声優アイドルグループ「=LOVE」で

インフルエンザが流行中。

12人のうち6人が感染し

休養するという非常事態。

1月27日のイベントにも

6人で出演することになった。

 

そのイベント直前の26日、

6人目にインフルと診断されたのが

イコラブのリーダー山本杏奈さんだった。

人一倍責任感の強い彼女だから

残りの6人に対する

申し訳ないという気持ちは強いだろう。

 

 

山本杏奈さんがインフルにかかり

1つ心配なことがあった。

それは「SHOWROOM配信」のこと。

 

実は1年以上も毎日

SHOWROOM配信を続けていて

台湾に行っても

フランスに行っても

体調が悪くても

欠かさずに続けてきて

「まいにちアイドル525日」継続中です。

 

まだCDデビュー前の頃から

新規ファンの窓口になろうと

毎日休まず築き上げて来た

ファンとの架け橋。

いわば杏奈さんの勲章みたいなもの。

このツイートに対する反応で

大事な仕事を休むのだから

SHOWROOMも休むべきでは?

という意見を目にした。

 

まいにちアイドル継続に

こだわってる場合じゃないだろと。

もっと自分の体を大事にすべきだ、と。

 

確かにその意見は正しいと思う。

そうやって言ってる人が

杏奈さんのことを心配して

言ってくれていることもわかる。

まいにちアイドルの数字が

一度ゼロになっても

何も変化はないかもしれない。

 

でもね……。

数字や体調は回復しても

「心の傷」は回復しない。

 

AKBの馬嘉伶さんとか

STUの福田朱里さんとか

まいにちアイドルが途切れて

大号泣したという話も知っているから

簡単にSHOWROOM止めろとは

絶対に言えないんだよ。

 

だから

俺はこんなふうに引用リツイートした。

 

病気で仕事を休んでいる人間に

何を無責任なことを言ってるんだと。

それはわかっている。

 

しかし

杏奈さんの大事にしてきたものを

守りたいと思っているものを

応援してやれなくて

何がファンなんだ!とも思ってる。

 

仮に自分が大事にしているものを

奪われそうになったらどうする?

俺は這いつくばってでも抵抗する。

簡単に諦めたくない。

 

どうやらその気持ちは

杏奈さんも同じだったようで……

 

休養中も毎日

15分だけ配信することを宣言した。

 

 

その27日夜の配信。

涙ぐみながら謝罪する杏奈さん。

 

「今日イベントをお休みしてしまって、メンバーの6人でパフォーマンスさせてしまって……なのに私は自分のSHOWROOMを配信するってことに、よく思わない方もたくさんいると思うし、そう思われて当然だと思うので、よく思わない方もいるっていう覚悟で配信をすることを決めました。すごい今日ツイートするのも怖くて、ちょっと迷ったんですけど、数字が全てじゃないっていうのはすごくわかってるし、でもファンの方と一緒に毎日配信してきたこの525日を無駄にしたくなかったし、杏の配信を見て毎日寝れるんだよって言ってくれるファンの方もいたからここで諦めたくなくって、スタッフさんにお願いしてSHOWROOMさんとも話していただいて、してもいいよって言っていただいたので……本当に私1人のわがままなので」

「ツイートするのがすごく怖かったし、よくないコメントが来てもしょうがないなって思ってたんですけど、みんな本当に優しくって、イコラブのファンの方は優しいなってあらためて思ったし、他のメンバーのファンの方も優しいなって思って……わがままを言ってごめんなさい」

 

わがまま結構!

それでこそ山本杏奈だと思ったよ俺は。

 

 

 

 

かなり話が脱線するけど

『旅立ちの詩』のエピソードを語っていい?

 

 

コナミの『ときめきメモリアル』という

恋愛シミュレーションゲームの名作がある。

パズルゲームやクイズゲームなど

幅広く世界が広がった中で

「ドラマシリーズ」という

スピンオフ作品が3本作られた。

本編のシミュレーション要素を無くして

アドベンチャーになっている。

 

それぞれヒロインが決まっていて

第1弾が『虹色の青春』で虹野沙希。

第2弾が『彩のラブソング』で片桐彩子。

第3弾が『旅立ちの詩(うた)』で

藤崎詩織と舘林見晴のWヒロイン。

 

後に『メタルギア』で有名になる

小島秀夫監督が

製作に関わっているので

とにかくストーリーが秀逸だった。

 

その3作目、

『旅立ちの詩』は

本編のメインヒロイン藤崎詩織の

「幼馴染み」の男子が主人公。

なんとも羨ましい設定である。

 

しかし主人公はごく普通の高校生。

存在感が薄い男子で、

詩織に好意を抱きつつも

距離は縮まらないままだった。

高校3年の卒業が近づいて

卒業文集の製作委員を

自分と詩織の2人が担当することになり

最後のチャンスが訪れる。

 

その文集は

「自分が1番輝いた時」を

テーマにした内容だったが

思えば自分には

輝いていた思い出が

何もないことに気づく。

そこで主人公は

卒業式の前日に行われる

「町内マラソン大会」に

出場することを決意した。

詩織も応援してくれるという。

 

それから毎日ランニングを続け

得意でなかったマラソンも

なんとか走れるようになってきた。

しかし……

大会前日に足に違和感を覚える。

無理をして寒い中運動を続けたため

筋肉疲労で肉離れを起こしていた。

学校の先生にも

今回は諦めなさいと忠告される。

 

そして

マラソン大会当日の朝。

詩織が主人公の家にやってきた。

彼女がとった行動は……?

 

 

テーピングの本を買って来て

痛めた主人公の足をテーピングしたのだ。

 

幼馴染みとして、

止めてあげることが

正しいのかもしれない。

でも一生懸命頑張っている姿を

ずっと見て来た詩織には

止めることはできなかった。

それでは主人公が納得しない。

 

「最後まで応援しようと思った。足の怪我がひどくなったとしても最後までやらせてあげることがあなたのためだと思ったから……」

 

1番大事なのは

本人の気持ち。

主人公が走りたいのだから

走れるように応援したい。

こういう支え方もある、と気づいた。

 

 

 

 

話を山本杏奈さんに戻すと、

イコラブのスタッフさんの対応が

この詩織の対応だと思う。

 

メンバーの気持ちに寄り添った

良いスタッフが周りにいるようだ。

SHOWROOMしてもいいですか?って

話ができる関係であり

それをSHOWROOM側に

ちゃんと確認してくれる運営。

イコラブはスタッフに恵まれているなぁ。

 

 

……と、

ここまで杏奈さんの配信を

肯定してきましたが

最後だけ苦言を。

 

「まいにちアイドル」は

いつかは止まる“数字”です。

しかし525日で止まっても

その525日分が

みんなの記憶から消えるわけではない。

だからもし記録が途切れても

今までの全てが無駄になるとは

思わないでほしいです。

 

目に見える“数字”に縛られ過ぎて

本来の楽しい配信ができなくなったら

それは望ましいことではないですから。

もっと気楽に考えていいと思いますよ。