天王寺谷亮 | 天王寺谷 亮のブログ

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第一章:人生の転換点に立ち会う仕事


「不動産の仕事は、人の人生を左右する、責任の重い仕事です。」


天王寺谷 亮(てんのうじや・りょう)は、そう静かに語る。


兵庫県宝塚市に構える「ライズ・ステージ株式会社」の代表として、彼は今日も誰かの人生の岐路に立ち会っている。


転勤、親の老い、経済的な行き詰まり、離婚——。


人が不動産の専門家を必要とする場面は、新築や広い家に住み替えたいという理由だけでなく、困っているタイミングとも重なる。


だからこそ、彼はこの仕事に並々ならぬ覚悟を持って取り組んでいる。


スーツの奥に刻み込まれているのは、過去の苦悩と失敗の記憶。


それらすべてが、今の天王寺谷を単なる「物件を売る営業マン」ではなく、「顧客の次の人生を支えるサポーターであり設計者」にしている。


なぜ顧客たちは、彼を信頼するのか。


そしてなぜ、数ある不動産会社の中から、彼の会社を選ぶのか。


第二章:カネへの執着と、プロとしての覚悟


20代の天王寺谷は、ただひたすらに数字に飢えていた。


「一番高いモノを扱う不動産で稼ぎたい」——その一心で業界に入り、休日も惜しまず営業を続け、成績を上げた。


しかし、売上至上主義の姿勢が、やがて取り返しのつかない過ちを引き起こす。


ある時、顧客からの質問に対して、知ったかぶりでその場しのぎの回答をしてしまった。


「自分を大きく見せたい」「契約を逃したくない」というちっぽけなプライドが、顧客へ多大な迷惑をかけることになったのだ。


社長の激しい叱責と、顧客の落胆した顔。彼は猛省した。


それ以来、知らないことは恥ずかしくても頭を下げる。嘘やごまかしは絶対にしない。この手痛い失敗から学んだ教訓が、彼を「数字を追う営業マン」から脱皮させる第一歩となった。


逃げも隠れもできない状況に自分を置き、全責任を背負ってこそ真のプロフェッショナルである。


その覚悟が臨界点に達したとき、彼は自らの看板で勝負する決意を固めた。


第三章:雪の日の約束と、顧客に向き合う人生


2019年、縁のあった大阪・西区で創業後、「地元に貢献したい」と拠点を出身地の宝塚に移した。


しかし会社の知名度はゼロ。チラシを5万部撒いても反響はない。


「このままでは会社が潰れる」という中、ネット経由でようやく1件の依頼が舞い込んだ。宝塚の山手のお宅からだった。


運命の売却査定当日。あいにくの大雪に見舞われた。山間部の道路は完全に凍結し、車は何度もスリップしあわや事故という危険な状況に陥った。他社の営業マンたちが次々に訪問をキャンセルする中、天王寺谷たちだけは違った。


「約束したのだから、何があっても行く!」


泥だらけになりながら時間通りにチャイムを鳴らした。出迎えたのは上場企業の役員夫人。


危険を顧みず約束を守る誠実さが心に響いた。誰も来ない日に現れたこの男に、彼女はすべてを任せる決断をしたのだ。


「天王寺谷さん、あなたがたにお任せします。」


物件はまたたく間に高値で売却先が決まった。地元宝塚の人に信頼してもらえた、忘れられない瞬間だった。


やがて彼のもとには、様々な事情を抱えた人々からの相談が集まるようになった。


離婚や借金など、人に知られたくない事情に必ず触れる仕事だからこそ「聞いた話は、墓まで持っていく」と個人情報を徹底して守る。


その誠実な姿勢が、静かな紹介を生んでいる。


①転勤をキッカケに

突然の辞令で残された住宅ローンと家族。天王寺谷は目先の利益のために、安易に売却を勧めない。「数年後に戻ってくる可能性があるなら、今回は売らずに賃貸に出しましょう」と、顧客の状況を深く聞き、自社の売り上げにならない選択肢も隠さず提示する。その損得勘定抜きの誠実さが、絶大な信頼に繋がっていく。


