衝撃のラストにあなたの見る世界は『透きとおる』。

『世界でいちばん透きとおった物語』

杉井光

(2023年)日本

 

 

 

この前『逆転美人』を読んだ時に

感想にこのタイトルが引き合いに

出されていて本当はそういうのは

よくないんですが「紙の本でしか

できないトリック」があることを

最初に知った状態で読みました。

その感想と伏線解説を書きます。

 

あらすじ、冒頭のところを少し。

僕の名は藤阪燈真ふじさかとうま)。母がフリーの

校正者をしていたのがきっかけで

S社の編集者・深町霧子さんとは

家族ぐるみで親しくなっていた。

霧子さんは、新卒1年目で文芸に

配属されたとは思えない風格と、

気品を備えた才媛といった印象で

霧子さんが打ち合わせで来ると、

三人で食事をすることもあったが

あくまでも編集と校正の関係で、

プライベートは話はしなかった。

 

僕の父はベストセラー推理作家の

宮内彰吾で、母は不倫をしていて

堕胎の提案を拒んで僕を生んだ。

認知もされてないしもっと言うと

父とは一度も会ったことがない。

母は僕を一人で育ててくれて他に

頼れる親族もなく、家にこもって

校正の仕事や読書で過ごす毎日。

僕も友達を作らず遊びにも行かず

母と二人で静かに暮らしていた。

 

そんな親子二人の生活にもやがて

終止符がやってくる。18歳の冬

母・藤阪恵美は交通事故で死亡。

ショック状態だった僕の代わりに

霧子さんが紹介してくれた弁護士

保科先生が手続きをしてくれた。

僕は広すぎる部屋に一人残され、

書店バイトと家で映画やゲームの

ごくありふれた、何の変化も無い

毎日が続くだろうと思っていた。

――でも、そうはならなかった。

 

母の死から2年経った2月初め。

宮内彰吾が死亡したとニュースで

報道されたのだ。61歳だった。

5年前に胃癌が見つかってずっと

闘病中だった事も初めて知った。

若い頃の写真を検索して見たら、

確かに僕の顔とそっくりだった。

遺伝的に間違いなく僕の父親だ。

 

それから一ヶ月後、僕のところに

「僕の兄」と名乗る松方朋晃まつかたともあきから

電話がかかってきた。込み入った

話があるから会いたいと言うので

明日、S社で会う約束になった。

霧子さんから電話で謝罪が有り、

宮内の担当編集が僕の電話番号を

松方に教えてしまった、と言う。

明日は霧子さんも同席するそうで

何の話か知らないけど霧子さんに

会えるのはちょっと嬉しかった。

 

松方は派手な服装の30代の男で

一目で嫌な奴だと僕はわかった。

会ってすぐ敵意むき出しの態度で

「遺産はほとんどないよ」と僕が

認知目当てで金をせびろうとして

くるとでも思っていたのだろう。

険悪な雰囲気になり、霧子さんが

本題に入るように促すと、松方は

親父の新作があるかもしれないと

言って大判茶封筒を取り出した。

 

世界でいちばん透きとおった物語

 


 

亡き父の遺稿探しで始まる物語。

宮内が手書き作家であるがゆえに

思いついたある仕掛けとは――?

 

昔夢中になって読んだ児童向けの

ファンタジー本『魔法使いタタ』

なぜ僕には犯人がわかったのか?

 

宮内が京極夏彦先生に会ってまで

質問したかった事とは何なのか?

 

すべての「答え」を知ったとき、

見てきた世界は、「透きとおる」

 

作品解説、というほどではないが

ベテランライトノベル作家である

杉井光のノン・シリーズ小説で、

2023年のミステリランキング

「このミステリーがすごい」8位

「週刊文春ミステリベスト」9位

「ミステリが読みたい!」20位

と各ランキングで高評価を獲得。

 

藤阪燈真という青年を語り手に、

ミステリ作家だった父が亡くなり

死ぬ間際まで執筆していたという

どこかにあるはずの遺稿を探して

聞き込みするところから始まる。

その旅の中で、父が遺稿に託した

ある想いを知る――という物語。

 

