レントゲンではわからない膝の痛み

登山やスポーツをした後などに膝に痛みを感じ膝をさわってみると、膝が少しはれてるような気がする。そんな時はどうしたらいいのか。どのように対処したらいいのか。何故、はれてるのかなど疑問だらけになってしまうかと思います。今回は専門用語では半月板損傷・前十字靭帯損傷などで水がたまるなんて言いますが、素人の方には全く意味がわからないかと思いますので、わかりやすく膝の水が溜まってる原因について解説していこうと思います。

 

 

膝に水が溜まるとは?

よく膝に水がたまるなんて聞いた方もいらっしゃるかと思いますが、全く膝に痛みがない方からしたら何故に膝に水がたまるのかさっぱり意味がわからないかと思います。わかりやすく言えば、膝の中で炎症が起こり、炎症を治そうと関節液が大量に出てくることを膝に水がたまると言った表現を使っています。例えば、指などケガをした時にジュクジュクとした液体が出て自然に治っていきます。これも皮膚を再生するためにマクロファージと言う液体が出て、自分の力で治そうと頑張るように膝も炎症がおきてるのを治そうと関節液がたくさん出てきます。

このように膝も無理な負荷をかけると、膝の中で軟骨は損傷を受けてしまい滑膜の炎症によって関節液がたまり膝がはれてきてしまいます。特に激しいスポーツなどでは半月板損傷と同時に「前十字靭帯損傷」などと複合的に損傷してる場合も多く膝に水がたまりやすい方が多いのも特徴ですが、この膝に水がたまると言うのはスポーツをしてる方に多いですが、最近では中高年の脚力の筋力不足により膝への負担が大きくなり運動が苦手な中高年であったり、変形性膝関節症、関節リウマチ、痛風の方なども膝に水がたまりやすくなってきています  

 

では、膝が痛くない人は関節液はないから痛くないのかと思う方もいらっしゃるかと思いますが、膝が痛くない正常な関節でも2ml前後の関節液が存在します。半月板損傷などで膝を痛めてる方はそれ以上の関節液が出て膝がはれてきてしまいます

 

 

膝の水を抜くとクセになる

 

ひと昔前は「膝の水を抜くとクセになるから抜かない方が良いい」なんて都市伝説的な事が言われていましたが、現在は水を抜くからクセになるのではなく、膝の中で炎症が続いているからクセになってしまうと考え方が変わってきました。

逆に水を抜かずに放置してしまうと、炎症を長引かせる要因になると言われており、それは膝に溜まる関節液の中には炎症を引き起こす物質サイトカインが含まれているために膝のみずは抜いておいた方がいいと言われています。からです。膝に水がたまった時は放置せず、クリニックなどで抜いてもらうことも重要となります

 

たまに膝の水がたまるのが癖になっていて、膝の水はほっておけば勝手になくなってくると放置されてる方も多いですが、膝の水は、一定期間放置したからといって自然に治るとは限りません。

改善するには膝の炎症を抑えることが大切です。膝の炎症が改善されれば、関節液の分泌と吸収のバランスが正常に戻り、溜まった水は自然になくなります。
が逆に、炎症が改善されなければ、何度抜いても水は溜まり続けてしまいます。繰り返し水が溜まるということなので、まずは炎症を鎮めることを念頭に治療されるのが良いと考えられています

 

 

検査・治療

病院やクリニックでは治療の前に検査になりますが、まずはどこの箇所で炎症が起こっているのかを特定しなければなりません。レントゲンでは分からない半月板や軟骨の損傷状態も分かるMRIで精密検査を受けるのが基本的な治療の第一段階になります。レントゲンでは半月板や軟骨の損傷状態がわかりにくく、より詳しくわかるのがMRIになりますが、金銭的にも少しお金がかかってしまい、MRIをお断りする方もいらっしゃいますが、後々に悪化し最悪なケース手術をすることを考えれば、MRIでしっかり原因を調べてみるのもいいのではないかと思います。

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