②離婚をキッカケに

売却相談で最も多いのが離婚案件だ。夫婦間の感情は冷え切り、水面下で早く現金化することが求められる。天王寺谷は決して不用意な介入はせず、公平な立場を保ちつつ「口を貝にして」スピーディに物件を処理する。近所に一切知られずに売却を進める独自のノウハウと、即金買い取りなどの融通の利く対応で、ご夫婦双方の新たな再出発を力強く後押しする。


この仕事では、離婚や借金など、人に知られたくない事情に必ず触れる。だから彼は、個人情報を一切外に出さない。紹介が増える理由のひとつだろう。


③親の老人ホーム入居をキッカケに

急増しているのが、親の施設入居費用を捻出するための実家売却だ。ある時、天王寺谷が買取査定に訪れた現場で、先に来ていた大手他社がすでに「1600万円」という金額を提示していた。


天王寺谷は静かに、しかしはっきりと伝えた。 「適正価格はこれくらいです。弊社なら2200万円でオファーを出せます。」


その差額、実に600万円。この金額の違いが、老人ホームへの入居金や、残りの人生の豊かさを決定的に左右する。


「私たちには全国区の看板がありません。だからこそ、目の前のお一人おひとりに誠実でいることが、唯一の看板なんです。」


④経済的な問題をキッカケに

ローンの支払いが滞り、競売の危機に瀕している顧客。誰にも相談できず精神的に極限まで追い詰められている。天王寺谷はSOSをキャッチすると、手元に少しでも現金が残るよう、金融機関と粘り強く交渉に走る。「もうダメだと思ってました」と涙ぐむ顧客に、「大丈夫です。ここから必ずやり直せますから」と寄り添う。


彼にとっての不動産売買の仕事とは、誰かの人生の立て直しそのものなのだ。


第四章:「仲間」と共に守る、宝塚の人々の暮らし


たった一人で始めた会社は、今では志を同じくする、7人のチームになった。


ある夜10時のこと。帰宅してひと息ついていた天王寺谷のもとに、社員が突然訪ねてきた。


「もしかして辞めたいのか」と一瞬ドキッとしたが、口から出たのは予想外の言葉だった。


「社長、明日お会いするお客さん、どんな提案をしてあげたら一番喜んでくれますかね?」


自分の営業成績ではなく、顧客の喜びを真剣に考えている社員。その姿を見た瞬間、天王寺谷は嬉しくてたまらなくなった。


「僕は完璧な人間じゃありません。本当は今でも、初対面の人と話すのは少し苦手なんです。だから、僕に足りないところを社員みんなが全力で補ってくれる。本当に人に恵まれているんです。」


自身も4人の子の父親である天王寺谷は、目の前の顧客の家族に自分の子供たちを重ね合わせる。


無理なローンを組んで、家族の笑顔や心の余裕を無くしてほしくない。


そのため、長年の経験から『返済比率25%以内・生活防衛資金6ヶ月分確保』という厳格な安全基準を設け、「今の状況なら、まだ買わないほうがいいです」とストップをかけることもあるという。


「ローンが通ることと、買っていいことはイコールではありません。銀行がお金を貸せる基準と、家族が笑って暮らせる基準は全く違うんです。大事なことはその後の暮らしが安心、安全に回ることだと思ってお伝えしています。」


この人は、売る人ではなく、人生の判断を一緒に背負ってくれる人だ。


エピローグ:関わった人々を次の舞台へ引き上げるために


なぜ、彼は宝塚という街にこれほどこだわるのか。


「自分を育ててくれた地元の街に、少しでも恩返しがしたいんです」


ライズ・ステージは、宝塚の花火大会への協賛や小学校、子供たちのサッカースクールへの寄付を人知れず続けている。


目標は、宝塚市で売上トップの会社になることではない。


「彼らに任せれば安心。親切にやってくれる」と評価される、宝塚で最も信頼される不動産会社になることだ。


「私たちの本当の仕事は、不動産を売ることではなく、顧客家族の人生のお役に立つことだと思ってます。」


その揺るぎない信念を胸に、彼はかけがえのない仲間と共に、愛する宝塚の街を今日も奔走する。


創業から7年経った「ライズ・ステージ」という社名に込められた強い想いは、今も変わらない。


——関わるすべての人を、次の明るい舞台へ引き上げるために。