AbemaTVで放送された

プロデューサーバトル第2弾は

LaLuceが『Everything will be all right』で

優勝して4th表題曲に決定した。

 

その勝利インタビューで

LaLuceとシューロケを兼任する

長月翠さんは言った。

「正直ラストアイドルってなんなんだろう?って思うこともあります」

 

俺も思った。

ラストアイドルってなんなんだろう?

 

ここで長月さんの言っている意味は

せっかく1stシーズンで勝ち残ったのに

不遇な扱いを受けていることに対する

やりきれなさをぶつけているのだけど、

そもそも「ラストアイドル」の

コンセプトは何だろうか?

究極のオーディション番組として

『バンドワゴン』という曲の

メンバーオーディションから始まった。

 

 

 

決勝戦の日に

AbemaTIMESが秋元康のインタビューを掲載。

こちらが興味深い内容だったので紹介します。

 

俺がこの記事で

興味を惹かれたのは次の2つ。

 

曲に合った人選が「ラストアイドル」の主旨

――AKB48グループや坂道シリーズのプロデューサーとしても有名な秋元さんですが、『ラストアイドル』構想のきっかけは何があったのでしょうか?

 

秋元:AKB48グループ、坂道シリーズというのは、先に楽曲を決めているわけではなく、そこに集まったメンバーの個性で曲を選んでいくというスタイルです。それとは逆に「最初に曲を決めて、その曲に合った人たちを集めたい」という構想が以前からぼんやりとあったんです。

スーパーマーケットで食材を見てから「何を作ろうかな?」と考える場合もありますが、そうではなくて、作る料理が決まっていて、最も合う食材を探すやり方。「作り方を変えてみよう」と思ったことが『ラストアイドル』の始まりかもしれません。

 

――『ラストアイドル』は今地上波でも3rdシーズンが放送中の人気番組です。当初からシーズンを重ねてアイドルたちを育成することを想定していたのでしょうか?

 

秋元:なんとなくありましたね。番組も、アーティストのプロデュースも、当初の企画通り、設計図通りにはいかないものです。今の時代は、予定通りにいかなかったものを、どういう風に直しながら作っていくのか、最初から“決めない”というやり方が面白いような気がしているんです。

昔はその逆で、最初の設計図通りに作ることが、いい結果をもたらすための“予定調和”を生んでいたのかもしれませんね。今は、スタッフすらこの先どうなるのか分からない、そういう番組作りの方が楽しいのではないかと思っています。

 

これは知りませんでした。

てっきり2人を戦わせて

良いパフォーマンスをした人や

個性的な魅力がある人や

審査員の好みで審査して

入れ替えるのだと思っていた。

 

そうではなくて

『バンドワゴン』という曲に

合っているメンバーを選ぶことが

この番組の本来の目的らしい。

 

例えば『バンドワゴン』をカレーライスとする。

暫定メンバーに「さつまいも」がいて

挑戦者に「じゃがいも」が来ました。

(ディスってるわけじゃないよ)

最終的にカレーライスを作るのだから

カレーの材料に

合っているのは「じゃがいも」ですよね。

(さつまいもでもおいしいけど甘くなるので)

ここは「じゃがいも」を選ぶのが

本来は正しい選択になります。

 

ところが「じゃがいも」は

なぜか「人参」を指名してしまった。

どちらもカレーに必要なのに

お互いに潰し合ってしまう。

で、今度は「福神漬け」が来ました。

「たくわん」と入れ替わるかと思ったら

漬物のくせに「たまねぎ」を指名して

最終的に「たくわん」入りカレーになったり……。

 

肉の種類だって

牛か豚か鳥かで味や食感が変わるし

最終的に何を作りたいか

審査員も好き勝手にやりすぎて

この本来の目的を忘れている

ってか、知らない?

そんな気がします。

 

 

炎上した1stの長月VS蒲原戦は

吉田豪とかいう人が

ラストアイドルにいないタイプだから

蒲原さんを選んだが

『バンドワゴン』という曲に合っているか

そこを考えたらこれはあり得ない選択。

立ち位置5番でソロパートがなく

安田さんと2人で歌っているから

歌唱力が絶対に必要な

ポジションでもありませんでした。

 

逆に間島VS阿部戦は

ソロパートのある立ち位置1番で

歌唱力も必要だし

センターは見た目の華やかさも重要。

身長の高い阿部さんは適任だった。

 

一方で『バンドワゴン』の

歌詞に合っているのは間島さん。

夢を諦めず変わろうとする主人公像は

どちらも合っていると言えます。

 

 

2期生はどうか?

