フジテレビの人気ドラマ

「世にも奇妙な物語」

2023年秋の特別編が11月11日に放送。

その感想を書いておきます。

 

 

物語冒頭でタモリさんが

人生とは「選択の連続」と言って

ビアンカとフローラの

矢印の前に立っていた。

『ドラクエⅤ』かー。

ちなみに俺はフローラです。

みんなと同じなのはつまんないじゃんねえ~。

 

 

■永遠のふたり

主演:草彅剛、江口洋介

<あらすじ>

古い研究室を警察特殊部隊が包囲し、突入の指示を今か今かと待ち受けている。その特殊部隊の視線の先には、教授を殺害した犯人として疑いをかけられている助教授の坂本一(草彅剛)と教授の秘書の安藤リカ(大西礼芳)がいる。坂本は立てこもりながら、必死に自分の無実を訴えるが誰も聞かない。二宮警部(江口洋介)が事件現場に到着し、さらなる説得を始めるが坂本は応じない。二宮警部はタイミングを見計らい特殊部隊に突入の指示を出す。それに気づいた坂本は、とあるボタンの前に立つ。意を決してボタンを押す坂本。すると、世界は一変し……。

 

<感想>

シリアスなふりをしたコメディ回。

教授を殺害した犯人として

警察に包囲された男・坂本は

実は自分の「時間理論」を

教授に横取りされていた。

その恨みで教授を殺したと思われている。

追い詰められた坂本は

自分が開発した

あるボタンを押すかどうか迷っていた。

 

警官隊が突入してきて

覚悟を決めた坂本はボタンを押す。

坂本が押したボタンは

「時間を停止させるボタン」で

坂本とリカは2人だけで結婚式を挙げて

ずっと停止した世界で生きていくが

病には勝てずリカは死亡し

残された坂本は

世界を破壊する兵器を作って

自らも死亡し時間の流れを戻した。

 

そして最後は

江口洋介が1人で

停止した世界に残されるという

オチがしょうもない。

というか「え~い」と言いながら押す

江口洋介が面白かった。

 

坂本がボタンを押したのが

11日の午後4時33分で

公式がポストしていたのはナイス。

坂本のせいで

こけてしまったということですね。

 

もっともそれなら

突入した警官隊のつまずいた男に

坂本がぶつかっておいてほしかった。

じゃないと時間が戻った時に

つまずく意味がわからない。

 

なぜ坂本のスマホだけ動いているのか、

なぜ電気が普通に使えるのか、

なぜ服を着ていた死体が

白骨化して服が消えていたりしたのか、

いろいろ説明不足だし

SFなんで説明もできないだろう。

そこらへんの完成度が低く感じた。

オチもいかにも

世にも奇妙な物語にありがちな

「この後どうすんの?」

っていう投げっぱなしオチ。

申し訳ないが駄作。

 

話の完成度 ☆☆☆☆

奇妙な話度 ★★★★

コメディ度 ★★★★

ガチ恐怖度 ☆☆☆☆

感動の涙度 ☆☆☆☆

 

 

■地獄で冤罪

主演:北村一輝、花江夏樹(声のみ)

<あらすじ>

弁護士の山根航平(北村一輝)が夜遅く誰もいない事務所で仕事をしていると、部屋の向こう側から「僕は、無実なんです!冤罪なんです!」と狂気を帯びた声が聞こえてくる。突然の事に恐怖を感じる山根。その声の主は、殺人の罪で先日死刑が執行されたはずの三雲一郎(花江夏樹)だった。
三雲が言うには、自分は冤罪で死刑になり地獄に落ちた。そしてさらに地獄でも裁判を受けているという。ここでも無実を証明できなければ、地獄で永遠に苦しむことになってしまうと山根に必死に訴える。山根は不信感を持ちつつも、三雲の無実を証明するため地獄の裁判の弁護を引き受けることに。山根が事件を調べていくうち驚愕の事実が明らかとなっていく。

 

<感想>

冤罪で死刑になった男が

現実の弁護士に

地獄の裁判の

弁護を頼むという突飛な話。

途中まではすごく謎が面白く

誰が犯人なのか、

まさか主人公が殺したとか、

どんでん返しを期待させといて

なんだそりゃなオチで落胆。

 

竈門炭治郎の声優・花江夏樹さんが

三雲の声で出演していたことと、

ほん怖みたいなタイトルの出方はよかった。

あと画面がななめに回転すると

酔うのでやめてほしい。

 

山根が実は真犯人の長沼を目撃していたが

仕事の方が忙しくて警察に行かなかった。

それを三雲の両親が

どうして言わなかったのかと責めていたが

さすがに理不尽すぎる。

じゃあどうして私に

弁護を依頼してくれなかったんだと

理不尽に言い返してやればいいのに。

冤罪を証明できなかった

遺族側の力不足では?

