、コブラは2インチと異なるものの、サイズ感は非常に近い。コブラも随分と古いリボルバーだが、骨董品ともいえるライトニングと並べると、ものすごくモダンに見える。