ブログを書いていて、こういうことを書くのはどうかと思いますが、ネット上には野球のルールに関して間違った答えが載っていることが、結構あります。
私は、ルール系を記載する際は必ず、閲覧した方が検証し易いように、野球規則等のエビデンスを一緒に載せるようにしています。
例えば、下記のリンクにある知恵袋。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13221393313?__ysp=5a2m56ul6YeO55CD
ベストアンサーに選ばれている回答の中に
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(1)ユニフォームの中やプロテクターの隙間に入り込んだりマスクに挟まって止まったりしたとき
→ボールデッド、フェアボールであれば各走者に1つの進塁を与え、打者にも一塁への進塁を与える
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との記載がありますが、これ間違ってますよね?
競技者必携(2020年度版)のP43には下記のような記載があります。
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(17)打球または送球がプレーヤーのユニフォームの中に入り込んでしまった場合の処置について(用語の定義15関連)
打球または送球が偶然にプレーヤーまたはコーチのユニフォームの中に入り込んでしまった場合(あるいは捕手のマスクまたは用具に挟まって止まった場合)、審判員はタイムを宣告し、ボールデッドにして打者には一塁を与え、審判員の判断ですべての走者に対して塁にとどめるか、進塁を認める。このプレイで走者がアウトにされることはない。なお、送球によってこのような事態が生じた場合、進塁させる基準は、送球が最後の野手の手から離れたときとする。
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ということで
打球や送球がユニフォームの中に入り込んでしまった場合
→打者には1塁が与えられますが、走者は必ず進塁が認められることにはなりません。審判員の判断で、その打球で進塁できたかどうかで決められます。
なので、上記ベストアンサーの回答は「間違い」です!!!
ついでに、以下のようにも野球規則には記載が有ります。
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5.06 走者(b)進塁
(I)1個の塁が与えられる場合
四球目、三振目の投球が、捕手のマスクまたは用具、あるいは球審の身体やマスクまたは用具に挟まって止まった場合、1個の塁が与えられる。
5.06 走者(c)ボールデッド
(7)捕手のマスクまたは用具、あるいは球審の身体やマスクまたは用具に挟まって止まった場合→各走者は進む。
【原注】
チップした打球が球審に当たってはね返ったのを、野手が捕らえても、ボールデッドとなって、打者はアウトにならない。チップした打球が、球審のマスクや用具にはさまって止まっても同様である。
第三ストライクと宣告された投球が、捕手を通過して球審に当たったときは、ボールインプレイである。球審に当たってはね返ったボールが地上に落ちる前に捕球されても、打者は直ちにアウトにはならない。ボールインプレイであり、打者は一塁に触れる前に、その身体または一塁に触球されて、初めてアウトになる。
第三ストライクと宣告された投球またはフォアボールの投球が、球審か捕手のマスクまたは用具に挟まって止まった場合、打者には一塁が与えられ、塁上の走者には1個の進塁が許される。
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投球が審判や捕手のマスクまたは用具、あるいは球審の身体やマスクまたは用具に挟まって止まった場合
→ボールデットで塁上の走者には1個の進塁が許される。打者はそのまま。
→その投球が第3ストライク若しくは四球の場合は、打者には一塁が与えられ、塁上の走者には1個の進塁が許される。
となります。
ただし投球がマスクに挟まった場合でも、以下の項目に注意が必要です。
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5.09 アウト(a)打者アウト
3)0アウトまたは1アウトで一塁に走者がいるとき、第3ストライクが宣告された場合。
【注】
0アウトまたは1アウトで一塁(一•二塁、一•三塁、一•二•三塁のときも同様)に走者がいた場合には、第3ストライクと宣告された投球を捕手が後逸したり、またはその投球が球審か捕手のマスクなどに入り込んだ場合でも、本項が適用されて打者はアウトになる。
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振り逃げが発生しない状況で、第3ストライクがマスクに挟まった場合は
→打者はアウト。塁上の走者には1個の進塁が許される。
以上のようになります。
ネット情報を鵜呑みにして「ユニフォームの中に入り込んだら、打者は1塁で・走者は進む」と間違ったルールを覚えてしまう可能性がありますので、ネット上の知識は100%信頼せず、必ず野球規則・競技者必携などをご参照いただいた方が良いと思います。