 

そして

「これはお前の裁判なんだ」と

犯人・長沼の姿をした裁判官に言われ

ここは地獄で

お前はもう死んでいると告げられる。

山根は長沼に殺されていたが

記憶をなくしてしまったために

思い出すように仕向けたんだと。

 

激しいドアのノックは

実は裁判官の木槌の音だったという。

ここはなるほどと思ったが

う~ん音が違うような。

それと日本の裁判官は木槌持ってません。

 

山根は警察に行こうとして殺されたのに

裁判官が言うには人間の作った法律は

地獄では意味が無いとさ。

何もしないことが「有罪」は強引すぎる。

じゃあ冤罪なのに何も言い訳できなかった

三雲が天国に行ったのはなぁぜなぁぜ?

彼こそ何もしていないわけだけどぉ~。

上手いことまとめたつもりで

それじゃあ納得できませんよ。

 

それとムンクの「殺人者」の絵画が

弁護士事務所に飾ってあるのは

さすがにやりすぎかなと思う。

さすがにその絵は飾らんよ普通。

それに山根は殺人者ではなく被害者です。

 

話の完成度 ★★☆☆☆

奇妙な話度 ★★★★★

コメディ度 ☆☆☆☆

ガチ恐怖度 ★★★☆☆

感動の涙度 ☆☆☆☆☆

 

 

■走馬灯のセトリは考えておいて

出演:西野七瀬、七海うらら(VTuber)、朝加真由美

<あらすじ>

近未来の日本ではライフログを活用し、ライフキャストを生み出す技術が発展していた。ライフログとは、ある人の生前の生活、趣味趣向、口調などのデータであり、それを上手くロボットに注入できると、その人そっくりのまるでクローン(ライフキャスト)を生み出すことができる。小清水イノリ(西野七瀬)は質の良いライフキャストを造るライフキャスターと評判になっていた。しかし、イノリは「あんなのは魂のない人形」と言い、良く思っておらず、仕事を辞めようと考えていた。そんなある日、イノリのもとに、かつて一世を風靡したバーチャルアイドル・黄昏キエラのライフキャストの制作依頼が届く。50年以上前に人気を博したバーチャルアイドルのライフログを集めるのに苦戦するイノリだが、次第にキエラの過去の隠された秘密にふれていき……。

 

<感想>

小清水イノリ役で西野七瀬出演。

死んだ人のデータを

クローン(ライフキャスト)に蘇らせる

ライフキャスターという職業。

まるでデトロイトビカムヒューマンの世界。

ん?

まさか自分も

ライフキャストオチではないよな……。

 

末期のがんを患った

柚崎というおばあさんの依頼で

自分のライフキャストではなく

黄昏キエラを残してほしいと言われる。

50年前はVTuberだったおばあちゃん。

死んだらキエラとして蘇って

最後にバーチャルライブをしたいらしい。

VTuber七海うららが

黄昏キエラとして登場。

 

会話の内容から

「エモい」とか「セトリ」とか

50年後には死語になってるっぽい。

父親がキエラのファンで

俺も会いたいという。

実は黄昏キエラの中身は2人いたと聞いて

キズナアイかよと思った。

 

最初のキエラは親友の杏で

柚崎はそのマネージャーだった。

杏はもっと明るいキャラで

「おはキエラ」がやりたいのに

事務所的にクール系で

いくように強要されていた。

その杏が突然倒れてそのまま帰らぬ人になり

柚崎が代役を務めることになる。

なんで死んだのか雑すぎて謎だが

友人がやりたかったことを実現させるために

柚崎が「おはキエラ」を演じていたらしい。

この重い背景は良い。

 

そして中盤で驚き。

実は父はライフキャストだった。

水差しを取ろうとして

落として割ってしまうのは

手が壊れてうまく

動かせなくなっていた伏線だったのか。

だから廃棄処分を検討していたと。

 

父は自身もライフキャスターだったので

自分のライフキャストを作っていた。

だが性格は明るくてお節介で怒らない。

生前の父とは別人みたいとイノリは言う。

もしかしたら今のが父の理想で

こんな風に楽しく優しく娘と接したかった

果たせなかった望みだったのかもしれない。

生前の父は厳しくてなにかと

娘を怒ってしまっていたらしいから……。

 

3週間経って柚崎は死亡し、

バーチャルライブ葬が開催される。

実際のセトリは

①Seventh Heaven

②ダイヤノカガヤキ

⑤Trigger

⑩茜光(せんこう)

「あの世で待ってるからね」に

オタクの「絶対逝くよ~」は草。

涙目のなーちゃん綺麗でしたね。

 

■黄昏キエラ(七海うらら)『茜光』

 