深町霧子さんという編集者が彼を

サポートしてくれるヒロイン役で

心強い探偵役にもなってくれる。

燈真は仄かに好意を寄せているが

クールな霧子はかなり手強そう。

 

この本は「電子書籍化は不可能」

紙の本でしか体験できない感動を

味わえる仕掛けで話題になった。

 

今やスマホですぐに見たり読める

便利なデジタルの時代になって、

すぐ取り出せない置く場所も取る

アナログな紙の本は廃れている。

若い世代にもっと紙の本を読んで

もらいたいという作者の挑戦に、

大きな拍手を送りたくなる作品。

 

世界でいちばんしょうもない感想

すごくリーダビリティが高くて、

ラノベ的というと語弊があるけど

俺はこういう主人公の素の感情を

入れた文体の方が読みやすいので

目が疲れもせずサクサク読めた。

 

本自体のギミックは面白いです。

それ以外は特出したものがなく、

犯人が目撃者たちに見られずに、

どうやって密室から脱出したのか

という謎の解答が肩透かしのため

ストーリーは物足りなく感じた。

語りたくなる仕掛けがあるので、

話のネタ本としてならアリかも。

 

★★☆☆☆ 犯人の意外性

☆☆☆☆ 犯行トリック

★★★☆☆ 物語の面白さ

★★★☆☆ 伏線の巧妙さ

★★☆☆☆ どんでん返し

 

笑える度 △

ホラー度 -

エッチ度 -

泣ける度 〇

 

評価(10点満点)

 7点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

※ここからネタバレありますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1分でわかるネタバレ、ってやつ

――――<物語の結末>――――

狛江のアパートで遺稿が燃やされ

手掛りを失ってしまったが霧子は

犯人はわかっていますと言った。

宮内の元妻が先回りで遺稿を焼き

松方は逃げた母親をかばって嘘を

ついているのだと。その理由は、

遺作が誰に向けて書かれたものか

わかって赦せないからだと言う。

 

遺作は燈真のために書いた本で、

脳手術の後遺症で重なった文字が

透けてみえるために、裏に文字が

来ないようなレイアウトで書いた

特別な原稿を使って書いていた。

『魔法使いタタ』も実は宮内が、

幼い燈真のために書いたもので、

そこで燈真の目の症状が発覚して

今回の遺作のきっかけになった。

 

すべての真相を話し終えた霧子は

宮内が残したこのアイディアを、

燈真が形にしてはどうかと言う。

霧子が読んでみたいと言うならと

燈真はこれまでの遺稿探しの旅を

小説にしてまとめることにした。

そうして……この物語になった。

 

父が最終ページに、どんな言葉を

あとがきに書いて沈めておこうと

したかはわからないが僕と同じく

きっとこうだろう「ありがとう

 

紙の本しかできない仕掛けとは?

遺作は誰のために書かれたものか

知ることがまず重要なポイント。

それは宮内が「殺そうとした」と

いう人物のために書いたものだ。

それは語り手の「燈真」のこと。

 

東堂から①かみさんが泣きながら

やめてくれと頼んだと言うのは、(P.97)

元妻の方に思わせるミスリードで

実は燈真の母の恵美の事だった。

 

霧子は燈真から聞いたその人物の

殺し方から真相を見抜いていた。

「腹に、えものを突き入れて、

手も足も胴体もばらばらにして、

臓器ごと引きずり出す」殺し方は(P.82)

堕胎の人工中絶手術の描写だと。

つまり燈真のことを言っていた。

 

燈真は10歳の時にかなり重い

病気に罹り脳外科手術をうけた。(P.14)

その後遺症で紙の本を読むと目が

ちかちかして痛くなってしまう。(P.50)

電子書籍は問題なく読めるのは、

空白部分が透けないからだった。

霧子に指摘されるまで燈真はこの

症状に気づいてすらいなかったが

会員証の入った封筒を当てた件(P.129)

で一緒に見ていた霧子の方が先に

燈真の目の症状に確信を持った。

 

テストの問題や、校正のゲラが

読めたのは裏の文字がないから。(P.140)

 

⑤母が好きだった谷崎潤一郎の本

『春琴抄』も普通に読めたのは、(P.141)