 

つい最近の篠原VS橋本戦。

曲に合わせるというコンセプトなら

『愛しか武器がない』という

かっこいい系の曲に

1番合っているのは篠原さんだった。

橋本さんは可愛い系です。

 

審査をする人は

「最終的に何を作りたいのか?」を

もっと考えた方がいいかもしれません。

 

 

 

最強のアイドルとは「語りたくなるアイドル」

 

――『ラストアイドル』は「最強のアイドル」を目指している女の子たちの集まりだと思います。秋元さん自身が考える"最強のアイドル"とは、どのようなアイドルでしょうか?

 

秋元:「語りたくなるアイドル」が、最強のアイドルだと思います。例えば、ワインって、なぜこんなに世界中の人から愛されているのか、疑問に思ったことがありました。ワインって“語りたくなるお酒”なんですよ。「これは何年物で、産地がここで、作り手がどうだ」と語るポイントがたくさんある。そのようなことが、廃れずにずっと人気であり続けている理由だと思います。

1つのアイドルグループを目撃した人が「このアイドルのデビューはこうで、メンバーはそれぞれこういうルーツを持っていて、メンバーがチェンジして……」といった経緯を覚えていて、新しくそのアイドルを知った人に語れることが、最強のアイドルだと僕は考えています。

 

――まさに『ラストアイドル』は語りたくなるポイントがたくさんありますね。

 

秋元:そうですね。AKB48が2005年に誕生してから、ファンの皆さんが、劇場に行った後に“感想戦”と言って、ファミレスや居酒屋でその日のライブを見た感想を語り合っていることを知りました。ブログやTwitterに感想を書いてくれる。そうやって、語りたくなるのがファンの皆さんの心理だと思います。

 

これはよくわかる。

自分もブログで語ってるわけですし。

 

しかし、

良いから語りたくなるグループと

悪いから語りたくなるグループがある。

 

「乃木坂46」や「=LOVE」は

あれが良かったこれが最高だったと

良いことで語ることが多い。

逆に「ラストアイドル」の語りポイントは

圧倒的にジャッジへの賛否ばかり。

「欅坂46」も運営への不満で

負の語りが多いように思う。

AKB48グループはその両方。

総選挙や選抜発表という

語りたくなる話題が多い。

悪い話題で語ると批判も受けやすく

とくにラストアイドルは炎上して

話題作りをしているようなものだ。

 

 

 

前述した「曲に合った人材」だと

応用が効かないところもある。

カレーライス用の食材なら

「ハヤシライス」や「ビーフシチュー」

「肉じゃが」あたりはできそうだが。

 

もしかして「ラストアイドル」は

『バンドワゴン』でデビューして

すぐ解散させるつもりで立ちあげた

企画なんじゃないかという説もある。

 

そもそもなんで「ラスト」か?

1stシーズンがプロアマ不問で

兼任も可能だったのは

元のグループに戻ればいいわけで、

未経験の22歳の年齢を取るのは

「最後にアイドルやってみませんか?」

という意味で「ラストアイドル」?

 

人気が出てしまって今も続いているが

名曲『バンドワゴン』1曲で消えて

伝説を残すようなアイドルが

当初の理想だったのでは?

 

異常な速さで2期生を募集したのも

新しい楽曲に使う

新しい人材が必要だったわけで

結局は「曲が優先」だから

メンバー自体には興味がないのかも?

 

かつてスクウェアが

『ファイナルファンタジー』を出した時、

最後のつもりで続編を作る予定が無かったから

「ファイナル」と付けたという噂があって、

「ラストアイドル」もそのつもりで……

 

いやいやその噂はデマで

坂口氏は「Fで始まる単語なら何でもよかった」と

アルファベット表記の語呂の良さで決めたので

「ラストアイドル」の「ラスト」にも

意味は無くて――――

 

 

……などと

飲み屋で友人たちと言ってそうな

的外れな推察で

あれこれ盛り上がるのも面白い。

これが「語りたくなるアイドル」。

秋元康の狙いは成功しているようだ。