物語のラストは

イノリが黄昏キエラに

ライフキャストには魂がある、

ライフキャストの未来に希望を持った、

この仕事をこれからも

続けていきたいと語る。

イノリが墓にお父さんって話しかけて

父のライフキャストは

背中を向けて聞いているのもいいなぁ。

最後にカレーまで

伏線回収するってよくできた話。

 

なかなか良い感動系だった。

走馬灯のセトリ自体に

あまり意味がなかったのは残念だが

ラストに変なオチを加えるとか

アレンジしないでくれてよかった。

今回1番の傑作。

 

話の完成度 ★★★★★

奇妙な話度 ★★☆☆☆

コメディ度 ★★☆☆☆

ガチ恐怖度 ☆☆☆☆☆

感動の涙度 ★★★★★

 

 

■トランジスタ技術の圧縮

主演:溝端淳平、阿部亮平

<あらすじ>

この物語では、実在するエレクトロニクス専門誌「トランジスタ技術」の圧縮に命を賭けた男たちの戦いを描く。「トランジスタ技術」は本としてはかなり分厚い部類に入る。まるで辞書だ。毎月発刊される「トランジスタ技術」。分厚いが故に保存するには日本の家屋は手狭だった。そこで人々は考えた。「トランジスタ技術」を圧縮しようではないかと。それはいつの日か、生活の知恵を越え、世界的な競技となった。“圧縮の神”と呼ばれた男を師匠にアイロンを用いた圧縮技術を受け継いだ男・梶原倫夫(溝端淳平)。そこに立ちはだかるのは脅威の握力でページをむしり取り圧縮する男・坂田成美(阿部亮平)。勝利を手にするのはアイロンか握力か。熱き男たちの奇妙な戦いが今幕を開ける!!

 

<感想>

MCタモリが言う

「物語は短ければ短いほどいい」

それ長い話の後で言われましても。

 

ふざけたことを真面目にやる

わけわからない系の話。

実在する「トランジスタ技術」という雑誌は

昔は広告が多いことで有名らしく

その広告を抜いてスリムにするのが

「圧縮」ということのようだ。

 

福澤朗がMCの番組で

料理の鉄人や

TVチャンピオンかという雰囲気。

トランジスタドリームを

実現するのはどちらか?

アイロン派の梶原VS毟り派の坂田。

坂田はなぜか上半身裸。

30冊一本勝負。

なんかよくわからんがすごそう。

 

アイロン派というのは

背表紙にアイロンを当てて

のりを溶かしてバラして再構築する。

時間はかかるが綺麗な仕事。

坂田は力で引き裂きカッターで揃えて

再接着する方法。

早いがその分

背が剥がれたりするリスクもある。

ところで娘役の田村藍が可愛い。

 

15-7で坂田優勢かと思いきや

梶原には最終奥義があり、

二刀流アイロンの煙から登り龍が飛び出す。

もうここは笑いがこらえきれなかった。

娘も笑ってたよね。

 

坂田の圧縮が中途半端で

背表紙が剥がれてしまい

5-12と形勢逆転。

梶原の勝ちかと思われた時、

今度はなぜか娘が敵に塩を送る。

おじいちゃんの遺言で

坂田にもアイロンを渡し

そのアイロンを使うと

さすが1番弟子だけあり

とんでもない速さで圧縮する。

坂田のアイロンさばきが早すぎて

「止まって見えるッ!」

「体が……覚えてやがるッ!」

もう馬鹿馬鹿しさが

一周まわって面白くなってしまった。

じゃあ最初からアイロンでやれよ。

 

最後の1冊は同時で

VAR判定で坂田が勝利するが

大切な読者の声のページである

リーダーズフォーラムの

ページを圧縮しわすれて-2点。

梶原が優勝!

お互いの健闘を称えてハグ。

師匠の亡霊が出て来て頷くの

面白すぎて反則やろ。

で、最後になぜかジローラモが現れて

今度はLEONの圧縮で対戦を申し込んでくる。

 

……なるほど(わかってない)

思い返してみれば確かに

俺も雑誌の切り抜きをして

ファイルにまとめていたことがある。

漫画の名場面をダイジェストにして

いつでも振り返れるようにね。

そのために1冊切り刻んでしまうけど

スペースは圧縮される。

 

俺はカッター派かな。

無線綴じなら雑誌をしっかり開いて

カッターで縦に切るとスーッと切れて

背もついてくるからバラけない。

それを後で背表紙をつけたらいい。

 

よく考えたらこの感想ブログも

2時間の放送内容を

5千程度の文字に圧縮していると言える。

なんだ俺も圧縮のプロだったのかぁ。

 

……とそれは置いといて

ここまでぶち抜けてアホは話は

逆に印象に残る。

今回セトリに続いて2番目に良かった。

 

話の完成度 ★★☆☆☆

奇妙な話度 ★★★★

コメディ度 ★★★★★

ガチ恐怖度 ☆☆☆☆☆

感動の涙度 ☆☆☆☆