文字が多くて空白が少ないから

しかし文字詰めすぎで読み辛くて

好みじゃなかったと母に言った。

 

『魔法使いタタ』という絵本の

「読者への挑戦」の同じページに

そのまま探偵が犯人の名前を告発

する場面が続いていてがっかり。(P.101)

――という話をしたが実際の本は

裏が白紙のページで次のページの

告発の文字を燈真は読んでいた

 

⑦この『魔法使いタタ』の作者は

宮内彰吾が書いた児童書だった。

本名の松方朋泰(ともやす)を音読みの朋泰(ほうたい)

アナグラムすると魔法使いタタ

自分の息子はもう大きくなって、

このような児童書は読まないから

燈真に読んでもらうために書いた

本ではないかと霧子は推理する。

 

燈真がタタにがっかりと言うと

母が残念そうにしていたのも実は(P.103)

宮内の本と知って読ませたから

宮内も燈真の反応に気づきを得て

この物語の文字構成を考案する。

 

その構成とは、すべての見開きを

まったく同じ左右対称の形にして

全ページの裏に文字が重なって、

空白の裏には必ず空白がくるよう

文字をレイアウトする事だった。

こうすることで燈真でも紙の本で

目を痛めずに読むことができる。

 

「紙の本でしかできない仕掛け」

とはこのこと。電子書籍だと紙の

裏の文字も重なった文字も無い。

それに文字の大きさを変えたら、

1ページの文章のレイアウトが、

大きく崩れてしまうのでこの法則

を使って書く意味が無いからだ。

 

実は、宮内はずっと燈真のことを

気に掛けていて、10歳のときに

脳外科の手術費用(1千万円)を

出してくれた人物は宮内だった

宮内の通帳の1千万円の振込先(P.50)

「イ)トウキョウ……」のイとは

医療法人のことで、宮内は金策で

目黒の自宅を売って金にした。

 

宮内は最初、このレイアウトを、

自動でやってくれる機械がないか

パソコンを触ってみたが駄目で、

京極夏彦先生に相談しようと、

協会に顔を出したこともあった。(P.133)

京極作品は確かに文章がページを

またいで途切れることないように

レイアウトを考えて書いてある

 

 

その他の伏線回収をあげると――

松方の母は過干渉で人の財布や

携帯を勝手に見るという話を聞く(P.111)

琴美からも宮内の奥さんが携帯を

勝手に盗み見すると言っていた。(P.147)

元妻が狛江のアパートに先回りが

できたのは、息子の携帯の着信を

自分に送信するアプリを入れて、

松方のメールが筒抜けだった為

 

狛江のアパートの鍵は、宮内が

自分の鍵を無くしたらしいので、

琴美が自分の鍵を宮内に渡した。(P.151)

――が、実は宮内の無くした鍵は

元妻がこっそり盗んでいたのだ。

 

 

最後の透かし文字「〇〇〇〇〇」

 

物語の最終ページ「〇〇〇〇〇」

という空白が出てきてその下から

ある文字が透けて見える仕掛け。

 

これは『魔法使いタタ』のように

白紙ページ下のあとがきの文字、

「ありがとうございました」から

「ありがとう」だけがうっすらと

透けてみえるようになっていて、

すごくオシャレだと思いました。

 

欠点や疑問など、気になったもの

物語として面白くない。ミステリ

作家の愛人の子が遺稿探しで話を

聞いて回って、結局その遺稿は、

無くなってしまうが自分の秘密を

知る旅だった、というだけの話。

 

文庫裏「予測不能の結末が待つ、

衝撃の物語」というのが大袈裟。

そもそも衝撃という驚きは無い。

 

主人公が会ったこともない父親の

遺稿探しをする動機が弱すぎる。

お金を出してまで頼むなら専門の

プロに頼むか自分でやるものだし

俺が松方なら、会ったこともない

人に安心して任せられないです。

 

主人公が小説を書く理由も弱い。

脳の手術代を出してくれた恩返し

にしても今までまったく関わらず

ましてや「殺したい」と殺意まで

向けられた相手の衣鉢を継ぐか?

この本を同じ目の病気で苦しんで

いる人たちに向けて書いたとかも

とくになかったし……自己満足?

 

実は父が何度か顔を見に来ていた

エピソードがあればよかったのに

宮内という人物像が掴みきれず、

スケベ爺という印象だけ残った。

こんな遺作よりも直接会いに来て

話をすればいいのに……と思う。

 

宮内の藤阪恵美へ対する気持ちが

まったく綴られていないと思う。

振り込みが途絶えても恵美の事を

別に気にもしていないように見え

てしまった。たぶん死んだことは

宮内もわかってるはずなのに……

燈真よりも恵美への遺稿を書け。

恵美がただただ可哀想に思えた。

 

誰も出て行くのを見ていない密室

トリックがひどすぎてがっかり。

実は松方が嘘を吐いていたという

白けるオチもひどいが、その犯人

が自分の母親というのもひどい。

あれだけ母を嫌っている話をして

いざ犯行現場で犯人の母親を見て

とっさに庇おうと思えますか??

「あんたここでなにやってんだ」

と取り押さえるのが普通ですよ。

後から来た警察に捕まって面倒に

巻き込まれるならまだしも、後ろ

から来るのは主人公だけだから、

どうしてこんなことをしたのかと

じっくり問い詰めたいはずでは?

 

元妻が「遺稿の存在を赦せない」

という気持ちも「別れた夫の事に

固執する」動機も納得できない。

今更なんで関わってくるんだよ。

どういう情報網で、遺稿が愛人の

息子のためのものだって気づける

んだよ。鍵も都合良く持ってるし

息子のスマホに送信アプリ潜入、

スマホの認証もなぜか突破する、

送信してもスマホ所有者が気づか

ない、通知が表示されないとか、

あまりにも都合の良すぎる展開。

 

レイアウトに無理に合わせるため

句読点の打ち方で文字数を稼いで

いるのがズルく思えてしまった。

下の「裏旋探偵の推理」で解説。

 

文章も日本語として少しおかしい

ところがある。例えば「護国寺に

は飲食店が少なく、ファミレスに

入る」というのは謎の文章です。(P.98)

「少ないので、」や「少ないが、

ファミレスならある」が適切か。

ってかファミレスも飲食店です。

 

あと「しばらくの沈黙を置いた」(P.67)

とは何ですか?沈黙を置くとは?

それと「肋骨の裏側が熱くなる」(P.214)

とは何なのか?体の内側のこと?

 

「腹にえものを突き入れて」と、

瑞希から話を聞いたのは燈真だけ

だったのに、霧子も知っていた。

と、いうことはその話を燈真から

詳しく聞いたのだろうか?いつ?

どうしてそれを正確に伝えること

ができたの?ってか普通、殺し方

なんかを詳しく話す?変ですね。

 

最後「あとがきにかえて」も同じ

レイアウトで書いてほしかった。

その「あとがきにかえて」の後ろ

参考文献がめっちゃ透けてます。

燈真くんは目が痛くなりますよ。

 

裏旋探偵の推理、のようなもの。

「紙の本でしかできない仕掛け」

そう聞いただけである意味では、

ネタバレになってしまっている。

『逆転美人』もそうだったけど、

紙の本でギミックを仕掛けるなら

文字のレイアウトを崩さない方法

または紙自体を使った方法だから

ある程度予想がついてしまった。

 

タイトルが「透きとおった」なら

紙を透かして文字を読む方法だと

予想できていたから最後の5文字

「〇〇〇〇〇」が出た時にこれは

「ありがとう」か「あいしてる」

「さようなら」の3択だと推理。

これはそのまま当たっていたが、

文字構成の方はわからなかった。

 

最初に読んだ時はなるほどなぁ~

これは面白い!と思ったんですが

文字数に合わせて書く書き方は、

難しい技ではないかなと思った。

それは――「句読点の打ち方で、

文字数を、微調整しているのが

わかって、しまったから、です。

 

例えば――そう、こんな感じに。

高梨さんはなにか言いかけ黙る。(P.37)

母の部屋を探し終え居間台所僕の部屋も見つからなかった疲れて窓の外を見るともう暗くなっている。(P.44)

血が半分だけつながった僕の兄にそのときそう言ってやってもよかったけれど。(P.47)

それから気づくメールが事務的なものばかりで恥ずかしい内容がなさすぎる。(P.58)

特別な。――そんな平凡な表現だけなのか?(P.65)

「あのはい勉強しておきますそれで話を戻して申し訳ないんですが宮内先生の原稿に関しては他になにか」(P.96)

そういう話ができる人は僕にももういない。(P.103)

原稿用紙――に見えるいやでも。(P.112)

宮内彰吾の遺稿探しの期限だ。(P.145)

「大長編の第1巻が書き上がっただけっていう」(P.149)

ようやくという気持ちとあっけないという気持ちがちょうど半分ずつだった。(P.156)

ついに――手が届いてしまうのか。(P.161)

病棟の大扉が開き別の看護師が顔を出し高槻さんとこちらに呼びかけてきた。(P.185)

僕があんたをどう思うかを――勝手に決めつけて遠回りしてあげくに死んだ。(P.215)

 

句読点で1文字足らないところは

――(ダッシュ)で2文字にして

文字数を稼いでいるようですね。

 

では、次の文章を見てください。

瑞希さんは皮肉っぽく目で笑った。(P.75)

この人のいつもの文体だったら、

「皮肉っぽく目で笑った」と、

句読点で区切るのが正しいのに、

句読点を打たずに詰めているのは

レイアウトが崩れてしまうから。

場面で使い分けているようです。

 

今度は詰め詰めの文章を挙げる。

宮内は幅広い読書家だったし他の話題も豊富なので退屈することはなかったという。(P.63)

黙りこくっていた僕に無用な気を回したのか東堂氏が訊いてくる。(P.94)

普段あれだけ折り目正しいのに好きな小説が絡むと途端に子供っぽくなるのが面白い。(P.99)

「彰吾さん遊び相手としては最高だったけど一緒に仕事したくはないな」(P.131)

もっと恨み言を並べられるとか理不尽に八つ当たりされるとか予想したのに。(P.177)

 

わざと文字数を調整するために、

通常使わない難しい漢字も使う。

愛人宅で書き上げたって自分で嘯いてたのが何冊もあるんです。(P.34)

語る言葉も、掘り下げる鶴嘴も持ってない。(P.90)

 

無駄な文章を入れて微調整する。

たしかDNA鑑定とかで認知をもらう方法もあったはずだけど、絶対に面倒くさい。(P.21)

ない。宮内彰吾の執筆メモと携帯電話が、ない。(P.115)

 

どうですか?なんのことはない。

いろいろな方法で文字数を稼いで

調整しているのがバレバレです。

優れたマジックでも途中でタネが

透けて見えてしまったら、素直に

驚けなくなってしまうものです。

そこが少し残念ですが、それでも

丸々一冊このルールで書き上げた

作者の労力は尊敬に値するものだ

ということは変わっていません。

 

 

――と、ここまで読まれた方は、

今回のブログの「変な法則」に、

気づいていることだと思います。

 

 

 

 

一行が必ず15文字になっている

 

 

 

 

いつも文章を書いている人なら、

思ったよりも難しくなかったし、

なんなら作者の気持ちがわかって

ここ苦労してるなーとかも透けて

前よりも感情移入できましたね。

 

俺が昔からこんな感じでブログを

読みやすく区切って書いてるから

言われるまで気づかなかった――

という人がいたらそれはそれで、

ミスリードが効いて嬉しいです笑

まあ自分でも変に思う文章なので

気づいてない人もいないか……。

 

最後に1つ言い忘れた事が……。

なぜ一行を15文字にしたのか?

その答えは、この本を手にとった

すべての人が目にする15文字。

 

 

①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬⑭⑮

世界でいちばん透きとおった物語

 

 

 

これですべての伏線回収終わり!

ああ~~これ、めっちゃ疲れる。

実際に似たルールを課してこれを

やってみて俺も実感できました。

確かに粗も見つかるけど、これが

どれだけの労力と時間と思考力を

消費するかもよくわかりました。

改めて、尊敬するわ、杉井先生。

もう二度とやりません。。。。。

 

好事家のアレトリック分類表

準備中です。というか今回は無し

 

裏旋の読書レビュー倉庫へ。。